HOME > 重賞展望 > 第44回宝塚記念

第44回宝塚記念(GI)
2003年6月29日(Sun) 阪神芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 サイレントディール 87 後方待機にシフトした今現在は望み薄。  
2 アグネスデジタル 93 実績断然も前走レコード駆けの反動懸念。  
2 3 アサカディフィート 90 粘り腰あるがここは幾ら何でも相手強い。  
4 マイソールサウンド 93 非根幹距離の鬼。初ブリンカーは不気味。  
3 5 シンボリクリスエス 99 ぶっつけ気になるが好位からの決め手強力。
6 ネオユニヴァース 91 差すには厳しい相手。鞍上の機転試される。
4 7 サンライズジェガー 96 前走は前が詰まり通し。巻き返しの余地ある。
8 イーグルカフェ 96 前走好走も後方待機策。ここは通用しない。  
5 9 ツルマルボーイ 94 末脚No.1だが相手が揃ったここは手厳しい。  
10 ヒシミラクル 96 筋金入りのステイヤー。コース替わりも懸念。  
6 11 ファストタテヤマ 92 展開は他任せ。ムラ駆け傾向も手が出ない。  
12 バランスオブゲーム 92 GIでは力不足。展開向いても善戦止まり。  
7 13 ダンツフレーム 93 前年の覇者。好位につけられるかがカギ。  
14 メジロランバート 91 手薄な相手なら走るがここは荷が重いか。  
8 15 ストップザワールド 89 実績不足。現状では付いていくだけで一杯。  
16 タップダンスシチー 98 昨秋から地力アップ著しい。先行押し切りも。
17 ダイタクバートラム 95 前走不利有も距離短縮では決め手封殺か。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 有馬記念の再現期待・年度代表馬シンボリクリスエスを信頼
■予想構築

 過去10年における宝塚記念の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 前走敗戦差0秒5以内はほぼ必須。直近2走いずれかで連対は必須。
    ―→直近2走に連対が無かった馬の連対例は無い。また前走4着以下馬の連対は天皇賞春5着経由の'96年1着マヤノトップガン(牡4・58kg)のみ。直近2走未連対のサイレントディールアサカディフィートマイソールサウンドファストタテヤマメジロランバートは要らない。これらに加え前走4着以下のサンライズジェガーイーグルカフェバランスオブゲームダンツフレームストップザワールドも厳しい。
  • 連対馬20頭全てに重賞連対有り。重賞未勝利も2頭に留まる。
    ―→総合的に見て「重賞勝ち」か「重賞連対かつGI3着以内」のいずれかを満たしていなければ脈なし。重賞未勝利のアサカディフィートストップザワールドとGI3着以内がない重賞未勝利馬のメジロランバートは格負け。
  • 阪神施行時の連対馬18頭中17頭に阪神芝への出走経験有り。
    ―→初出走で連対したのは'99年1着グラスワンダー(牡4・58kg)のみ。いずれの年も阪神芝連対率66.6%(3分の2)以上のコース巧者が絡んでいる。初出走となるアグネスデジタル、ネオユニヴァース、バランスオブゲーム、メジロランバートの組み合わせで決するとは考えにくい。
 狙いに挙がるのはアグネスデジタルシンボリクリスエスネオユニヴァースツルマルボーイヒシミラクルタップダンスシチーダイタクバートラムの7頭。

 前売り終了段階で1番人気に推されているシンボリクリスエスは過去10年で1例('95年5着アイルトンシンボリ)しかない有馬記念からぶっつけという異質ローテでの参戦。またネオユニヴァースは過去に同一年度のダービー馬の出走が無いため取捨が難しい。

 アグネスデジタルは何時でも何処でも走るオールラウンダーで軽視するのは忍びないが、マイルCSをレコード駆けした後の京都金杯で格下のエリモセントラルに先着されたことがあるように、前走のレコード駆けで「ご馳走様」のような気がしないでもない。

 過去10年で8連対(6勝)を誇る天皇賞春から直行のパターンは1番人気【5・2・0・0】(100.0%)、それ以外【1・0・1・15】(5.9%)と人気次第で信頼度が変わる。また連対した8頭全てに芝2,000〜2,500MのGI連対があり、実績が長距離に傾倒するタイプは苦戦している。以上を勘案するとヒシミラクル、ダイタクダートラムは狙いから外れる。

 タップダンスシチーは「東京開幕週OP特別勝ち→金鯱賞勝ち」の流れが'00年2着メイショウドトウ、'02年2着ツルマルボーイと同じ。当初よりここを目標としたローテは評価しておきたい。ツルマルボーイは取り立てて強調する材料が無いが、産経大阪杯の僅差3着があるように前残りの展開を強引に詰められる末脚があるため注意したい。

 軸はシンボリクリスエス。昨秋の古馬王道路線における快進撃を素直に評価したい。前過ぎず後ろ過ぎずの位置取りはまさに展開知らずで、勝負どころの反応もすこぶる良い。中間から速い時計を織り交ぜながら丹念に乗り込まれており、ぶっつけでも問題ないとみる。

 対抗はタップダンスシチー。自らレースを作れる自在性は魅力。シンボリクリスエスに対しては有馬記念で2kg余分に背負って0秒1差負け。同斤量の今回は斤量面のアドバンテージを享受できるため逆転の目は十分。重賞を含む連勝パターンは前出のメイショウドトウやツルマルボーイに限らず、'94年2着アイルトンシンボリ、'95年1着ダンツシアトル、'98年1着サイレンススズカなどの連対例がある。

 単穴はネオユニヴァース。傾向データからの視点では白紙だが、狙いの根拠としてはハンデ戦時の検討指標として活用している「初めての軽ハンデ」理論の転用を試みる(「初めての軽ハンデ」については愛知杯の回顧を参照)。すなわち「他馬より5kg軽い」のではなく、「前走より4kg軽く、それが初めて背負う軽量で、かつこれまでで一番軽い斤量」である点に注目したい。なお皐月賞、ダービーの連勝はここに入ればただ自己条件を連勝したに過ぎないと捉えられるため、それ自体は評価の対象にならない。

 連下はサンライズジェガー。宝塚記念における人気薄連対パターン「重賞を含む連勝」「直近2走内にGI連対」のうち後者を満たす。目黒記念の敗戦はハナから狭い内を突く事に専念した結果で度外視可。斤量差こそあれ、アルゼンチン共和国杯でタップダンスシチーの粘り込みを封じて勝ったことがあるのは評価しておきたい。

◎シンボリクリスエス
○タップダンスシチー
▲ネオユニヴァース
△サンライズジェガー


■馬券構築

 シンボリクリスエスから馬複流し。タテ目を抑える。

[馬複] シンボリクリスエス−タップダンスシチー 30%
[馬複] シンボリクリスエス−ネオユニヴァース 40%
[馬複] シンボリクリスエス−サンライズジェガー 10%
[馬複] タップダンスシチー−ネオユニヴァース 20%


■このレースの回顧へ ■ホームに戻る
Copyright (C) 2000-2010 競馬万事塞翁が馬 All Rights Reserved.