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第9回エルムS(GIII) 2004年9月4日(Sat) 札幌ダート1,700M 3歳以上オープン 別定 (混)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | △ | 8 | 13 | パーソナルラッシュ | 牡3 | 53.0kg | 藤田伸二 | 1.43.2 | − | 484kg(+10) | 6 |
2 | ◎ | 4 | 5 | ウインデュエル | 牡5 | 56.0kg | 岡部幸雄 | 1.43.4 | 1 1/4 | 498kg(-2) | 1 |
3 | ○ | 7 | 11 | タイムパラドックス | 牡6 | 58.0kg | 安藤勝己 | 1.43.9 | 3 | 458kg(-2) | 2 |
4 | 5 | 7 | マルブツトップ | 牡4 | 56.0kg | 芹沢純一 | 1.43.9 | クビ | 474kg(+4) | 5 | |
5 | 7 | 10 | カイトヒルウインド | 牡5 | 56.0kg | 蛯名正義 | 1.44.0 | クビ | 512kg(+2) | 7 |
■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良) |
ハロンタイム 7.0 - 10.7 - 11.8 - 12.3 - 12.5 - 12.5 - 11.9 - 12.0 - 12.5 上がり 4F 48.9 - 3F 36.4 1コーナー (*4,12)(5,13)(3,10)6,2,7(1,11)9,8 2コーナー 4,12,13(5,10)3,6,2,7,11(1,9)8 3コーナー (*4,12,13,10)(5,3)(2,7,6)11(1,9)8 4コーナー (*13,10)4(5,3,7)-(2,12,11)-(1,9)6,8 |
■レース回顧 成長著しい3歳馬・パーソナルラッシュが4角先頭から押し切り快勝! |
■レース解説 リキアイタイカンが躓き出遅れ。出鞭をくれてブラックパワーがハナを主張する。外からはタイセイブレーヴ、パーソナルラッシュが楽な手応えで進出。ウインデュエル、カイトヒルウインドも前につける。その直後にトップオブワールドが追走。隊列は縦長。タイムパラドックスは後ろから4頭目を進む。3コーナーを迎え、タイセイブレーヴとパーソナルラッシュがブラックパワーに並びかける。ウインデュエル、トップオブワールドも押しながら前に接近。コーナリングでパーソナルラッシュが先頭に立ち、後続を引き離しにかかる。後方からはウインデュエルが迫るも差はなかなか縮まらない。パーソナルラッシュがリードを保ちつつゴール。 ■レース回顧 馬複△−◎的中もハズレ。こういう時の3歳馬って怖いなぁ…。(-_-) ウインデュエルとタイムパラドックスの馬連は最終的に1.7倍(支持率43.4%)まで買い込まれた。新馬・未勝利クラスでは取り立てて珍しいことではないが、オープン・重賞クラスとなると話は別。'91年秋の馬連発売開始以降、12頭立て以上の重賞において馬連配当が200円を割ったのはグラスワンダーとスペシャルウィークで決した'99年宝塚記念(180円)しかない。この時は3歳馬オースミブライトが3番人気に推されて6着に敗れたが、今回のエルムSでは6番人気の3歳馬パーソナルラッシュが番狂わせを演じた。 今年の阪神大賞典の回顧で「極端な偏向オッズを見て取り得る選択肢」について触れたが、今回もその(3)のパターンに当てはめて投げてしまったのは軽率だった。一応は穴候補としてブラックパワーとパーソナルラッシュを挙げたものの、現時点での完成度からウインデュエルとタイムパラドックスに先着できるとは思わなかった。夏も終わりに差し掛かり、古馬と3歳の差は急速に縮まりつつある。3歳馬が古馬2強を喰うというシチュエーションは昨年のクイーンSでも目にした光景だ。 パーソナルラッシュはすぐ内のタイセイブレーヴを見て勢いがついただけかと思ったが、そのまま外を回って3番手につけた。逃げたブラックパワーが向こう正面でペースを落としたことで先行策が負担になることはなく、4コーナーでブラックパワーがタレ始めてからは独壇場になった。年齢差を埋めるために与えられた軽量53kgも完勝劇に一役買った感がある。 ウインデュエルはペースが上がり始めたところで意外にも後ろに置かれかかった。岡部騎手が猛然と追い鞭を放って前を追ったが、先に抜け出したパーソナルラッシュには当然の如く届かない。勝負どころで一人相撲を取りながらラストであれだけ詰め寄れば及第点は与えられるが、ここ数戦の勢いが見られなかったのは残念。 タイムパラドックスは東海Sでも仕掛けが遅れて差し損ねた感があったが、今回はそれ以上に動くのが遅かった。前が落ち着いたにも関わらず、全体的に縦長になったのも誤算だった。安藤勝己騎手は先行馬に乗らせると巧いが、後方からペースを読むのは苦手にしているような気がする。昨年の毎日杯でマッキーマックスを後方で燻らせたまま何も出来なかったことを思い出した。 ブラックパワーは「アサティス産駒の逃げ馬&伊藤直人&伊藤圭三&グランド牧場」という背景があの馬を思い起こさせたのかもしれないが、前走とんでもない不利を受けたというだけで3番人気に推された感じがする。まともに逃げていればウインデュエルと僅差だったというのが大方の予測だったが、いざ逃がしてもらっても4コーナーで捕まってしまってはどうしようもない。とりあえず下積みが必要。 トップオブワールドはウインデュエルよりも後ろという位置取りが全て。4コーナーで一際強く手綱が動いていたにも関わらず後ろから来た馬に次々抜かれており、見どころは皆無に近かった。ここを叩いてからの成長に期待といったところか。 |