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第71回東京優駿(GI)
2004年5月30日(Sun) 東京芝2,400M 3歳オープン 定量 (牡・牝)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 マイネルマクロス 80 前走はスタートで後手。ただ行き脚ついても辛い。  
2 ヴンダー 76 末脚強力もここの権利獲りが限度でお釣りなし。  
2 3 マイネルブルック 81 当初からここが目標。決め手あり食い込み注意。
4 ダイワメジャー 91 先行して終いもしっかり。瞬発力勝負にも順応。
3 5 ハーツクライ 86 豪快に伸びた前走評価も皐月賞の凡退消えず。  
6 アドマイヤビッグ 77 前走は自ら動いて及ばず。上積み期待も苦しい。  
4 7 マイネルデュプレ 79 皐月賞は付いて回るだけ。一線級相手で脱落。  
8 メイショウムネノリ 77 芝ではまともに付いていけない。まず無理。  
5 9 コスモバルク 89 皐月賞は負けて尚強し。好位キープで巻き返す。
10 フォーカルポイント 79 末脚生かせるコース歓迎も近2走は力負けの感。  
6 11 グレイトジャーニー 78 オープン特別で取りこぼす様では話にならない。  
12 キングカメハメハ 92 前走楽勝も一気の距離延長ローテは割引材料。  
7 13 スズカマンボ 85 ある程度差し込めるがワンパンチ足りず苦戦。  
14 キョウワスプレンダ 84 地力足りない。前が止まらない限り出番なし。  
15 コスモサンビーム 84 年明け後はいかにも物足りず。ここも追走一杯。  
8 16 ホオキパウェーブ 84 距離・コース合うが前走完敗で価値を見出せず。  
17 ハイアーゲーム 88 末脚桁違い。府中は間違いなく合い好勝負必至。
18 ピサノクウカイ 76 前走勝利も与し易い相手。レース格で見劣る。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 リベンジの場はここを置いて他は無い・大舞台で昇華ハイアーゲーム
■予想構築

 過去10年における東京優駿の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 連対馬20頭中19頭に重賞勝ちあり。
    ―→例外は'96年1着フサイチコンコルドのみで、同馬はキャリア3戦目で同レースを制した極めて稀なケース。キャリア3戦以上で重賞経験が無い馬も重賞未勝利と見做したい。重賞未勝利のマイネルマクロスヴンダーメイショウムネノリ(但し地方G2勝ちあり)、スズカマンボキョウワスプレンダホオキパウェーブピサノクウカイは格不足。
  • 前走がGI以外ならそこで勝っていることが絶対条件となる。
    ―→GI以外敗退経由馬は【0・0・4・53】(0.0%)となり、3着までが限度。前走GI以外で敗退しているヴンダーアドマイヤビッググレイトジャーニースズカマンボホオキパウェーブは苦しい。
  • 連対馬20頭中18頭は直近2走いずれかで連対している。
    ―→例外の2頭は直近2走のいずれかに3着があり、直近2走いずれも4着以下の馬は3着すら無い。直近2走いずれも4着以下に敗れているフォーカルポイントの巻き返しは困難とみておくのが無難。ちなみに皐月賞敗退→京都新聞杯勝ちというパターンは'94年イイデライナーが12着、'95年イブキインターハイが12着、'02年ファストタテヤマが15着と散々。ハーツクライは苦しい。
  • 連対馬20頭中18頭に芝2,000M以上における連対実績あり。
    ―→例外の2頭にも当該距離重賞3着実績があった。例外要件を満たさなかった実績馬としてはNHKマイルC勝ち馬の'02年テレグノシス(11着)を挙げることができる。芝2,000M以上未連対で例外要件にも当てはまらないアドマイヤビッグマイネルデュプレメイショウムネノリグレイトジャーニーキョウワスプレンダコスモサンビームは距離延長に不安を残す。
  • 連対馬20頭中17頭が3勝以上、3着以内馬30頭全てが2勝以上を挙げていた。
    ―→2勝で連対した3頭のうち、2戦2勝の'96年1着フサイチコンコルド、新馬戦1位降着の'99年1着アドマイヤベガを除くと、純粋な例外は'98年2着ボールドエンペラーのみとなる。2勝馬マイネルマクロスヴンダーダイワメジャーアドマイヤビッグフォーカルポイントグレイトジャーニースズカマンボキョウワスプレンダホオキパウェーブピサノクウカイは割引が必要。
 狙いに挙がるのはマイネルブルックコスモバルクキングカメハメハハイアーゲームの4頭。


【皐月賞上位馬のダービー成績】
年度 1着馬 2着馬 3着馬
'94年 ナリタブライアン(1着) サクラスーパーオー(未出) フジノマッケンオー(4着)
'95年 ジェニュイン(2着) タヤスツヨシ(1着) オートマチック(3着)
'96年 イシノサンデー(6着) ロイヤルタッチ(4着) メイショウジェニエ(3着)
'97年 サニーブライアン(1着) シルクライトニング(除外) フジヤマビザン(16着)
'98年 セイウンスカイ(4着) キングヘイロー(14着) スペシャルウィーク(1着)
'99年 テイエムオペラオー(3着) オースミブライト(4着) ナリタトップロード(2着)
'00年 エアシャカール(2着) ダイタクリーヴァ(12着) チタニックオー(未出)
'01年 アグネスタキオン(引退) ダンツフレーム(2着) ジャングルポケット(1着)
'02年 ノーリーズン(8着) タイガーカフェ(10着) タニノギムレット(1着)
'03年 ネオユニヴァース(1着) サクラプレジデント(7着) エイシンチャンプ(10着)

 過去10年において、皐月賞からダービーへ直行した馬は'96年、'02年を除く8年で連対している。'02年1着タニノギムレットは皐月賞を使った後にNHKマイルCを使っており、皐月賞絡みの馬は9年で連対していることになる。'98年2着ボールドエンペラーや'99年1着アドマイヤベガのように掲示板外(いずれも6着)から巻き返した例もあり、出走馬のレベルやレース間隔を考えても狙いの中心はこの組から見出すべきである。


【皐月賞を使ったきさらぎ賞勝ち馬のダービー成績】
年度 馬名 きさらぎ賞後のローテーション ダービー成績
'94年 サムソンビッグ スプリングS9着→皐月賞17着→京都4特14着 18着(18人気)
'96年 ロイヤルタッチ 若葉S2着→皐月賞2着 4着(2人気)
'98年 スペシャルウィーク 弥生賞1着→皐月賞3着 1着(1人気)
'99年 ナリタトップロード 弥生賞1着→皐月賞3着 2着(1人気)
'03年 ネオユニヴァース スプリングS1着→皐月賞1着 1着(1人気)

 データ選別では上位人気の3頭はともかく、前売り12番人気のマイネルブルックも残った。皐月賞で3着以下に終わった馬は用無しと考えていただけにこれは意外。突き詰めて調べてみたところ、きさらぎ賞勝ち馬はダービーで出走機会3連続連対中であることが判明。'98年2着ボールドエンペラーもきさらぎ賞2着、皐月賞6着の経緯を辿っており、きさらぎ賞は隠れたステップレースなのかもしれない。


【青葉賞勝ち馬のダービー成績】
年度 馬名 青葉賞時計 上がり3F 着差 ダービー成績
'95年 サマーサスピション 2.25.8 35.3 1 1/4(0秒2) (不出走)
'96年 マウンテンストーン 2.27.3 36.2 1/2(0秒1) 11着(6人気)
'97年 トキオエクセレント 2.29.2 34.5 1 1/2(0秒3) 8着(5人気)
'98年 タヤスアゲイン 2.27.6 34.2 クビ(0秒0) 8着(7人気)
'99年 ペインテドブラック 2.27.4 34.6 ハナ(0秒0) 7着(5人気)
'00年 カーネギーダイアン 2.28.2 35.2 1 1/2(0秒3) 7着(4人気)
'01年 ルゼル 2.26.9 34.8 1/2(0秒1) 14着(4人気)
'02年 シンボリクリスエス 2.26.4 34.1 2 1/2(0秒4) 2着(3人気)
'03年 ゼンノロブロイ 2.26.3 34.1 1 1/4(0秒2) 2着(3人気)
'04年 ハイアーゲーム 2.24.1 33.7 2 1/2(0秒4)

 今のところ青葉賞とダービーを連勝した馬はいない。ただここ2年は連続で2着しており、以前に比べて狙えるようにはなってきている。ハイアーゲームは勝ち時計2分24秒1もさることながら、上がり33秒7、着差0秒4と余裕のある勝ち方。


【松田国英調教師管理馬のNHKマイルC・ダービー追い切り内容一覧】
馬名 NHKマイルC直前 ダービー直前
クロフネ 52.2-38.9-13.0(一杯) 52.8-39.4-13.8(一杯)
タニノギムレット 54.3-39.8-13.0(強め) 52.8-38.0-12.5(一杯)
キングカメハメハ 51.4-37.5-12.7(一杯) 54.2-39.5-12.5(一杯)
※いずれも栗東坂路、800M - 600M - 200Mの通過ラップ。

 取捨に悩むのはキングカメハメハ。キングカメハメハの追い切りはNHKマイルC時よりも4ハロン通過で2秒8も遅く、直前で1秒5も詰めたタニノギムレットと比べて物足りなさが残る。NHKマイルC時は1週前にも51.9-38.6-13.5の好時計をマークしていたことからすると、前走がピークだったのではないかという疑いがかけられる。変則二冠に挑む松田国英師に敬意を表しつつも当展望では無印とする。


 軸はハイアーゲーム。東京コース4戦全連対はもとより、上がり33秒台をコンスタントに繰り出せる末脚はまさにダービー向き。コスモバルクに敗れた3戦は百日草特別がデビュー2戦目、ラジオたんぱ杯2歳Sと弥生賞は右回り。しかもこれら全てにおいて出遅れていた。

 相手筆頭はコスモバルク。皐月賞で差して届かずのパターンは'02年タニノギムレット、'01年ジャングルポケット、'98年スペシャルウィークなど巻き返し例が多いのは好材料。一番勝ってもらいたい馬であるが、眼中に入っていないと思われるハイアーゲームに手痛いしっぺ返しを喰らいそうな気がしてならない。

 単穴はダイワメジャー。皐月賞の回顧で「フロックではない」「ダービーでも対抗以上の評価が必要になる」と触れたにも関わらずこの評価に留まったのはハイアーゲームの台頭に他ならない。本来ならコスモバルク、ダイワメジャーの並び。それほど今年の皐月賞は1着・2着馬のレベルが抜けていると考える。

 連下はマイネルブルック。きさらぎ賞ではブラックタイドを徹底マークして競り落としており、ここ一番の勝負強さは折り紙つき。皐月賞で見せ場が無かったのは不満だが、過去にフサイチコンコルドでダンスインザダークを競り落としたことがある藤田騎手の強気な乗り方に期待したい。

◎ハイアーゲーム
○コスモバルク
▲ダイワメジャー
△マイネルブルック


■馬券構築

 ハイアーゲームから馬複流し。対コスモバルク3戦3敗という相性の悪さを逆手に取ると美味しい馬単を抑える。

[馬複] ハイアーゲーム−コスモバルク 50%
[馬複] ハイアーゲーム−ダイワメジャー 20%
[馬複] ハイアーゲーム−マイネルブルック 10%
[馬単] ハイアーゲーム→コスモバルク 20%


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