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第44回宝塚記念(GI)
2003年6月29日(Sun) 阪神芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   5 10 ヒシミラクル 牡4 58.0kg 角田晃一 2.12.0 454kg(0) 6
2   5 9 ツルマルボーイ 牡5 58.0kg 横山典弘 2.12.0 クビ 458kg(0) 8
3 8 16 タップダンスシチー 牡6 58.0kg 佐藤哲三 2.12.2 1 1/2 500kg(-2) 4
4 3 6 ネオユニヴァース 牡3 53.0kg M.デムーロ 2.12.3 クビ 490kg(+4) 2
5 3 5 シンボリクリスエス 牡4 58.0kg K.デザーモ 2.12.3 クビ 524kg(-4) 1
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.6 - 10.8 - 11.6 - 12.1 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 11.9 - 11.8 - 12.2 - 12.9
上がり 4F 48.8 - 3F 36.9
1コーナー 4-12,3(1,15)(2,16)-(5,13)14(7,10)-(8,17)6-9-11
2コーナー 4-(12,3)(1,15)(2,16)(5,13)(14,10)7-(8,17)6-9-11
3コーナー 4(12,3)(15,5,16)(1,2)(13,10)(7,14)(8,17)(9,6)-11
4コーナー 4(5,12,16)(3,1)13,10(7,2,6)(14,17)(8,9)(15,11)

■レース回顧 一介のステイヤーに非ず・力で王道歩むヒシミラクル!
■レース解説

 外からタップダンスシチー、ストップザワールド、バランスオブゲーム辺りが先手を窺うも、内からマイソールサウンドがハナに立つ。サイレントディール、アサカディフィートも押し上げて前々につける。タップダンスシチーはこれら先行集団を前に見る形で追走。シンボリクリスエスは中団内、ヒシミラクルはその後方外、ネオユニヴァースは後ろから3頭目の位置取り。3コーナー手前でタップダンスシチー、シンボリクリスエスが早くも進出開始。これを見て後方各馬も一斉に追撃体勢に入る。直線に入り、内を割ってシンボリクリスエスが進出。外からタップダンスシチーが迫る。坂を駆け上がり、脚が上がったシンボリクリスエスとタップダンスシチーに外からヒシミラクルが強襲。さらに大外から突っ込んできたツルマルボーイを退けゴール。


■レース回顧

 ハズレ。レースもさることながらヒシミラクルの単に突っ込んだおっさんにサプライズ。(゚д゚)スゲー

 年度代表馬や二冠馬などガラにも無く(!)豪華メンバーとなった今回の宝塚記念。いつも通りの印4つでは絞りをかけるのが難しい。とりあえず参考のためオッズを取得。土曜午前10時現在、1番人気はシンボリクリスエス。だがその1時間後、思いもよらぬ変化が生じた。

 ヒシミラクル 単勝1.7倍

 前売りオッズはまとまった投票が入れば大きく変わることがあるが、この跳ね上がり方は異常。かなりの額が入ったらしく、午後に入っても暫く1番人気を継続。3時過ぎになってシンボリクリスエスに1番人気を「奪還」されたものの、前売り終了段階でネオユニヴァースを抑えて堂々の2番人気(4.3倍)。

 翌日、各メディアがこの真相を伝えた。それによると、とある中年男性が安田記念の払戻金をそっくりそのまま転がしたというのだ。その額なんと1222万。これだけの大金を躊躇無く単一点にブチ込んだというのだからただ驚くばかり。しかしなんでまたヒシミラクルなんだろう。安田記念でお世話になったはずのアグネスデジタルは要らんということなのか。当日売りが始まるとヒシミラクルの単勝オッズはみるみる上昇。正午過ぎには10倍台に突入した。

 PATでシンボリクリスエス流しを購入した後、現地へ赴く。かなりの人だかりでパドックが埋まっていた。それにしても毎度のことながら写真野郎が多い。馬が満足に見えんではないか。写真撮る前に馬券獲れよ!と言いたかったが私も馬券が獲れないので大きなことは言えない。

 パドックで良く見えたのはタップダンスシチー。踏み込み、気合乗りとも抜群。逆にこりゃダメだ、と思えたのはおっさんが見捨てたアグネスデジタル。いかにもトボトボといった感じで素人目にも覇気の無さが映る。ネオユニヴァースもちょっと元気が無かった。シンボリクリスエスは踏み込み、毛ヅヤ等は良かったが多少物見していたのが気になった。注目(?)のヒシミラクルはあまり記憶にない。

 レースは4コーナー付近の芝生のあたりで観戦。スタンドでは手拍子に合わせて大盛り上がりだが、こちらは至って閑散。スタートが切られ、各馬が目の前を通過する。向こう正面を経て4コーナーからもう一度目の前を通過。芦毛の馬体が一瞬目に入ったが、その後の攻防はサッパリ。一体何が勝ったんだ?

 1着 ヒシミラクル

 12,220,000×16.3=199,186,000。約2億。2円置くんじゃないですよ。

 幸運の欠片(ヒシミラクルの単勝) 写真はイメージです(とりあえず買ってみた単勝馬券)。

 レースは前半1,000M59秒4、後半1,000M60秒6の前傾ペース。3コーナー過ぎから各馬が仕掛けに入る厳しい流れに。上がりだけの競馬に持ち込まれると苦しくなるヒシミラクルにとってこれは願ってもない展開。追えば追うほど外へ膨らんでいったが、内を突くには減速しなければならない。それでパタリも考えられるヒシミラクルの性格を見越した角田騎手はそのまま大外へ回した。しかし勝負どころであれだけ激しく追って直線伸びる馬は珍しい。ステイヤーというよりは良い意味での体力バカ。

 シンボリクリスエスは前が動くのを見越して3コーナーで勝負に出た。これは想像していたよりも動くのが早い。つられて動いた、というのが本音か。一旦は単独先頭に踊り出たものの、坂を駆け上がったところで力尽きた。上がりはレース自体(36秒9)より遅い37秒0。ぶっつけの影響よりもあの展開で自分から動いて0秒3負けなら悲観することもない。

 ネオユニヴァースはスタートでよろけて後方からの競馬を余儀なくされたが、結果としてはそれがプラスに働いたように思う。前でヒシミラクルが猛然と仕掛けている直後で進出の機会を窺うネオユニヴァース。GOサインは直線に入った直後。じわじわと加速がつくが、矢の如く突っ込んできたツルマルボーイにあっさり交わされた。初出走の急坂コースが堪えたか。

 タップダンスシチーは道中控えて直線で外に出し追いかける競馬での3着で地力アップは歴然。ただ上がりは勝負に出たシンボリクリスエスと同じ37秒0。決め手が無いのは相変わらずで、この点については課題を残す。どのような展開になっても狙い時は難しい。アグネスデジタルは安田記念の反動というよりはパドックを見て楽勝で消せた一頭。四位騎手が「きょうはスタートから馬が行きたがらなかった。向正面では押っつけるくらいで、いつもとは違っていた。」と述懐しているのも頷ける。


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