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第70回菊花賞(JpnI)
2009年10月25日(Sun) 京都芝3,000M 3歳オープン 馬齢 (牡・牝)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 1 1 スリーロールス 牡3 57.0kg 浜中俊 3.03.5 498kg(+4) 8
2   2 3 フォゲッタブル 牡3 57.0kg 吉田隼人 3.03.5 ハナ 490kg(+8) 7
3   6 12 セイウンワンダー 牡3 57.0kg 福永祐一 3.03.7 1 1/4 514kg(-2) 6
4 7 14 イコピコ 牡3 57.0kg 四位洋文 3.03.9 1 464kg(+2) 2
5 5 9 リーチザクラウン 牡3 57.0kg 武豊 3.03.9 クビ 506kg(+8) 1
※ レース結果は必ず主催者発表のもので確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.9 - 11.5 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 12.1 - 12.6 - 12.6 - 12.5 - 13.4 - 12.9 - 11.7 - 11.4 - 12.2 - 12.2
上がり 4F 47.5 - 3F 35.8
1コーナー 9=8-(1,7)(2,5)(12,15)3(11,16)(13,17)(18,10)-14,4-6
2コーナー 9=8(1,7)2,5(3,12)15(11,16)(13,17)(18,10)14-4,6
3コーナー 9-7(8,2)(1,17)(5,10)(3,12,15)16(11,13,18)14(4,6)
4コーナー 9(7,2)(1,5)17(3,12)8(11,10,16)15(13,18)14(4,6)

■レース回顧 伝説の新馬戦からまた一頭・大舞台で花開いた素質スリーロールス!
■レース解説

 リーチザクラウンがハナに立つ。アントニオバローズが離れた2番手、ヤマニンウイスカー、スリーロールス、アンライバルドがこれに続く。シェーンヴァルト、セイウンワンダーは直後の内を追走。フォゲッタブルも内を進む。ナカヤマフェスタ、セイクリッドバレーは並んで後方待機、アドマイヤメジャーも差が無く続く。ブレイクランアウト、イコピコは馬群後方を追走。リーチザクラウンが大逃げを打つも、3コーナーを過ぎて後続との差は縮小。ヤマニンウイスカー、シェーンヴァルトが進出開始。リーチザクラウンが2馬身程のリードで直線に向く。リーチザクラウン先頭も、直後からスリーロールスとヤマニンウイスカーが追い上げる。後方内からフォゲッタブル、外からセイウンワンダーも脚を伸ばしてくる。スリーロールスが外に膨らみつつも脚を伸ばし、内から併せてきたフォゲッタブルと並んでゴール。


■レース回顧

 ハズレ。イコピコは次は勝つ番だな。それはさておき伝説だよなぁ、伝説。レジェンド。(`・ω・´)

 スリーロールスとアンライバルドが好スタート、ヤマニンウイスカーとアントニオバローズも押して前に出てきたが、いずれもハナを奪う気は毛頭無し。リーチザクラウンが外からスーッと交わして先頭。坂の下りで勢いが付いて、そのままぐんぐん差を広げていった。アンライバルドはやはり行きたがっていた。後ろのほうでトライアンフマーチの鞍上が立ち上がっているのが気になった。何やってんのコーシロー。

 イコピコはスタート直後に前が壁になって後ろに追い遣られていた。前との差がかなりあるし、届くかどうか。リーチザクラウンは先頭に立った後息を抜いて走っていた。それでも2番手アントニオバローズとは早くも7〜8馬身位。1,000M通過59秒9。ちょっとオーバーペースのような。アンライバルドはともかく、ヤマニンウイスカーとスリーロールスの位置取りが良い。アドマイヤメジャーはダメ。これじゃ届かん。

 向こう正面に入り、リーチザクラウンのリードは更に拡大。最大で15馬身位。しかし馬群の収縮は意外と早く、3コーナー手前で3馬身位の差になった。ただこれはリーチザクラウンがタレてきたのではなく、ペースを落として後続を引き付けたというのが正しい。事実、この時リーチザクラウンの手綱は動いていなかった。後続にどれだけ脚を使わせるか。リーチザクラウンの命運はここに懸かっていた。

 このリーチザクラウンの「撒き餌」に何頭かが喰い付いた。シェーンヴァルトは道中頭を上げて行きたい素振りをみせていただけに当然の進出。ヤマニンウイスカーも昨年のナムラクレセントのように和田騎手が仕掛けていった。ナカヤマフェスタは大外を通って手綱が激しく動いていた。アンライバルド、アドマイヤメジャー辺りも脚を使わされていた。

 リーチザクラウンは直線に向いたと同時に二の脚を発動。これに真っ先に喰らい付いていったのはヤマニンウイスカーと最内を通ったスリーロールス。シェーンヴァルトに替わって内からフォゲッタブル、外からセイウンワンダー。イコピコは馬群を捌くのに手間取って未だ中団。あーあ。先頭は依然としてリーチザクラウンだが、抜かれるのはもはや時間の問題。

 と、ここでスリーロールスが不意に外へワープ。というのも、右鞭連打でヤマニンウイスカーを交わした際、大きく外へヨレてしまった。スピードが落ちたところで内からフォゲッタブルが急追。ヤバい!浜中騎手は何とか態勢を立て直し、フォゲッタブルと併せになったところで最加速。そして並んだ状態のままゴール。浜中騎手は早々とガッツポーズ。肉眼でもスリーロールスが優勢に見えた。やったな浜中。

 スリーロールスはアントニオバローズの直後3番手に構えて、リーチザクラウンの「撒き餌」には馬なりで対処出来ていた。ヤマニンウイスカーとの競り合いを制した後、大きく外へヨレてスピードが落ちながらも何とか勝利。展望の中でも触れた通り、スリーロールスはアンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタと同じ「伝説の新馬戦」出身。競馬ってつくづく因果なものだなぁと思った。

 フォゲッタブルはセントライト記念で成長の跡が見て取れたのだが、本格化はまだ先だと高を括っていたらここで結果を出してきた。叩く度に力強く伸びてきたのはステイヤーたる証左。ダンスインザダーク産駒なら狙うべきは菊花賞だろ…。ちなみにスリーロールスもダンスインザダーク産駒。勝ち鞍が1,800M止まりだから距離不安?そんな事言ったら皆3,000M未経験じゃん。未知の領域で行われる菊花賞は距離実績(結果)ではなく距離適性(素質)で決まる。長距離戦における血統の奥ゆかしさを感じた。

 春のクラシックに無縁だった2頭がワンツーフィニッシュ。春勢力はセイウンワンダーが最先着(3着)。序盤に掛かっていた割によく伸びてきていた。やはりリアルシャダイの血を持つ馬は買っておいて損は無いらしい(セイウンワンダーは母母父がリアルシャダイ)。イコピコは後ろから行く馬というのを承知で軸にしたが、あの位置取りは想定外。上がり3ハロン(34秒8)は今回もメンバー最速だった。アンライバルドは掛かり癖を直せていなかった。直線半ばで追うのをやめていたのでこの結果は実力を示していない。

 リーチザクラウンはスタートして何頭かが前に出ていたために余計な脚を使う羽目になった。アントニオバローズを交わしてハナに立ったところが3コーナーの上りで、離しに行ったのが下り。武豊騎手からすれば1,000M通過60秒を切ってしまったのは誤算だったはず。後続の引き付けが上手く行っていただけに、序盤のオーバーペースが悔やまれる。いずれにしても菊花賞の舞台での逃げ切りは難しい。


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