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第59回東京新聞杯(GIII)
2009年1月31日(Sat) 東京芝1,600M 4歳以上オープン 別定 (国際)[指定]
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 3 6 アブソリュート 牡5 56.0kg 田中勝春 1.36.9 470kg(+4) 5
2   7 14 キャプテンベガ 牡6 56.0kg 吉田豊 1.37.1 1 448kg(+2) 15
3   1 2 スマイルジャック 牡4 56.0kg 岩田康誠 1.37.4 2 478kg(+2) 9
4 2 4 リザーブカード 牡6 56.0kg 内田博幸 1.37.6 1 1/4 496kg(+6) 7
5   4 7 ゲイルスパーキー 牡5 56.0kg 後藤浩輝 1.37.6 クビ 504kg(+2) 13
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:曇、馬場:不良)
ハロンタイム 12.5 - 11.0 - 11.5 - 12.2 - 12.2 - 12.2 - 12.4 - 12.9
上がり 4F 49.7 - 3F 37.5
3コーナー 5(11,13)1,12,16(3,15)7,2,6(4,14)8(9,10)
4コーナー 5(11,13)(1,12)16(3,15,7)(2,6)(4,14)(9,8,10)

■レース回顧 無敗のマイルでステップアップ・強豪なで斬りアブソリュート!
■レース解説

 マルカシェンクが出遅れ。キャプテンベガも出負けして後方から。ローレルゲレイロがダッシュ良くハナに立つ。サイレントプライド、ファストロックがこれに続く。タマモサポートは若干引いて4番手を追走。ショウナンアルバがショウワモダンと並んで6番手、スマイルジャックは後方内を進む。そこから馬群が切れてアブソリュート、キャプテンベガと続く。リザーブカードもこの付近を追走。マルカシェンクは後方2番手。ローレルゲレイロが僅かに先頭で直線に向く。ローレルゲレイロが1馬身のリード、サイレントプライド、ファストロック、タマモサポートが追いかける。直線半ばでタマモサポートがローレルゲレイロを交わすも、更に外からアブソリュートが一気に抜け出して先頭。続いてキャプテンベガ、馬場の内からスマイルジャックが追い上げる。アブソリュートが外から迫るキャプテンベガに抜かせずゴール。


■レース回顧

 ハズレ。西暦奇数年は荒れない。そう思っていた時期も私にはありました。(-_-)

 マルカシェンクが2〜3馬身程の出遅れ。積極策を期待していたのに、これではどうしようもない。これとは対照的にローレルゲレイロは楽な手応えでハナを確定。サイレントプライドも手綱を押して出てきたものの、2番手が精一杯。ファストロック、タマモサポートも2番手集団に顔を覗かせて前は賑やかに。まあこんな馬場だし、なるべく前につけていないとダメだよね。

 ローレルゲレイロが快調に逃げ、サイレントプライドが鈴をかけに行く展開。タマモサポートはこれらを前に見る位置を追走。ショウワモダンは周りが速くて今日も馬群に揉まれる競馬。アブソリュートは中団で周りに馬がいないところを悠々追走。リザーブカードは思っていたよりも後ろ。ここからだとまた馬群を捌くのに苦労しそうだ。マルカシェンクは終了。

 サイレントプライドが4コーナーを回るところで例の如く持ったまま。くっそー、また来るのか?頼むから沈んで(競馬予想に私情を持ち込んだら終わりだが、レース中に願望を持つのは自然な成り行き)。ローレルゲレイロが先頭、ファストロックとサイレントプライドが2番手。その間にタマモサポート。ローレルゲレイロが後続を離しにかかると、サイレントプライドの手綱が激しく動き始めた。よし!勝った!(何に?)

 サイレントプライドは内にヨレて苦しそう。そこへ颯爽とタマモサポート登場。手綱は抑えたまま。ローレルゲレイロを捉えて交わし、後は一方的に突き放すだけ。勝った。…と思ったが、外からやってきたアブソリュートに勢いがある。そしてキャプテンベガ。…キャプテンベガ?ああ、外差しですか。やっぱ揉まれないと来るのね。更に内からスルスルとスマイルジャック。何だこれ?大荒れやん。

 午前中の大雨で馬場は不良。この状態で1,000M通過59秒4はオーバーペース。事実、上がり3ハロンは37秒5を要し、先行勢は壊滅状態。タマモサポートが6着に残った程度で、ローレルゲレイロは13着、サイレントプライドは15着に沈んだ。特にサイレントプライドはアブソリュートから3秒以上も離されての入線。「人気どころが総じて前なら狙いは後ろ」ということだったらしい。

 アブソリュートもこの馬場で切れ味が鈍らないかどうか心配だったのだが、直線で外に持ち出すと面白い位に伸びた。これでもどこかノメったような走り。良馬場なら圧勝も有り得たのではないか。展開と馬場が向いたとは言い切れず、逆に次走以降が興味深くなった。マイルはこれで4戦全勝。馬主は「ダビスタ」でお馴染みの薗部博之氏。バランスオブゲームではGIに届かなかったけど、コイツなら…。

 キャプテンベガはスタートで立ち遅れて後方からの競馬。そのまま他馬に揉まれない外を走って、直線でも何の不利も受けなかった。ゴール前で苦しくなってヨレていたのはいかにも良血のお坊ちゃまらしい。揉まれてダメな馬が外枠に入ってチャンスが生じるという好例。これとは逆に、大外ぶん回しでダメだった馬が内枠に入ってチャンスが生じるという事例もある('08年阪神カップのマルカフェニックス)。馬の性格やレース振りと枠順をリンクさせて考えてみるのも意外と面白い。

 スマイルジャックは上位2頭とは違って内から伸びてきた。道中不気味な位折り合っていたのが印象的。当初は内を突きかけながら、すぐ前のショウワモダンが邪魔で抜け出せず断念。そこから少しづつ外へ誘導して、サイレントプライドの外にあった狭い隙間をこじ開けて出てきた。この馬もアブソリュートと同じタニノギムレット産駒。東京では勝てないまでもこれで4戦して【0・2・2・0】。

 マルカシェンクは冒頭で触れた通り出遅れが全て。ただ同じくスタートに失敗したキャプテンベガが2着に健闘した以上、11着は負け過ぎ。この馬は強いのか弱いのかよく分からない。ショウワモダンは積極性が出せず付いて回っただけ。仮に前に出ていてもローレルゲレイロらと共に沈んでいただろうし、今回はどっちみち無理筋。リザーブカードは後方内から直線で外に持ち出して届かず。渋った馬場は今回が初めてで、よくここまで追い上げたと褒めておくべきか。力はある。無いのは運だけ。


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