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第65回優駿牝馬(GI)
2004年5月23日(Sun) 東京芝2,400M 3歳オープン 定量 (牝)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 スイープトウショウ 79 負けた2戦はいずれも不利。府中で真価問う。  
2 セカンドノホシ 75 前走差脚目立つも元々ムラ駆けするタイプで。  
2 3 ラグレスロマニー 67 ここはついて回るだけ。展開利あっても無理。  
4 ドルチェリモーネ 70 前走は早め捲り。溜めても切れる脚あり注目。  
3 5 ダンスインザムード 88 桜花賞は流して楽勝。ここも順当に勝ち抜け。
6 ヤマニンアラバスタ 76 上手く乗ったフラワーCで完敗。力不足否めず。  
4 7 ヤマニンシュクル 81 堅実だが他力本願な面あり。前崩れなら勝機。  
8 アズマサンダース 85 早め進出の利も直線伸びて相殺。ここ正念場。
5 9 ギミーシェルター 76 差脚強力もトライアル2着止まりの実力では。  
10 フレンチアイディア 69 レース振りにムラあり。仮に嵌っても足りない。  
6 11 メイショウオスカル 79 重賞制覇も相手手薄。時計・内容も共に平凡。  
12 ウイングレット 77 速力で押し切るレース主体。距離延長は不安。  
7 13 ダイワエルシエーロ 77 クイーンCの伸び脚評価。好位付けで侮れず。
14 マルカフローリアン 72 兄に似てジリ脚。上がり掛かっても苦しい。  
15 レイナシンフォニー 76 差脚一瞬。溜めていられるほど余裕は無く。  
8 16 グローリアスデイズ 79 詰める脚あるが交わせない。良くて善戦まで。  
17 レディインブラック 76 重賞になると途端に惨敗。地力足りないが…。
18 シルキーフレンド 54 未勝利を脱したばかり。幾らなんでも無理。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 桜花賞を見たら逆らう気にもなれない・姉と同枠で縁起良しダンスインザムード
■予想構築

 過去10年における優駿牝馬の傾向をまとめると以下のようになる。
  1. 過去10年のうち8年で桜花賞経由馬が連対している。延べ13連対(6勝)。
  2. 桜花賞とオークストライアルを共に使ってここで連対した馬は1頭のみと苦戦。
  3. 桜花賞未出走なら重賞若しくは1,800M以上いずれかの勝ち鞍必須。
  4. スイートピーS経由馬は延べ30頭が出走して3着すらなく、人気度合いに関わらず軽視可。
 1.より桜花賞からの大幅な距離延長は問題にならない。2.より出走馬のレベルやゆとりのローテーションを考えても桜花賞から直行が望ましい。3.より実績がなければ何らかの適性が欲しい。4.は「鉄則」。

 まず4.よりウイングレットギミーシェルターフレンチアイディアが消える。ギミーシェルターは2.と3にも引っ掛かる。3.からはセカンドノホシラグレスロマニーレイナシンフォニーが消える。この他では前走でオープンクラス以下を使っていた馬の連対例が無いことからマルカフローリアンシルキーフレンドも消える。

【種牡馬別芝2,000M超成績、平均勝利・連対距離(期間:'02年1月5日〜'04年5月22日)】
種牡馬 芝2,000M超成績(連対率) 平均勝利距離 平均連対距離
エンドスウィープ (未出走) 1433.3m 1414.8m
シンボリルドルフ 【2・3・2・36】(11.6%) 1830.8m 1884.0m
スペシャルウィーク 【2・2・0・9】(30.8%) 1800.0m 1806.9m
サンデーサイレンス 【44・45・35・349】(18.8%) 1730.9m 1749.6m
ゴールデンフェザント 【0・0・1・19】(0.0%) 1566.7m 1600.0m
トウカイテイオー 【7・4・7・43】(18.0%) 1801.9m 1802.0m
フジキセキ 【5・1・7・37】(12.0%) 1564.1m 1576.7m
タイキシャトル 【0・0・0・2】(0.0%) 1486.4m 1491.8m
ブライアンズタイム 【9・15・15・129】(14.3%) 1773.0m 1796.7m
マーベラスサンデー 【3・0・5・18】(11.5%) 1764.3m 1723.3m

 出走馬18頭のうち、サンデーサイレンスの直仔は半数の9頭。孫世代の3頭、母父の1頭を加えると実に13頭にサンデーサイレンスの血が流れている。毎年のようにクラシックで活躍するこの血脈に逆らうのは並大抵のことではない。

 客観データからして距離延長がマイナスと言えるのはエンドスウィープ産駒スイープトウショウ、タイキシャトル産駒ウイングレット、ゴールデンフェザント産駒ヤマニンアラバスタ。フジキセキ産駒メイショウオスカルも歓迎材料ではない。逆に距離延長が向いていると言えそうなのはスペシャルウィーク産駒ラグレスロマニー、トウカイテイオー産駒ヤマニンシュクル


以下は当日11:00に追加

【過去10年の馬体重別成績】
馬体重 着別度数 単勝率 連対率 複勝率
400〜419kg 【0・2・1・9】 0.0% 16.7% 25.0%
420〜439kg 【5・3・3・40】 9.8% 15.7% 21.6%
440〜459kg 【3・1・3・51】 5.2% 6.9% 12.1%
460〜479kg 【2・3・3・31】 5.1% 12.8% 20.5%
480kg以上 【0・1・0・16】 0.0% 7.1% 7.1%

 馬体重別に集計してみると、440kgを割り込む小柄な馬が5勝を挙げていることが分かる。昨年の勝ち馬スティルインラブも442kgでこれに近い。最重量での勝利は'97年メジロドーベルの472kgで、その後の6年は440kg未満かその前後の馬が勝っている。平均馬体重は連対馬443.9kg、勝ち馬440.0kg。この時期の牝馬にとっての2,400Mは長距離戦。「ステイヤーはスレンダー(細身)」という俗説とリンクする。


【二桁人気で連対した馬一覧】
年度(回) 馬名 前走 馬体重 成績 位置取り
'97年(第58回) ナナヨーウイング 忘れな草賞・3着 436kg(+2) 2着(13人気) 14-14-10-8
'02年(第63回) チャペルコンサート 桜花賞・7着 418kg(-2) 2着(12人気) 9-6-7-5
'03年(第64回) チューニー 桜花賞・12着 438kg(+2) 2着(13人気) 6-6-5-5

 穴を開けた馬はいずれも440kg以下の小柄な差し馬。ここ2年は桜花賞で見せ場が無かったサンデーサイレンス産駒が穴を開けている。この傾向からすると今年はダイワエルシエーロ(桜花賞7着・当時430kg)、レディインブラック(桜花賞10着・当時430kg)が穴馬となる可能性がある。


 軸はダンスインザムード。直線で後ろを振り返りながら勝ったフラワーC、4角で勝敗が決したと言っても過言ではない桜花賞の内容からして普通に強い。粗探しをするとすれば1番人気に推された桜花賞馬が【0・0・2・2】(0.0%)と勝てていないということ位。

 相手筆頭はダイワエルシエーロ。抜け出してから流す余裕があったクイーンCは「オークスはこの馬」と思わせるほどの走りだった。クイーンC連対→桜花賞敗退の流れは'00年2着エアデジャヴー、'01年1着ウメノファイバー、'03年2着チューニーと好走例が多い。

 単穴はアズマサンダース。チューリップ賞、桜花賞共にドンピシャの追い出しを決めながら惜敗。スパッと切れる脚は持たないが、とにかく追ってからバテないのが強み。距離延長で苦しむ他馬を尻目に再度押し切るシーンが想定できる。

 連下はレディインブラック。「桜花賞で見せ場が無かった小柄なサンデーサイレンス産駒がオークスで劇走する」という近年の傾向にピッタリ嵌る。ただ共同通信杯のパドックを見る限りでは気性は悪く、長距離での折り合いに疑問を残す。落ち着いていればかなり面白そう。

 ヤマニンシュクルはアズマサンダースが唯一連対を逃した阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬。乱戦になれば有利。裏返せば展開に左右されるタイプで、正攻法ではまた良い脚を使いながら3着止まりとなる可能性が高い。

◎ダンスインザムード
○ダイワエルシエーロ
▲アズマサンダース
△レディインブラック


■馬券構築

 ダンスインザムードから馬複流し。前日まで連下としていたヤマニンシュクルは配当妙味を考慮して消す。クイーンCでの直感を大事にして馬単ダイワ→ダンスを抑える。

[馬複] ダンスインザムード−ダイワエルシエーロ 40%
[馬複] ダンスインザムード−アズマサンダース 30%
[馬複] ダンスインザムード−レディインブラック 20%
[馬単] ダイワエルシエーロ→ダンスインザムード 10%


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