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第49回宝塚記念(GI)
2008年6月29日(Sun) 阪神芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 6 9 エイシンデピュティ 牡6 58.0kg 内田博幸 2.15.3 498kg(+2) 5
2 2 2 メイショウサムソン 牡5 58.0kg 武豊 2.15.3 アタマ 510kg(-4) 1
3   1 1 インティライミ 牡6 58.0kg 佐藤哲三 2.15.4 クビ 464kg(-10) 11
4   4 5 サクラメガワンダー 牡5 58.0kg 福永祐一 2.15.6 1 1/2 482kg(+2) 12
5 7 11 アサクサキングス 牡4 58.0kg 四位洋文 2.15.7 1/2 494kg(-6) 4
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:小雨、馬場:重)
ハロンタイム 12.5 - 11.1 - 11.9 - 12.7 - 12.4 - 12.6 - 12.5 - 12.3 - 12.2 - 12.2 - 12.9
上がり 4F 49.6 - 3F 37.3
1コーナー 9,8(1,11,12)7(5,4)2,6(3,14)10-13
2コーナー 9,8(1,12)(7,11)(5,4)2,6,14(3,10)-13
3コーナー (*9,8)(1,12)(7,11)(4,2)5,14(3,6,10)-13
4コーナー (*9,8,11)(1,12,4,2)(7,14,10)5(3,6)13

■レース回顧 雨中に煙る逃走劇・力強い脚捌きでGI奪取エイシンデピュティ!
■レース解説

 エイシンデピュティが好スタートからハナを奪う。アドマイヤフジ、インティライミ、ロックドゥカンブも前に行く。メイショウサムソンは後方から外に持ち出す。カンパニーが外を通って前へと上がっていく。アサクサキングスは好位集団の後ろにつける。メイショウサムソンは中団やや後方を進む。エイシンデピュティのリードは半馬身、ロックドゥカンブが直後まで押し上げて3コーナーを通過。アサクサキングス、メイショウサムソン、エアシェイディ、ドリームパスポートが外を回って進出。エイシンデピュティが最内を回って直線に向く。アサクサキングスがエイシンデピュティを捉えにかかるもエイシンデピュティが更に突き放して先頭をキープ。この間からインティライミ、外からメイショウサムソンが接近するも、エイシンデピュティがギリギリ凌いでゴール。


■レース回顧

 3連複3着抜けハズレ。今年の上半期GIはキセキとタキオンとフレンチ尽くしでした。(^-^;)

【'08年上半期GI連対種牡馬一覧(芝レースのみ)】
レース名 1着 2着
高松宮記念 フジキセキ
(ファイングレイン)
フジキセキ
(キンシャサノキセキ)
桜花賞 フレンチデピュティ
(レジネッタ)
フジキセキ
(エフティマイア)
皐月賞 アグネスタキオン
(キャプテントゥーレ)
ゴールドアリュール
(タケミカヅチ)
天皇賞・春 フレンチデピュティ
(アドマイヤジュピタ)
オペラハウス
(メイショウサムソン)
NHKマイルC アグネスタキオン
(ディープスカイ)
クロフネ
(ブラックシェル)
ヴィクトリアマイル フジキセキ
(エイジアンウインズ)
タニノギムレット
(ウオッカ)
優駿牝馬 ジャングルポケット
(トールポピー)
フジキセキ
(エフティマイア)
東京優駿 アグネスタキオン
(ディープスカイ)
タニノギムレット
(スマイルジャック)
安田記念 タニノギムレット
(ウオッカ)
Towkay
(アルマダ)
宝塚記念 フレンチデピュティ
(エイシンデピュティ)
オペラハウス
(メイショウサムソン)

 今年の上半期GI(フェブラリーSを除く)はフジキセキ、フレンチデピュティ、アグネスタキオンの「三強」が大活躍。このような特定種牡馬の固め打ちを把握した上で、今回はアドマイヤオーラ(父:アグネスタキオン)、エイシンデピュティ(父:フレンチデピュティ)、ドリームパスポート(父:フジキセキ)のいずれかが勝つ番…と考えたそこのアナタ、鋭い。この表をレース前に出してりゃカッコ良かったのに…。実際のところ、ファン投票順位表と上表のどちらを出すかで迷った。両方出しとけよ、俺のバカ。

 前日からの局地的な降雨の影響で、馬場は不良に近い重。エイシンデピュティが颯爽と先頭に立つと、アドマイヤフジ、インティライミといった辺りも前に出てきた。この馬場だと後ろから行くとキツい。福永騎手は先週上手く行ったイメージを踏襲しているようだった。メイショウサムソンは一旦後方に下げていった。内で包まれる前に外に出す作戦。ロス覚悟で事前にリスク回避。イイヨ。

 エイシンデピュティに絡みかける馬はおらず、ロックドゥカンブはあくまで2番手で待機。メイショウサムソンはもとより、アルナスラインとアサクサキングスも中団からの競馬となり、想定していたよりもエイシンデピュティの「監視役」が手薄になっていた。アドマイヤフジも中途半端な5番手。メイショウサムソンは9番手。後ろ過ぎではないけど、この後4コーナーで外を回すことを考えると微妙。

 勝負どころは早くやって来た。まず3コーナーでロックドゥカンブが馬なりでエイシンデピュティに接近。続いて外からアサクサキングスが仕掛けて前へと押し上げていく。そしてその外からメイショウサムソン。来た来た、オート捲り。………。ん?こんなもんか?ちょっと勢いが足りんような。手は全く動いていないけど、追い上げ方が緩い。エイシンデピュティが最内を通って直線に向く。さあ、どうなる?

 エイシンデピュティは前脚を大きく前に出して目一杯掻き込む走法でとにかく力強かった。渋った馬場でも勢いが落ちない。アサクサキングスがヨレ気味に迫ってきてもお構いなし。坂下でアサクサキングスを突き放したところで勝負あった。ラストでメイショウサムソンらに際どく詰め寄られたのは早め進出の影響もあっただろう。同レースにおける逃げ切り勝ちは'98年サイレンススズカ以来10年振り。

 メイショウサムソンは序盤のリスク回避(後方に下げて外に持ち出したこと)がアタマ差敗退の引き金になったかもしれない。それほど際どい2着だった。追い上げの最中にアサクサキングスに内からぶつけられたのも痛かった。ただエイシンデピュティにプレッシャーをかけられなかった以上、エイシンデピュティの後塵を拝しても仕方の無いところ。メイショウサムソンの長所は並んだ相手に抜かせないところだ。

 メイショウサムソンをはじめ、多くの馬が外を回して追い上げる中にあって、インティライミはエイシンデピュティの直後、すなわち最内でじっと息を殺していた。エイシンデピュティの外から交わしに行きかけたところへ、アサクサキングスに外から蓋をされて立ち往生。そのアサクサキングスが外にヨレたところを再度割って伸びてきた。あのロスがなければメイショウサムソンに先着していたかもしれない。

 アサクサキングスは先ほどから何度も話題に挙げているように、今回も追ってからヨレまくりだった。まずは直線に向いてからの左鞭で内側へ斜行してインティライミの進路をカット。手綱を引いた上で右鞭を入れると今度は外へヨレてメイショウサムソンに体当たり。この馬は菊花賞や天皇賞・春でもヨレていた。早仕掛けに耐えうる根性は持っているのだが、体がついていかない感じ。

 データ上では圧倒的優位だった4歳馬はアサクサキングスの5着が最先着。人気を集めた目黒記念組の2頭は揃って撃沈。アルナスラインは4コーナーで馬群の真っ只中で揉まれているうちに手応えが無くなった。位置取りが中途半端。ロックドゥカンブは直線に向いたところで後退。ゴール後、岩田騎手が即座に下馬。左後繋靭帯断裂。スズカマンボと同じ箇所。このまま引退か。

 ロックドゥカンブより3馬身半遅れてアサカディフィートが入線。アドマイヤオーラはそこから更に2馬身半遅れた最下位。故障を発症した馬と10歳馬より後ろって酷くないか?ここまで豪快に負けてくれるとかえって分かりやすい。生粋の重下手。パンパンの良馬場で、かつ前半ソロソロ直線ヨーイドンのレース限定で手を出したい。

 カンパニーは好位でレースを進めながら4コーナーで馬群に呑まれ、直線で馬群を割り切れず失速。マイラーズCから直行、距離延長ローテで踏ん張りが利かなかった様子。ドリームパスポートはメイショウサムソンより外を回しての進出で埋没。後方2番手からの早仕掛けで脚が上がった。次は中団より前の競馬を見てみたい。


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