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第55回安田記念(GI)
2005年6月5日(Sun) 東京芝1,600M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   4 7 アサクサデンエン 牡6 58.0kg 藤田伸二 1.32.3 502kg(-2) 7
2 6 11 スイープトウショウ 牝4 56.0kg 池添謙一 1.32.3 クビ 454kg(0) 10
3   6 12 サイレントウイットネス セ6 58.0kg F.コーツィー 1.32.3 アタマ 550kg(計不) 5
4   8 16 ブリッシュラック セ6 58.0kg G.モッセ 1.32.5 1 1/4 538kg(計不) 6
5 5 9 カンパニー 牡4 58.0kg 福永祐一 1.32.6 クビ 452kg(+2) 11
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.2 - 10.7 - 11.0 - 11.7 - 11.8 - 11.4 - 11.3 - 12.2
上がり 4F 46.7 - 3F 34.9
3コーナー 6,12(4,14)5(3,8)(2,7)(1,13)(9,11)10(18,16)15,17
4コーナー 6(4,12)14(3,5,8)(2,7)(1,13)(18,9,11)(15,10,16,17)

■レース回顧 渾身の勝利で再度アピール・短距離界のエース名乗るアサクサデンエン!
■レース解説

 ハットトリックが出遅れ。ローエングリンが先手を主張して前に出る。オレハマッテルゼがすかさずこれに並んでいく。サイレントウイットネスも掛かり気味についていく。ユートピア、ダンスインザムードも差がなく追走。ダイワメジャー、バランスオブゲームが5〜6番手で続く。アサクサデンエンがこの直後に入る。アドマイヤマックスは中団の外、数頭置いてスイープトウショウも外を追走。テレグノシスは最後方待機。ローエングリンがサイレントウイットネスを1馬身リードしながら3コーナーを通過。後続が差を詰めながら直線に向く。ほぼ一塊の追い出しからバランスオブゲームが飛び出して僅かに先頭。サイレントウイットネスとの追い比べに移るが、外からアサクサデンエンとスイープトウショウが進出。ラストスパートで抜け出したサイレントウイットネスに並びかけていく。アサクサデンエンがゴール前で頭一つ抜け出す。


■レース回顧

 ハズレ。ファンファーレが一瞬フライング。波乱決着の良いお膳立てになりました。(^-^;)

 大混戦を制したのは結局前哨戦の覇者アサクサデンエンだった。今回は前を行かせた上で中団の一角を進み、ほぼ八方塞がりの状態から馬群を割って抜け出してきた。並んで進出をかけてきたスイープトウショウの食い下がりを退けつつ、内で粘るサイレントウイットネスを力で抜き去った勝ち方にはただ驚くばかり。これは恐れ入った。

 スイープトウショウは良くも悪くもないスタートからポジションを少し上げて中団外で待機。直線は迷うことなく外に持ち出した上で追い込んできた。やはり不利なく真っ直ぐ追いさえすれば確実に突っ込んでくる。ただ標準に定めた馬(アサクサデンエン)に差し返しを受けたのは初めてで、一線級の牡馬に打ち勝つには少し足りない印象を受けた。

 サイレントウイットネスはローエングリンに競りかけることなく2番手をキープ。やや気負った追走に見えたがスタミナの浪費はなく、持ったままで直線に向いた。バランスオブゲームが先頭に躍り出たところでラストスパートをかけて突き放しにかかったが、アサクサデンエンらの強襲を凌ぎ切る事は出来なかった。差し込みが優勢だった中で先行して3着に残ったのは想定以上。

 4着以下は少し離れてブリッシュラック、カンパニーと入線。ブリッシュラックは4コーナーでモタついて最後方まで下がったのを見てオサラバかと思ったが、大外から一気に詰め寄ってきた。反応が良ければ突き抜けていたかもしれない。カンパニーはアサクサデンエン以上に八方塞がりの状況で身動きが取れず、実質ラスト1ハロンだけの競馬。ちょっと勿体無い。

 バランスオブゲームは大外から切れ込む形で前を捉えられる位置まで来ると、そのまま強引に勝ちに来た。「バランスオブゲーム、バランスオブゲームが先頭!」という実況に一瞬心がときめいたが、その後間もなく一杯。積極性が仇になってしまった。ただあの状況でじっくり待てというほうが無理。ダンスインザムードは直線でバランスオブゲームの割り込みに遭った直後から急にフラつき始め、いきなり走るのをやめてしまった。故障でもないだけに訳が分からない。

 テレグノシスは思い切って最後方待機に出たが、勝負どころで大外を回したツケが響いて詰め切れなかった。ラストで一杯になったところをブリッシュラックに交わされており、乗り方を誤った感もある。ここ2戦は確かによく追い込んでいたが、ここでも勝ち負けになるかといえば少々疑問だった。最終的に1番人気に推されていたのは多くのファンが東京なら確実に走ってくると決め付けたからに他ならない。

 安田記念がよく荒れるのは、このような決め付けが起こり易いからではないだろうか。京王杯スプリングCでレコード勝ちを収めたアサクサデンエンに対して妥当な評価が下せなかったのもこの辺りが関係している。思えば昨年のツルマルボーイに対しても中距離馬だと決め付けて不当に低く見積もっていた。競馬予想に決め付け・思い込みはご法度である。

 上記に関連して、「牝馬は過去10年で1度も連に絡んでいない」としてダンスインザムードと共にスイープトウショウを切り捨てていた予想を目にしたが、これは勿体無いなぁと思った。過去10年で云々というのはデータではなく、過去の一事実に過ぎない。そもそも過去11年の縛りにしていればスイープトウショウが買えることになるのもおかしな話。消去法データは大衆の論理の裏を突く手段として用いるのが正しい。率直に言えば人気薄なら黙って買えということである。


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