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第65回優駿牝馬(GI)
2004年5月23日(Sun) 東京芝2,400M 3歳オープン 定量 (牝)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 7 13 ダイワエルシエーロ 牝3 55.0kg 福永祐一 2.27.2 430kg(0) 6
2   1 1 スイープトウショウ 牝3 55.0kg 池添謙一 2.27.3 3/4 446kg(-2) 4
3   3 6 ヤマニンアラバスタ 牝3 55.0kg 江田照男 2.27.8 3 430kg(+2) 7
4 3 5 ダンスインザムード 牝3 55.0kg 武豊 2.27.8 ハナ 478kg(+14) 1
5   4 7 ヤマニンシュクル 牝3 55.0kg 四位洋文 2.28.1 1 3/4 466kg(-6) 2
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:曇、馬場:稍重)
ハロンタイム 12.6 - 11.4 - 12.6 - 13.1 - 12.3 - 12.7 - 12.9 - 12.5 - 12.1 - 11.2 - 11.4 - 12.4
上がり 4F 47.1 - 3F 35.0
1コーナー 12,13,8(3,9,11)(5,10)(1,15,16)(2,7)(14,17)-18(4,6)
2コーナー (13,*12)-(8,9)11(3,5,10)15(2,16)(1,7)17(14,6)18,4
3コーナー 13,12(8,9)11(5,15,10)16,3(1,7,17)(14,2,6)18-4
4コーナー 13,12,9(8,11)(3,5,15,10)(1,16,17)7(14,2,6)18,4

■レース回顧 セオリー破りの向こう正面先頭策・力技でライバル撃破ダイワエルシエーロ!
■レース解説

 ヤマニンアラバスタが出遅れ。出方を見ながらウイングレットがハナに立つ。ダイワエルシエーロもこれに続く。アズマサンダース、ギミーシェルターも差が無く追走。ダンスインザムードは先頭集団の直後で折り合いをつけながら追走。スイープトウショウは馬群中央の内ラチ沿いを進む。ヤマニンシュクルは中団後方、ヤマニンアラバスタがその直後で待機。向こう正面半ばでダイワエルシエーロがウイングレットを交わして先頭に立つ。淡々とした流れのまま3コーナー、4コーナーと回って直線に向く。ラチ沿い一杯に回ったダイワエルシエーロが敢然と追い出しを開始。直後のウイングレットもこれを追いかける。ダンスインザムードが馬群を割って前に迫るが、ウイングレットを交わしたところで一杯。その間に外からスイープトウショウが強襲。前との差を確実に詰めるもダイワエルシエーロが難無く押し切る。


■レース回顧

 ハズレ。つくづく直感は大事だなと思った。しかしダンスが沈むとは。勘弁してよ…。・゚・(ノД`)・゚・

 冗談抜きで本当に当たらない。相手筆頭に推したダイワエルシエーロの勝ちが確定し、後はダンスインザムードが来るのを待つだけとなってからは本当に幸せだった。これで重賞予想が21連敗で止まるのかぁと感慨深げに見ていたが、肝心のダンスインザムードの手応えがおかしい。………。22連敗。

 結果論でも何でもなく、未知の距離に挑む一本被りの3歳牝馬をやすやすと軸にした時点で負け。競馬は大衆と同じ事をしていると永久に勝てない。目黒記念のアイポッパー、東海Sのベラージオといった押し出されたような人気馬は普通に切り捨てられるが、今回のダンスインザムードのようなミーハー人気馬だけは未だに切れない

 ダイワエルシエーロはクイーンCで手綱を抑えたままゴールするシーンが脳裏から離れなかった。あれを見て「オークスはこの馬で行ける!」と直感したが、桜花賞のダンスインザムードを見てあっさり軌道修正。クイーンCほどの衝撃は受けなかったとはいえ、武&藤沢&良血の誘惑にまんまと乗せられてしまった。今となっては直感を疎かにして一本被りの馬に浮気したことに後悔している

 桜花賞は輸送が無かったとはいえ、大外枠を引いて追走一杯。「桜花賞後、左前と右トモにハ行があったんです」という松田国師の発言からしてまともな状態に無かったのも事実。今回は1週前にビッシリ追って直前は軽く済ませ、長距離輸送を挟んでも増減なしという渾身の仕上げ。「前日に思いついた」という福永騎手の先行策にも頭が下がる。ペースが上がらなかったこともあり、向こう正面で先頭という常識破りの乗り方も奇策には映らなかった。それでも変わった勝ち方をしたのは明らかで、ダイワエルシエーロは近年のオークス馬とは違う魅力を秘めた馬だと思う。

 ダンスインザムードは14kg増はともかく、パドックでチャカついていたのが気になった。桜花賞で実際に見た時の雰囲気と明らかに違うことに不安を覚えたが、今から馬券を最構築しても遅いと観念して当初のフォーカスのまま買った。レースでは折り合いはついていたものの、直線は内へササりっぱなし。ウイングレットを交わし、周りに馬がいなくなってからは真っ直ぐ走っていたが、その頃には既に手応えは無かった。

 スイープトウショウはラスト100Mのところでダンスインザムードを並ぶ間もなく抜き去った。これまで負けた2戦がいずれも前が壁になったことで追い出しが遅れてのもので、決して力負けではなかったというのが狙えるポイントだった。客観データを交えての解釈とはいえ、「エンドスウィープ産駒に2,400Mは持たない」といったエセ血統論を振りかざしたのは失敗。

 ヤマニンアラバスタはゴール寸前でダンスインザムードを交わし、後ろを振り返りながら千切られたフラワーCでの屈辱を晴らした。デビューから続いていた馬体減に歯止めがかかり(2kg増)、ゴールまでしっかり追えたことが好走に繋がったように思う。ちなみにダンスインザムードはこの逆で、デビューから一貫して馬体重が増えており、今回で実に26kg増。これは藤沢和師がクラシックの調整経験に乏しい証拠。

 ヤマニンシュクルは当初の想定通り詰め切れず。前につけた馬に押し切られる展開では何度やっても勝てない。長く良い脚が使えるものの、ここ一番の決め手が無いので直線の長いコースはかえってマイナス。小回りコースで捲りをかけるというのが最大限に力を発揮できる条件のように思う。京都内回りコース使用の秋華賞は好走できそうである。

 アズマサンダースは位置取り・追い出しのタイミングは悪くなかったが、すぐ前にいたウイングレットに同じことをされてしまったことで追いかけるだけになっていたのは残念。また直線でダンスインザムードに体当たりされて怯んでしまったのも悔やまれる。すぐに立て直しを図ったものの、そこからは馬が走る気を失っていた。


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