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第28回ジャパンカップ(GI)
2008年11月30日(Sun) 東京芝2,400M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   8 16 スクリーンヒーロー 牡4 57.0kg M.デムーロ 2.25.5 486kg(+2) 9
2 5 9 ディープスカイ 牡3 55.0kg 四位洋文 2.25.6 1/2 518kg(+8) 1
3 2 4 ウオッカ 牝4 55.0kg 岩田康誠 2.25.7 3/4 488kg(-2) 2
4   7 13 マツリダゴッホ 牡5 57.0kg 蛯名正義 2.25.7 アタマ 492kg(+2) 5
5 1 1 オウケンブルースリ 牡3 55.0kg 内田博幸 2.25.8 クビ 482kg(-2) 4
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.6 - 11.6 - 12.4 - 12.6 - 12.6 - 12.8 - 12.6 - 12.0 - 11.9 - 11.2 - 11.3 - 11.9
上がり 4F 46.3 - 3F 34.4
1コーナー 7,18,4,13(2,16)5(1,8)(6,15)9(14,11)3-(10,17)
2コーナー 7,18,4,13(2,16)1,5(8,15)6,9(14,11,3)-(10,17)
3コーナー (*7,18)(4,13)16(2,1)15(6,5)(14,9)(8,11,3)(10,17)
4コーナー (*7,18)(4,13)16(2,1)15(14,6,9)(8,5)11(10,17)3

■レース回顧 並み居る強豪を脇役扱い・渾身の走りで主役演じたスクリーンヒーロー!
■レース解説

 ネヴァブションが押してハナを奪う。マツリダゴッホ、コスモバルク、ウオッカ、スクリーンヒーローらが固まってこれに続く。メイショウサムソン、オウケンブルースリも内を通って前につける。ディープスカイは中団の外を追走。ネヴァブションがコスモバルクと並んで先頭、後続も一団。ディープスカイが外を回して進出開始。マツリダゴッホが3番手から動いて直線に向く。マツリダゴッホが馬なりでネヴァブションを交わして先頭。外からスクリーンヒーロー、アサクサキングスとディープスカイ、内からメイショウサムソンとウオッカが追い上げる。スクリーンヒーローがマツリダゴッホを交わし、外から迫ったディープスカイを抑えてゴール。


■レース回顧

 ハズレ。スローでウオッカ掛かっちゃった。つーか、スクリーンヒーローかよ。(´д`;)

 よく考えたらこのレース、逃げ馬がいなかった。首尾よくゲートを出たウオッカが先頭か、というところでネヴァブションが飛び出してきた。ヨコテンは計算高いなぁ。マツリダゴッホやコスモバルク辺りも出てきて、前は割と賑やかに。ネヴァブションはペースを落として溜め逃げの態勢。ウオッカはネヴァブションの後ろで頭を上げて行きたがっていた。あー、マズイよこれは。

 メイショウサムソンはスクリーンヒーローと並んで5番手、オウケンブルースリはその後ろ。人気どころではディープスカイが唯一後方待機。中団の外でいつでも発進OKの状態。折り合いもバッチリ。再度前を見遣ると、ウオッカはやっぱり行きたがっていた。掛かっているというよりは、早く追い出してくれといった感じ。しかしここで動く訳にもいかず、岩田騎手は腰を浮かせて懸命に制御していた。

 直線は横一杯に広がっての追い比べ。マツリダゴッホが持ったままで先頭。外からはスクリーンヒーローとディープスカイが接近。オウケンブルースリは馬群の中で右往左往。ウオッカは内でモタついていた。マツリダゴッホは先頭に立ってから頭が高くなって失速気味。盛り返してきたウオッカに並ばれて一騎打ち。その間に外からスクリーンヒーロが迫ってきた。

 スクリーンヒーローは早い段階でマツリダゴッホをマークしていた。相手が先頭に立つタイミングで仕掛けて、後は力に任せてゴリ押し。マツリダゴッホをやっとの思いで交わすと、今度は外からディープスカイが接近。ディープスカイが勝つのかと思いきや、これを鞭連打で凌ぎ切った。ダービー馬相手にこの勝ち方は驚き。グラスワンダー産駒初の平地GI勝利は、強豪ひしめくジャパンCだった。

 ディープスカイは完璧に折り合って、スムーズに外へ持ち出して、上がり最速の脚を使って及ばず。天皇賞秋で差し返されたウオッカにも一矢報いた。誤算だったのはスクリーンヒーローという伏兵がいたこと。強い馬は得てして伏兵に手痛い一撃を喰らうものだが…。ウオッカは追い出してからモタついて、一時は圏外に消えるような手応えだった。しかしそこはダービー馬の意地、態勢を立て直してマツリダゴッホに併せるところまで盛り返し、頭の上げ下げで3着は死守。距離は長いというより、合っていない。

 マツリダゴッホはここでも直線半ばまで持ったままで上がってきた。しかし抜け出してから頭が高くなるのも相変わらず。ゴールの瞬間はマツリダゴッホが頭を上げて、ウオッカが首を突き出していた。オウケンブルースリは追い出した直後にスクリーンヒーローに先に行かれ、スクリーンヒーローの外に持ち出すと今度はアサクサキングスが蓋になって出られず。已む無く再度スクリーンヒーローの内に持ち出して5着。一連の動作に無駄があり過ぎ。最内枠が祟ったか。

 メイショウサムソンは前に併せに行くところまで持って行けず、ネヴァブションを交わしての6着がやっと。後半1,000Mが58秒3と、ジャパンCで最も速い上がりを問われたレースになったのも、切れる脚を持たないメイショウサムソンには酷だった。最終週でも内が伸びるという馬場状態にも着目していたのだが、メイショウサムソンやウオッカの伸び方を見る限りでは全く関係無かった。

 逆にスロー逃げを打って勝ち負けにまで持ってきたネヴァブションの粘りには感心させられた。今年の日経賞でマツリダゴッホに一泡吹かせた馬。有馬記念も逃げ馬不在だったら…。アサクサキングスは向こう正面から徐々に動いて、直線でも積極的に動いていった割にはタレずに頑張っていた。この馬もメイショウサムソンと同じで速い上がりの競馬は苦手。

 海外招待馬は重賞未勝利のパープルムーンが9着、英セントレジャー馬シックスティーズアイコンが13着、プレレーティング最上位のペイパルブルが14着。バリバリの欧州血統(サドラーズウェルズ系のガリレオとモンジュー)ではこの結果も至極当然。海外招待馬の騎手達は一様にスローペースと堅い馬場を敗因に挙げていたが、それ以前に実績不足だろと言いたい。


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