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第31回エリザベス女王杯(GI)
2006年11月12日(Sun) 京都芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (牝)(国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   8 15 フサイチパンドラ 牝3 54.0kg 福永祐一 2.11.6 502kg(+6) 7
2 4 8 スイープトウショウ 牝5 56.0kg 池添謙一 2.11.6 クビ 464kg(+6) 2
3 6 11 ディアデラノビア 牝4 56.0kg 岩田康誠 2.11.7 クビ 436kg(+2) 4
4   1 1 アサヒライジング 牝3 54.0kg 柴田善臣 2.11.7 クビ 504kg(0) 5
5   2 3 アドマイヤキッス 牝3 54.0kg 武豊 2.12.0 1 3/4 460kg(+6) 3
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.5 - 10.6 - 11.7 - 11.3 - 11.3 - 12.2 - 12.5 - 12.8 - 13.0 - 11.5 - 12.0
上がり 4F 49.3 - 3F 36.5
1コーナー 6-9-(1,10)-(3,12)-11,15(5,16)(2,8)13(4,7)
2コーナー 6-9=1,10(3,12)-11,15,5,16(2,8)(4,7,13)
3コーナー 6=9=(3,1)-(12,10)-15(11,16)2(5,7,8)(4,13)
4コーナー 6=(3,1)(12,10,15)(9,11,2,16)8(5,7)13,4

■レース回顧 競馬で負けて勝負に勝った・1位降着で繰り上がり優勝フサイチパンドラ!
■レース解説

 シェルズレイ、ライラプスが前に出る。1コーナーのカーブでシェルズレイが単独でハナに立ち、次第に後続を離していく。アサヒライジングは離れた3番手、アドマイヤキッスがこの後につける。以下ディアデラノビア、フサイチパンドラと続く。カワカミプリンセスは中団、スイープトウショウが直後でこれをマーク。シェルズレイが単騎で大逃げ、2番手ライラプスも後続に10馬身以上のリード。3コーナー坂の下りに入ったところでカワカミプリンセスがじわじわと進出開始。すぐ前でフサイチパンドラも動き出す。ライラプスが飲み込まれ、シェルズレイのリードも僅か。直線に向いたところで外からアサヒライジング、次いでフサイチパンドラが進出。内からは馬群を割ってカワカミプリンセス、ディアデラノビアが抜け出してくる。大外からスイープトウショウも加わるが、カワカミプリンセスが完全に抜け出してゴール。


■レース回顧

 ハズレ。消耗戦じゃ負けんよな。カワカミプリンセス最強…って、降着かよ!!Σ(゚д゚|||)ガビーン

 今から遡る事15年前、'91年天皇賞秋。メジロマックイーンがプレクラスニー以下を6馬身もぶっ千切って1位入線。しかしスタート直後の大斜行で走行妨害を取られ降着処分を受けた。1着馬より目立つ18着馬。ちなみに18位入線の被害馬プレジデントシチーに騎乗していたのは本田優騎手。何の因果か、今度は自らが走行妨害の加害者になってしまった。

 レースはシェルズレイが序盤から飛ばしまくり、1,000M通過57秒4のハイペース。なし崩しの脚を使わされる流れを得意とするカワカミプリンセスにとっては願ってもない展開。直後でスイープトウショウがマークに入っていようがお構いなし。3コーナーの下りで徐々に動き出し、後はどこで抜け出すかというところまでやってきた。

 しかし直線に向いたところでスイープトウショウもすぐ外まで追い上げていて外には持ち出せそうにない。すぐ前にはアサヒライジング。本田騎手は左鞭を入れて内から抜け出そうとした。勝負どころでの左鞭連打に、カワカミプリンセスは不意に内側へヨレた。不運にもそこには加速しかけていたヤマニンシュクルがいた。ヤマニンシュクルは鞍上が起き上がるほどの不利を受けて後退。一方でカワカミプリンセスは横並びの状態からぐんぐん加速。フサイチパンドラ以下を寄せ付けず「完勝」したかに思えた。

 掲示板には2分11秒4の時計表示と共に審議の青ランプが点灯。審議の対象馬はヤマニンシュクル、シェルズレイとアナウンスされた。ああ、やっぱりやっちゃったか…。GIで1位入線馬が降着だなんてもはや都市伝説でしょと思ったが、現実はそんなに甘くなかった。掲示板の点滅が消え、再度確定着順が上がった時には、馬番16の表示はどこにもなかった。無敗の快進撃がこんな形で潰えるとは思わなかった

 誤解の無いように言っておくと、この降着は100%妥当な裁決だと思う。内の馬群に向かって左鞭を浴びせたらこうなることは容易に想像がついたはず。仮に不利が無くてもヤマニンシュクルが勝ち負けに加われたかどうかはよく分からない。ただ公正な競馬を保つためには時として手厳しいお灸を据えなければならない。カワカミプリンセスが1位入線したのは誰の目にも明らかなのだから、次走以降もそれを評価すれば良いだけのことだ。

 カワカミプリンセスが突っ込んでくる展開では、いつも近くにオークス以来の「お友達」がいる。カワカミプリンセスが抜け出す直前にはアサヒライジング、フサイチパンドラが前を窺っていた。アドマイヤキッスもカワカミプリンセスにあっさり交わされながらも必死に前を追っていた。スイープトウショウ、ディアデラノビアはこれらの間に割って入るのが精一杯。今年の3歳牝馬のレベルの高さが証明された。

 スイープトウショウはカワカミプリンセスをマークする位置で競馬を進めながら全く歯が立たず、フサイチパンドラすら交わせない完敗を喫した。上がり最速の脚を使っても追いつけないのでは素直に3歳馬を褒めるしかないだろう。ディアデラノビアは瞬間的にいい脚を繰り出すのだが、それがゴールまで続かない。前々の位置取りは良かったが今回もやや早仕掛けだったか。サンレイジャスパーはスイープトウショウよりも後ろ、直線に向いて最後方ではキツかった。


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