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第15回チューリップ賞(JpnIII)
2008年3月8日(Sat) 阪神芝1,600M 3歳オープン 馬齢 (牝)(混)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 5 10 エアパスカル 牝3 54.0kg 藤岡佑介 1.35.8 418kg(-8) 5
2 1 2 トールポピー 牝3 54.0kg 池添謙一 1.35.8 ハナ 470kg(+4) 1
3 8 15 オディール 牝3 54.0kg 安藤勝己 1.35.8 ハナ 438kg(-8) 2
4 2 4 スペルバインド 牝3 54.0kg 四位洋文 1.36.0 1 1/2 480kg(+2) 3
5   7 13 ヤマカツオーキッド 牝3 54.0kg 長谷川浩大 1.36.1 1/2 468kg(-2) 9
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.6 - 11.2 - 12.3 - 12.6 - 12.6 - 12.0 - 10.7 - 11.8
上がり 4F 47.1 - 3F 34.5
3コーナー 10(9,14)(11,13)(1,2)8,4,16(3,12)(7,15)(5,6)
4コーナー 10,14(9,13)(11,2,8)(1,4,16)(3,12,15)(7,6)-5

■レース回顧 芝に替わって行き脚復活・2歳女王を手玉に取ったエアパスカル!
■レース解説

 マルチメトリック、トールポピーが好スタートを切るも、ユキノサッシュとエアパスカルがこれらを制して前に行く。エアパスカルがユキノサッシュを抑えて先頭。コウヨウマリーン、メイショウジェイも前につける。トールポピーは内で一旦控える。スペルバインドがこの直後を進む。オディールは後方待機。エアパスカルが単独先頭で3コーナーを通過。2番手以降が次第に固まりながら直線に向く。エアパスカルが最内に進路を採って先頭をキープ。直後でコウヨウマリーンとヤマカツオーキッドが競り合うも、トールポピーがこれらを外から交わして2番手に上がる。トールポピーがエアパスカルとの差を詰めていくところへ大外からオディールが強襲。これら3頭が並んでゴール。


■レース回顧

 ▲−◎−△で3連複(10%)的中。競馬って本当に展開次第でどうにでもなるなぁと思った。(・_・)

 トールポピーは好スタートを切りながら行く素振りをみせず自重。ユキノサッシュ、コウヨウマリーンと前に行くところへエアパスカルも加わっていった。エアパスカルは抜群の行きっぷりで先頭を奪い、2番手以降を離して単騎に持ち込んだ。えらく強気。トールポピーは中団。スペルバインドはこのペースで好位が取れんとはなっとらん。オディールは…後方待機か。アンカツも腹を括ってきたな。

 1,000M通過61秒3と流れはスロー。やはり前が有利。エアパスカルは直線に向いてからフワフワしていたが、内回りコースとの合流地点まで辿り着いてからはラチを頼りに真っ直ぐ走り出した。直後の2頭は怖くないとみた藤岡佑介騎手は早めにスパート。後方からはトールポピーが迫ってきた。しかしトールポピーの脚色はどこか重く、エアパスカルを交わすような雰囲気には無かった。

 むしろ大外から飛んできたオディールのほうがまとめて交わしそうな勢い。ゴール前は3頭が鼻面を並べての大激戦。僅かに内のエアパスカルが残して1着、トールポピーがオディールの追撃をギリギリ凌いで2着。オディールは寸前のところで大魚を取り逃した。後続は上位3頭から離れての入線。スペルバインドは伸びているところを外からオディールに交わされた。残念ながら現時点での完成度が違った。

 エアパスカルの前走は単にダートが合わなかったという見解で確定。馬体こそ小柄で非力に映るが、小刻みなフットワークで行き切る脚を持っている。今回は展開に恵まれたところが大きいものの、トールポピーの追撃を凌ぎ切ったのは評価して良い。ただ直線に向いた際の反応からして、揉まれた場合にどうかという不安は残る。

 トールポピーは案外伸びなかったなというのが正直な感想。4コーナーで外に持ち出して楽勝かと思ったが、ジワジワとしか伸びなかった。楽逃げ態勢のエアパスカルに僅差なら上出来と取れなくもないが、阪神ジュベナイルフィリーズの大外一気と見比べるといかにも凡庸。好位でうっちゃる競馬が出来ないようだと次も取りこぼすかもしれない。

 スペルバインドは前走と同様に他の馬が壁になってすぐには追い出せない状況。前のトールポピー、外のムードインディゴの様子を探りながらの追い出しで、ようやく加速が乗ったところをオディールに並ぶ間もなく交わされてしまった。初のマイル戦で通用しかけたのだから及第点はつけておきたい。長くいい脚を使うタイプで、距離は長いほうが良さそうだ。

 ヤマカツオーキッドとコウヨウマリーンは少なからず外枠に泣いた。一昨年の改修を経てスタート位置が改善されたとはいえ、スローで内が固まると自ずと内枠の馬が有利になるのは変わらない。エアパスカルの直後にぴったりとつけながら直線の伸びを欠いたのは追走で無駄な脚を使ったからだろう。抜群の行きっぷりで自ら進路を切り開いていったエアパスカルの手際の良さが一層光った一戦だった。


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