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第132回天皇賞・秋(GI) 2005年10月30日(Sun) 東京芝2,000M 3歳以上オープン 定量 (牡・牝)(国際)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | 1 | 1 | ヘヴンリーロマンス | 牝5 | 56.0kg | 松永幹夫 | 2.00.1 | − | 510kg(-2) | 14 | |
2 | ◎ | 7 | 13 | ゼンノロブロイ | 牡5 | 58.0kg | 横山典弘 | 2.00.1 | アタマ | 500kg(計不) | 1 |
3 | 6 | 12 | ダンスインザムード | 牝4 | 56.0kg | 北村宏司 | 2.00.1 | クビ | 468kg(-4) | 13 | |
4 | 3 | 5 | アサクサデンエン | 牡6 | 58.0kg | 蛯名正義 | 2.00.3 | 1 | 496kg(-6) | 9 | |
5 | ▲ | 7 | 14 | スイープトウショウ | 牝4 | 56.0kg | 池添謙一 | 2.00.4 | 1/2 | 464kg(-2) | 4 |
■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良) |
ハロンタイム 13.4 - 11.5 - 12.1 - 12.5 - 12.9 - 12.3 - 11.8 - 11.0 - 11.2 - 11.4 上がり 4F 45.4 - 3F 33.6 2コーナー 11-6,18(12,5)(7,13)(1,2,10)(4,14,16)3-(15,17)(8,9) 3コーナー 11-6(12,18)5(7,13)(1,16)(10,14)(2,4,17)3(15,9)8 4コーナー 11,6(12,18)(7,5)16(1,13)(10,14)17(2,4)9(3,15)8 |
■レース回顧 時代が女帝を迎合する・天覧競馬で大金星挙げたヘヴンリーロマンス! |
■レース解説 タップダンスシチーが先手を窺うも、外からストーミーカフェが交わして前に出る。バランスオブゲームも早めの3番手。この直後にダンスインザムードがつける。2頭置いてゼンノロブロイが外を進む。ハーツクライ、サンライズペガサスが直後をマーク。その内にヘヴンリーロマンス。スイープトウショウ、リンカーンはその後ろ。淡々とした流れのまま3コーナーをカーブ。まだ各馬動かず、ストーミーカフェ先頭のまま直線に向く。ダンスインザムードが最内に進路を変えて強襲、単独先頭に踊り出る。外の馬群を割ってようやくゼンノロブロイが進出、ダンスインザムードを追いかけていく。ダンスインザムードとの差が徐々に埋まり、並んで交わすかというところで間からヘヴンリーロマンスが強襲。ヘヴンリーロマンスが2頭を僅かに退ける。 ■レース回顧 紐抜けハズレ。同じハズレなら荒れてくれたほうが目立たなくていいや。ヽ(´ー`)ノ ダンスインザムードが最内から抜け出し、あっと言う間に後続に2馬身程のリード。ゼンノロブロイは昨年ほどスムーズではなかったが確実に末脚を伸ばしてくる。昨年と同じワンツーかに思えた矢先、その間から白い帽子が強襲してきた。まさに一瞬の出来事。宝塚記念に続き、古馬トップクラスのレースを牝馬が制した。 奇しくも週半ばに「皇室典範に関する有識者会議」で女性・女系天皇を認めることを全会一致で正式決定したばかり。エンペラーズカップ100年記念と銘打ち、天皇皇后両陛下が行幸啓された天皇賞において、新たな女帝が誕生したことに何か因縁めいたものを感じる。ちなみに皇太子殿下の第一子・愛子内親王殿下の誕生日は平成13年12月1日。 ストーミーカフェが逃げ、タップダンスシチーが2番手に控える。これは良いとして、ストーミーカフェがこれほど緩い逃げを打つとは想定外。溜めに溜めまくった結果、レースの上がりは33秒6と極端に速く、上がり32秒台をマークした馬が9頭もいた。レース慣れしていない新馬同士ならともかく、これだけの豪華メンバーが揃った中距離GIでこのペースはもはや異常。 このペースを誘発したのは2番手追走のタップダンスシチーに拠る所が大きい。宝塚記念でコスモバルクを3コーナー過ぎから無理に追い抜いて失速したこともあり、今回は道中は勿論、勝負どころでも微塵も動かない。直線に向いて追いかける段階になって、ようやく異変に気付いたが既に手遅れだった。これなら最初からハナを奪っていたほうが良かった。全力を出し切らずに負けた感が強い。 ヘヴンリーロマンスは札幌記念同様、今回も内から抜けてきた。直線に向いた直後から手応え抜群で、いつでもスパートできる体勢。先に抜けたダンスインザムードが尻尾を振って苦しみ始めたところで猛然と襲い掛かった。しかし京都牝馬S、福島牝馬Sとスローペースに嵌って何も出来なかった馬がここで金星を挙げるというのは何とも不思議だ。一連の牝馬シリーズを使った馬の中にはまだ「女帝候補」が潜んでいるのかもしれない。 ゼンノロブロイは他から被されないように外を通っていたはずが、サンライズペガサスやスイープトウショウらに蓋をされる位置に入り込んでいた。直線に向いて俄かに進路が狭くなり、このまま待っていては埒が開かないと踏んで猛然とラストスパート。アサクサデンエンとバランスオブゲームの間の僅かな隙間を割って抜け出し、ダンスインザムードを捉えたところでヘヴンリーロマンスの強襲に遭った。先週は見事な前残りで一矢報いたが、今週は1番人気馬で競り負け。同じ2ゲットでも今回は痛い。 ダンスインザムードは今年に入ってからの内容が悪く、暫く1〜3人気を継続していながらここで一気に人気を落としていた。府中牝馬Sで公然と捨てレースをやってのけ、馬にやる気を戻させたのが好走に繋がったようだ。昨年のこのレースでも触れたが、ハイリスクを認識した上でハイリターンが望める状況にあるなら、何も考えず抑えてしまうというのは言い得て妙である。 アサクサデンエンは先行策が作用したところが大きいと思うが、休み明けで中距離路線の一線級を相手に好走したことを考えれば本当に力をつけてきている。スイープトウショウ、ハーツクライといった末脚に賭けるタイプは完全に埋没。それぞれ5着と6着に来ているだけ大健闘とさえ言える。 |