HOME > 重賞展望 > 第138回天皇賞・秋

第138回天皇賞・秋(GI)
2008年11月2日(Sun) 東京芝2,000M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 アサクサキングス 91 前に行けるのは良い。内枠先行の利活かしたい。
2 ディープスカイ 88 前走同世代に辛勝。古馬一線級相手にどこまで。
2 3 エアシェイディ 88 東京では毎回凄い脚を使う。外を回さなければ。
4 アドマイヤモナーク 90 いい脚を長く使う。距離はもっと長いほうがいい。  
3 5 サクラメガワンダー 91 いつもそこそこ止まり。前に行けても一押し不足。  
6 エリモハリアー 86 夏の終わりから連戦続き。現状付いて回るだけ。  
4 7 ダイワスカーレット 92 先行して速い上がりを繰り出せる。いきなりでも。
8 ポップロック 95 前走少々掛かって早仕掛け。今回折り合いカギ。  
5 9 アドマイヤフジ 91 前走意表突く先行策。ただ今回中枠で再現微妙。  
10 キングストレイル 91 前走逃げ馬不在に乗じただけ。力差は否めない。  
6 11 ハイアーゲーム 88 加齢と共に反応鈍化。正直上がり目は無さそう。  
12 タスカータソルテ 89 前走は展開嵌った感。坂のあるコースでは不安。  
7 13 オースミグラスワン 89 末脚強力も加速鈍いのがネック。今回余裕無し。  
14 ウオッカ 95 前々でも競馬可能。今回外枠でどう乗るか注目。
8 15 トーセンキャプテン 87 前残りの前走凡退。この中に入ると実績不足。  
16 カンパニー 91 前走馬体減で差して5着。昨年3着の面目躍如。
17 ドリームジャーニー 88 小回りで捲りを効かせる馬。今回はコーナー2つ。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 好敵手倒しいざ最強へ・府中の大舞台で唸る末脚ウオッカ
■予想構築

 異なる世代のダービー馬が天皇賞秋で対戦するケースは「TARGET frontier」で検索出来る過去23年では皆無(そもそも大半の馬が故障して3歳のうちに競走生活を終えてしまう)。安田記念を楽勝し、毎日王冠も負けて強しのウオッカ。NHKマイルCとダービーを連勝し、休み明けの神戸新聞杯を早め押し切りで制したディープスカイ。ウオッカに3勝1敗と勝ち越し、産経大阪杯で後の宝塚記念馬相手に悠々逃げ切ったダイワスカーレット。それぞれ単勝支持率20%前後で拮抗、3強を形成している。

 単複派は腕の見せ所。馬連はこれら3頭の組み合わせのみが6〜7倍、他が絡むといきなり20倍台。3連複もこれら3頭の組み合わせが7倍前後で、他が1頭でも食い込むと20倍台後半。馬単・3連単はこれらよりスプレッドが大きい。3強のうち2頭がコケたり、3強以外が勝つようだと秋華賞や菊花賞とは違う意味で荒れそう。

 3強の中ではウオッカの気配が群を抜いていい。栗東坂路で単走馬なり、4F52秒2−1F12秒5。馬場が踏み荒らされていない朝一で追ったので速い時計が出るのは当然にしても、首を使ってのリズミカルな動きは見ていて惚れ惚れする。今回の課題は枠順。外枠ということで先手を採りに行くのは難しく、これまで通り終いに賭ける作戦が濃厚。ダイワスカーレットを相手にする以上、後ろ過ぎると苦しくなる。

 ダイワスカーレットは7ヶ月振りの実戦にも関わらず、ここまで一度もビシっと追っていない。今週も栗東坂路で単走馬なり、4F53秒1−1F13秒5。単純比較は出来ないものの、産経大阪杯直前は強く追って4F51秒1−1F12秒8だった。仕上がりは7〜8分といったところ。ただ現在の東京は内を通った先行馬が残る。先行して上がり3ハロン34秒台でまとめられるダイワスカーレットにとってみれば最良の舞台。

 ディープスカイは栗東坂路で先週一杯に追って4F52秒4−1F12秒4、今週は輸送を考慮してかサッと流して4F53秒5−1F12秒7。まだ100%とはいかないが、前走直前よりは動きが軽くなっている。問題はこれまで差す競馬ばかりで先行の実績に乏しいこと。ダービーの差し切りはナリタブライアンやディープインパクトばりの見栄えはしたが、今回は古馬が相手。追い切り気配からの順位付けはウオッカ>>ディープスカイ>ダイワスカーレット。展開面からはダイワスカーレット>>ウオッカ≧ディープスカイ。


【同年の宝塚記念に出走していた天皇賞秋3着以内馬一覧(過去10年)】
年度 馬名 宝塚記念 前哨戦 天皇賞秋
'98年 ステイゴールド 2着(9人気) 京都大賞典4着(2人気) 2着(4人気)
サンライズフラッグ 8着(5人気) 朝日チャレンジC3着(1人気)
毎日王冠3着(4人気)
3着(5人気)
'99年 スペシャルウィーク 2着(1人気) 京都大賞典7着(1人気) 1着(4人気)
ステイゴールド 3着(7人気) 京都大賞典6着(7人気) 2着(12人気)
'00年 テイエムオペラオー 1着(1人気) 京都大賞典1着(1人気) 1着(1人気)
メイショウドトウ 2着(6人気) オールカマー1着(1人気) 2着(2人気)
'01年 テイエムオペラオー 2着(1人気) 京都大賞典1着(1人気) 2着(1人気)
メイショウドトウ 1着(2人気) (直行) 3着(2人気)
'03年 シンボリクリスエス 5着(1人気) (直行) 1着(1人気)
ツルマルボーイ 2着(8人気) (直行) 2着(5人気)
'04年 ゼンノロブロイ 4着(2人気) 京都大賞典2着(1人気) 1着(1人気)
'05年 ゼンノロブロイ 3着(2人気) (英・インターナショナルS2着) 2着(1人気)
'06年 ダイワメジャー 4着(2人気) 毎日王冠1着(3人気) 1着(4人気)
'07年 メイショウサムソン 2着(1人気) (直行) 1着(1人気)

 このレースは同年の宝塚記念に出走していた馬が好調で、該当馬は延べ50頭が出走して【6・6・2・36】(24.0%)。このうち宝塚記念で掲示板に挙がっていた馬は延べ29頭が出走して【6・6・1・16】(41.3%)、6着以下だった馬は延べ21頭が出走して【0・0・1・20】(0.0%)。後者は分が悪いものの、その分人気薄なので積極的に狙っていくべき。人の行く裏に道あり花の山(意味は各自で調べてみてね)。株の格言は競馬にも相通じるところがある。昨日の続きじゃないけど、株も競馬も元本保証のないギャンブルなんだよね。

 注目は昨年の菊花賞馬で宝塚記念5着のアサクサキングス。ウオッカとはダービーでコンマ5秒差、ダイワスカーレットにも産経大阪杯でコンマ2秒差と分が悪いものの、内枠先行なら他には先着出来るはず。宝塚記念4着のサクラメガワンダーは前残り決着の毎日王冠で差して4着。但し毎日王冠の時点で既に仕上がっていた。それならば宝塚記念8着でも毎日王冠でサクラメガワンダーと同じく差し込んで5着のカンパニーに妙味を感じる。前走を叩き台と割り切って使った音無師の判断を信用してみる。

 先週の菊花賞を3連複でズバリだった競馬エイトのヒロシTMは菊花賞回顧後の天皇賞秋展望の中でエアシェイディを推していた。「内を通った馬が上位を独占した安田記念で、外を回して上がり最速で突っ込んできた」ことが買える根拠らしいが、今回も同じことになるんとちゃうの?というのが私の率直な意見。芝2,000M【2・2・1・0】、東京芝【4・4・0・3】と買えそうな材料も揃っているが…。ネ申のご神託なので一応有り難く受け取っておく。

 タスカータソルテの札幌記念はコンゴウリキシオーがレースを引っ張ってハイペースになったところに上手く乗じただけ。ダービーではウオッカやアサクサキングスはおろか、ドリームジャーニーにすら遠く及ばず。直線に坂のあるコースでからっきしだし、今回は中途半端に人気しているので有り難く消し。コーナー2つのコースだと捲れないドリームジャーニーも怖くない。410kgそこそこの小柄な馬体に58kgもキツい。ちなみにウオッカは490kg近い雄大な馬体を有するものの、女の子なので56kg。差別だ。

 以上をまとめる。東京では上がり33秒台がデフォルト、連対を逃したのは前残り決着で最後方から突っ込んで届かなかった昨年のジャパンCのみという生粋の府中巧者ウオッカが軸。ダイワスカーレットは絶好調のウオッカと比べると分が悪いとみて対抗へ格下げ。ディープスカイはダービーのような乗り方だと届かない可能性大。前走も勝つには勝ったがブラックシェルには春先よりも詰め寄られたし、成長性も案外かもしれない。連対は難しくても3着ならアリかな。

 東京で使う脚はウオッカと同格、距離ロスが無ければ確かに面白そうなエアシェイディ、居残りにかけてはウオッカが勝ったダービーやダイワスカーレットが勝った産経大阪杯でも実証済みのアサクサキングス、前走ヤラズで今回人気薄のノリというシチュエーションがいかにも匂う昨年の3着馬カンパニーを穴として抑えてみる。

◎ウオッカ
○ダイワスカーレット
▲ディープスカイ
△アサクサキングス
☆エアシェイディ、カンパニー


■参考レース (レース名をクリックすると別窓でレース回顧を開きます)
■馬券構築

 ウオッカ−ダイワスカーレット2頭軸の3連複流し。

[3連複] ウオッカ−ダイワスカーレット−ディープスカイ 30%
[3連複] ウオッカ−ダイワスカーレット−アサクサキングス 30%
[3連複] ウオッカ−ダイワスカーレット−エアシェイディ 20%
[3連複] ウオッカ−ダイワスカーレット−カンパニー 20%


■このレースの回顧へ ■ホームに戻る
Copyright (C) 2000-2010 競馬万事塞翁が馬 All Rights Reserved.