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第13回秋華賞(JpnI) 2008年10月19日(Sun) 京都芝2,000M 3歳オープン 馬齢 (牝)(混)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | 2 | 4 | ブラックエンブレム | 牝3 | 55.0kg | 岩田康誠 | 1.58.4 | − | 452kg(+4) | 11 | |
2 | ☆ | 1 | 1 | ムードインディゴ | 牝3 | 55.0kg | 福永祐一 | 1.58.5 | 1/2 | 456kg(0) | 8 |
3 | 7 | 15 | プロヴィナージュ | 牝3 | 55.0kg | 佐藤哲三 | 1.58.6 | 1/2 | 510kg(-4) | 16 | |
4 | 5 | 10 | ブライティアパルス | 牝3 | 55.0kg | 藤岡康太 | 1.58.6 | ハナ | 454kg(+2) | 13 | |
5 | △ | 3 | 5 | エフティマイア | 牝3 | 55.0kg | 吉田隼人 | 1.58.7 | 3/4 | 442kg(-14) | 3 |
■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良) |
ハロンタイム 12.3 - 10.4 - 12.3 - 12.2 - 11.4 - 12.5 - 11.9 - 11.5 - 11.8 - 12.1 上がり 4F 47.3 - 3F 35.4 1コーナー 14,15,10-12(4,5,8)11,3(6,9,18)(1,2,16,17)7-13 2コーナー 14,15-10-12,8(4,5)11,3(9,18)(1,6)17(2,16)7,13 3コーナー 15,14(10,12)(5,8)-11,4(3,18)(1,9,17)2(7,6,16)13 4コーナー 15-(14,12)(10,5,8)(4,3,11)18,1,17(2,9)7(13,6)16 |
■レース回顧 澄み渡る秋空の如き快走・高速馬場で劇的復活ブラックエンブレム! |
■レース解説 プロヴィナージュが押して前に出るも、エアパスカルが譲らずハナを奪う。ブライティアパルスが3番手、カレイジャスミンが4番手につける。エフティマイアはブラックエンブレムと並んで6番手、トールポピーがこの直後を進む。オディールとマイネレーツェルが中団の外、ムードインディゴがその後方内を追走。レジネッタは後方から外を通って上がっていく。向こう正面でプロヴィナージュが先頭に替わる。プロヴィナージュが2馬身程のリードを保ったまま直線に向く。プロヴィナージュが単独先頭、2番手集団からカレイジャスミン、ブラックエンブレム、エフティマイア、ブライティアパルスらが一斉に追い上げていく。プロヴィナージュが粘り込むところへブラックエンブレムが追い付いて交わし、ラストで突っ込んできたムードインディゴを振り切ってゴール。 ■レース回顧 ハズレ。あの〜、ブラックエンブレムは前走本命だったのですが。1000万なんて獲れるかボケ。(・_・) 「トビが綺麗だし、馬場が合いませんでした」。ローズSで惨敗を喫した際の岩田騎手のコメント。関東馬なのにわざわざ栗東に滞在してきっちり仕上げておいて、このコメントはどうなのよ?確かに4コーナーまでは持ったままだったのに、追い出してからビックリするぐらい伸びなかった。弱いから負けたのか?それとも本当に湿った馬場がダメだったのか?軸に据えていたからこそ、そのショックは甚大だった。 ローズSでは桜花賞馬レジネッタ、オークス馬トールポピーも揃って負けた。しかし着順はブラックエンブレムよりはマシで、巻き返しは十分可能とみられていた。しかしレジネッタは何だかんだ言っても桜花賞以降勝っていないし、トールポピーも叩き2戦目の桜花賞で完敗を喫しているように絶対的な存在ではない。オディールも末一手に賭けると届かずがあり得る。今にして思えば、人気どころは総じて胡散臭かった。しかし私を含む大衆はその胡散臭さを上回る「買い材料」を出して、胡散臭さに蓋をしていた。 プロヴィナージュが強気に押していく。ハナを奪ったのはエアパスカルだったが、プロヴィナージュもこれにピッタリとついて行った。この2頭がオーバーペース気味に引っ張って、隊列は縦長。トールポピーは好位の外、オディールとマイネレーツェルはそこから1馬身後方。コイツらにしてみれば早めの競馬。レジネッタはやはり後方待機。ただ早め進出の構えをみせていて、こちらも積極的な競馬だった。 先頭はいつの間にかプロヴィナージュに替わっていた。エアパスカルはまだ手が動いておらず、プロヴィナージュが進んで前に出たようだった。3コーナーを迎えたところでも有力馬はまだ後方。トールポピーは3〜4コーナーで早くも追っ付け気味。こんなところで無駄な脚を使わされるとは…。こりゃキツイぞ。オディールもトールポピーの外を回して進出の構え。レジネッタはまだ静観。 2番手以降が固まって、その後方から追い上げた馬は若干外に膨らんでいた。先頭を行くプロヴィナージュは内ピタで直線に向いて、すぐさまリードを広げていった。あれ?何コレ?まさか、ひょっとして残っちゃうの?やーばーいー。2番手集団は大混戦。トールポピーは横並びの状態でもがいていた。オワタ。後は好きにしてちょーだい。 プロヴィナージュの逃げ残りに待ったをかけたのは、同じ小島厩舎のブラックエンブレムだった。これ本当にブラックエンブレムか?ローズSの時とまるっきり違うやん。まあ確かにローズSで15着に負けるような馬ではなかったが…。前走で実力以上の惨敗を喫したら、その原因を追究して巻き返しの可能性を探るということの重要性を考えさせられた。惨敗したからポイではこんな馬券は絶対に獲れない。 ムードインディゴは完全に馬が変わった印象。春先のジリっぽさが消え、追って切れる馬に変貌。ブラックエンブレムが息を吹き返したパンパンの良馬場で上がり3ハロン34秒4。それも4コーナーで馬群に突っ込んで、狭いところを割って突き抜けてきた。後方から追い上げて勝ち負けに加わったのはこの馬位で、次走も要注目だろう。 プロヴィナージュは体調の良さを確認した上で参戦を決め、血統背景からファンの多いポルトフィーノを除外に追い遣って一部で物議を醸した(詳細は小島厩舎公式ブログ「小島茂之厩舎の本音」参照)が、この3着で小島師の判断が正しかったことが証明された。ちなみにポルトフィーノは秋華賞の前に行われた清水Sを勝利。めでたしめでたし。 めでたくなかったのは今回の人気どころ。クラシック上位組はエフティマイアが辛うじて掲示板を確保しただけ。トールポピーは前述の通り4コーナーの時点で既に怪しかった。全兄のフサイチホウオーが夏を越して急激に駄馬化したように、トールポピーもその傾向が出始めているのかもしれない。この後も人気を集めるようなら少し疑ってみたい。 オディールやレジネッタなど、馬場の外を通った馬も軒並み不発。いずれも伸びなかったというよりは前が止まらなかったというのが本音。時計が速いのに前が止まらないとなると、後ろから行く馬はお手上げ。ちなみにレース創設から12年続いていた5枠より外の馬が必ず絡んでいるという傾向は今年でストップ。今年は2枠4番−1枠1番という1・2着だった。 メイショウベルーガはスタートこそきちんと出たものの、相変わらず最後方付近を追走。4コーナーで鞭を入れて猛然と追い上げにかかったところ、レッドアゲートにぶつけられて大外へ吹っ飛んでいった。惜しくも何ともなかったけど上手いなぁと感じたのはアロマキャンドル@三浦皇成。後方一気に賭けるにしても、誰もいなくなった最内を突いていた。もう三浦くんと呼ぶのはやめよう。彼は既に一人前の騎手だ。 |