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第128回天皇賞・秋(GI)
2003年11月2日(Sun) 東京芝2,000M 3歳以上オープン 定量 (牡・牝)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 8 18 シンボリクリスエス 牡4 58.0kg O.ペリエ 1.58.0 (レコード) 534kg(+10) 1
2 4 7 ツルマルボーイ 牡5 58.0kg 横山典弘 1.58.2 1 1/2 460kg(+2) 5
3   2 4 テンザンセイザ 牡5 58.0kg 藤田伸二 1.58.4 1 1/2 482kg(+2) 10
4   1 2 エイシンプレストン 牡6 58.0kg 福永祐一 1.58.5 1/2 480kg(-6) 3
5   6 12 カンファーベスト 牡4 58.0kg 安藤勝己 1.58.6 1/2 466kg(0) 8
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.5 - 10.9 - 10.5 - 11.1 - 11.9 - 11.8 - 12.2 - 12.0 - 13.2 - 11.9
上がり 4F 49.3 - 3F 37.1
2コーナー (*5,13)=3-12-(2,4,15)18,1(11,16)(8,17)9(6,10,14)=7
3コーナー 5,13=3-12(2,4)15(1,16,18)(8,11)(10,17)(6,9,14)7
4コーナー 5-13=3-(12,2)4(1,18,15)16(8,10,11,17,14)(6,9)7

■レース回顧 レコードで秋天連覇・再び現役最強宣言シンボリクリスエス!
■レース解説

 ローエングリンがスムーズに先手を奪う。外からゴーステディが出鞭をくれて加わるもローエングリンは譲らず、この2頭が後続を離して逃げる。以下3〜5馬身間隔でトーセンダンディ、カンファーベスト、エイシンプレストン等と続く。シンボリクリスエスは中団馬群の外を追走。ツルマルボーイは最後方に構える。向こう正面半ばを過ぎたところで前の2頭は3番手以下に10馬身以上をつける大逃げ。4コーナーを回ってゴーステディが沈没する中、ローエングリン先頭で直線に向く。残り300Mを通過したあたりから後続各馬が雪崩れ込んでくる。坂を駆け上がったところで一杯になったローエングリンをシンボリクリスエスが勢い良く交わし、完全に抜け出す。大外から突っ込んできたツルマルボーイを難無く退け快勝。


■レース回顧

 馬複○−▲(10%)的中。予想は完全にハズレ。休み明け同士のワンツーはキツイ…。(-_-)

 混戦ムードが漂う時は得てして人気サイドで収まるもので、ここもディフェンディング・チャンピオンのシンボリクリスエスがあっさり勝ってしまった。この馬の懸念要素は休み明けというだけで、昨年の実績を鑑みればとても切れる馬では無かった。スタート直後に最初のコーナーを迎える従来のコース形態に改修の手が加えられた現状において、従来から指摘されている外枠不利は敬遠する根拠にはなり得ないということもハッキリした。

 ローエングリンはゴーステディにハナを譲らず、2頭で大逃げを実演。1,000M通過56秒9はあのサイレンススズカ(57秒4)より速い。こんなペースで残れるはずがない。ムーラン・ド・ロンシャン賞の善戦で先手を奪えば残るというイメージが後藤騎手の頭に強くあったのかもしれない。安田記念の結果からして、控えたところで後続を凌ぎ切ることに不安があったことから、勝ちを意識した騎乗は評価しておきたい。

 ツルマルボーイはまた2着。勝ちを意識するというよりは、その馬のアベレージを最大限に引き出すことに長けているのがヨコテン(横山典弘騎手)であり、今回もスタート直後から最後方に下げるなどその計算高さが見て取れた。当然ヨコテン自身も勝ちに来ているのだが、前述の後藤騎手の乗り方と比較するとどうしても戦術的なものを感じてしまう。

 軸馬トーホウシデンは一杯になったローエングリンを交わすことすら出来ない完敗。スタート直後から好位をキープし揉まれず追走出来ていたものの、4コーナー過ぎから前に取り付いていくところで非力さが出てしまった。追う度に伸びた毎日王冠でのレース振りとは対照的に、本当に何も出来ないまま終了。手も足も出ないとはまさにこのこと。

 穴で注目したトニービン産駒ではダービーレグノではなくテンザンセイザのほうが上位に来た。毎日王冠ではアベレージに徹するヨコテンが跨り、上がり最速34秒5の末脚を繰り出して勝ち馬バランスオブゲームから0秒5差の5着。2着トーホウシデンとは0秒1差、3着エイシンプレストンとはアタマ+クビ差。2着以下が大差無かった毎日王冠において、テンザンセイザもまた過少に評価されていた1頭だった。

 しかし藤田騎手の追い方は凄い。残り300Mを切ったところから鞭をひたすら連打。数えてみると連続で28発の鞭が飛んでいた。藤田騎手曰く「今日は乗りやすかった。まだトモがしっかりしていないし、頼りないところがある」らしい。私がテンザンセイザなら次から藤田騎手を見ただけで震えます。(^-^;)

 エイシンプレストンはテンザンセイザに競り負ける形で4着に敗退。福永騎手は「さすがにレコード決着だと厳しいです。頑張っているし、直線に向いたときはイケるかもと思ったけど、勝ちきるまではキツイ。香港では2分2〜3秒で走っている馬ですから」とコメント。マイルなら1分33秒を切る決着にも対応出来るが、それ以上の距離になると距離そのものにではなく時計面に不安が出るらしい。

 カンファーベストはデビュー以来掲示板を外したことの無い超堅実派で、前走から更に相手が強化された今回も掲示板入り(5着)を果たした。安藤騎手は「もっと接戦になれば耳を絞って根性を出すのですが、直線でバラけてしまいましたから」とコメント。相手なりに走る馬で、いかなる場面においても連下程度のマークは必要。同様の傾向を持つウインブレイズよりは強い。


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