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第34回エリザベス女王杯(GI)
2009年11月15日(Sun) 京都芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (牝)(国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   4 7 クィーンスプマンテ 牝5 56.0kg 田中博康 2.13.6 454kg(0) 11
2   6 11 テイエムプリキュア 牝6 56.0kg 熊沢重文 2.13.8 1 1/2 506kg(+2) 12
3 8 16 ブエナビスタ 牝3 54.0kg 安藤勝己 2.13.9 クビ 454kg(+4) 1
4   5 10 シャラナヤ 牝3 54.0kg C.ルメール 2.14.5 3 1/2 416kg(計不) 3
5 1 2 メイショウベルーガ 牝4 56.0kg 池添謙一 2.14.6 1/2 498kg(+2) 6
※ レース結果は必ず主催者発表のもので確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.5 - 11.3 - 12.2 - 12.3 - 12.2 - 12.2 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 12.2 - 12.9
上がり 4F 48.6 - 3F 36.8
1コーナー 7,11-5,3,9,4,10(6,14)(2,12,13,18)-8(1,16)(15,17)
2コーナー 7,11=5,3,9,4,10(2,6,14,18)(12,13)-8(1,16)17,15
3コーナー 7,11=(5,9,8)(3,4,18)(10,16)(2,14)(6,13)(15,12,17)1
4コーナー (*7,11)=(5,9,8,18,16)(3,4,10)14(2,13)(15,6,12)(1,17)

■レース回顧 お気楽逃げ馬コンビで大波乱・驚きの女王戴冠クィーンスプマンテ!
■レース解説

 ミクロコスモスが出遅れ。クィーンスプマンテが押してハナを奪う。テイエムプリキュアも押し上げて2番手につける。リトルアマポーラはこれらから離れた3番手、以下チェレブリタ、ブラボーデイジー、ジェルミナル、シャラナヤと続く。メイショウベルーガは中団の内、ブロードストリートはその後方を進む。カワカミプリンセス、ブエナビスタは更にその後ろ。ムードインディゴとミクロコスモスが並んで最後方。前2頭が後続に対して20馬身以上の大量リード。ブエナビスタが外を捲って3番手集団を捉えて直線に向くも、前2頭とは絶望的な差。直線は前2頭の独壇場。ブエナビスタが懸命に追い上げるも間に合わない。クイーンスプマンテがテイエムプリキュアを抑えてゴール。


■レース回顧

 ハズレ。お前は阿呆か。一週間経ったら忘れるのか。だったら反省しても意味ねーな。(´・ω・`)

 『有力どころが総じて後ろから行く馬ばかり。こういう時はどうするんだっけ?前に行く馬を買え』。この文章書いた人、鋭いねぇ。って、私が書きました。またまたぁ〜。じゃあ何で後ろから行く馬ばかり買ってるの?ねぇ、何で?………。お前さぁ、アルゼンチン共和国杯で失敗したばかりとちゃうの?………。黙ってないで何とか言えよ。…つーか、無理でしょこれは。幾らなんでも。

 無理じゃない。だってこんな波乱決着でも馬券を獲ってる人がいるんだから。今回は個別にあれこれ振り返っても全く意味が無いので回顧はしない。回顧をしない代わりに、『有力どころが総じて後ろから行く馬ばかり』の時にどのような予想をすればいいか、というよりはどういう馬券を買えば良いのかを詰めていきたい。個別の強さを比較するだけが予想ではないということをこの場で再認識しておきたい。

 上がり3ハロンが云々と言われるように、大衆はレースの終盤だけに注目したがる。これを突き詰めて言えば、逃げ馬よりも追い込み馬を評価したがる。どの馬も同じ距離を走るのだから、基本的には逃げても追い込んでも同じ。しかしそのどちらか一方に偏りが生じると途端にきな臭くなる。その結果が今回の大波乱。前も後ろも楽をしているなら、前にいたほうが良いに決まっている。

 今回のような事例は今後も必ず起こり得る。自分自身少しずつだが波乱の予兆を感じられるようにはなってきた。後は下馬評やオッズに惑わされることなく買えるかどうかだけ。今回のような事例であれば逃げ馬であることは最大の買い材料なのだから、自信を持って買えばいい。参考のため、今回と同じように人気薄が逃げ切った'04年天皇賞・春の回顧で触れたポイントをもう一度書き留めておく。
  1. 有力馬が牽制しあう
    ―→有力馬に差し・追い込みが多い場合や、距離に不安がある場合、有力馬は自滅しあう。または飛びぬけた馬がいると有力馬は動くに動けない。[例]'00年日経賞グラスワンダー(6着)

  2. 逃げ馬が無視される
    ―→馬だけではなく、騎手も無視される存在がベスト。逃げ馬が楽をしている場合、他の騎手はそのことを十二分に承知しているが、恐さを感じなければ無視をする

  3. 馬場が良いか、悪い
    ―→高速馬場のように前が止まらない場合や馬場が悪くて追い込みが効かない時は逃げが決まりやすい。高速馬場よりも悪い馬場の方が逃げ馬はより楽。

  4. 距離が長い
    ―→距離が長いほど少ない労力で他の馬との差を広げることができる。先行有利はどの距離でも言えるが、短距離と長距離ではハナに立つまでの労力は桁違いである。

  5. 多頭数
    ―→頭数が増えれば増えるほど、逃げ馬以外には不利が生まれるし、逃げ馬への注意も怠るようになる
 今回の事例では、(1)上位人気に推された馬は軒並み後ろから行く馬ばかり、(2)クィーンスプマンテとテイエムプリキュアは共に二桁人気、(3)特に無し、(4)外回りコース1周=長い、(5)フルゲート18頭=最大。大事なのは(1)と(2)。「人気どころが軒並み後ろ」+「前無視」=「前(M)を買う(Buy)」。今後これをバイエム(BuyM)方程式と呼ぶ。バイエム方程式が成り立つ時は誰が何と言おうと無条件で買う。100円でも単複でもいいから必ず買う。これは自分の中で義務とする。これが出来なかったら氏ぬ。

≪おまけ≫「前の2頭」にやられた敗者の皆さんのコメント集(ラジオNIKKEI競馬実況HP)

 「2コーナーを回った時には前の2頭が見えなくて、ペースも遅いと思ったくらいなんです。カワカミプリンセスが早めに動いたのでこっちも動いたんですが、直線で前が空いた時に前を見たらずっと前に2頭いてもうダメだと…。4コーナーでもう少し差が詰まっていれば良かったんですけどね。でも馬は前より良くなっていました。」(3着ブエナビスタ・安藤勝己騎手)

 「前の2頭が飛ばしていたのでちょっと心配ではあったんです。シャラナヤは自分のレースをしましたし、結果には満足しています。ただ正直、最後の直線で前の2頭が見えた時にはもうダメだと思ってしまいました」(4着シャラナヤ・C.ルメール騎手)

 「自分の競馬はあれしかないし、展開に左右されるのは仕方ないです。いつもより前で競馬をしましたが、よく追い込んでくれましたし、これからが楽しみです。直線向いて前の2頭が離れすぎていたので今日は仕方ありません」(5着メイショウベルーガ・池添騎手)

 「今日はゲートも出てくれたし、いい感じだったんですよ。ただ、直線向いたらずっと前に2頭いて…。ペースが2コーナーに入ったところでガクッと落ちたからね。まさかこんなレースになるとは思いませんでした」(6着ブロードストリート・藤田騎手)


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