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第64回菊花賞(GI) 2003年10月26日(Sun) 京都芝3,000M 3歳オープン 馬齢 (牡・牝)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | 4 | 8 | ザッツザプレンティ | 牡3 | 57.0kg | 安藤勝己 | 3.04.8 | − | 492kg(0) | 5 | |
2 | 1 | 2 | リンカーン | 牡3 | 57.0kg | 横山典弘 | 3.04.9 | 3/4 | 466kg(0) | 4 | |
3 | ◎ | 8 | 17 | ネオユニヴァース | 牡3 | 57.0kg | M.デムーロ | 3.05.0 | クビ | 492kg(+2) | 1 |
4 | ○ | 2 | 4 | ゼンノロブロイ | 牡3 | 57.0kg | O.ペリエ | 3.05.3 | 2 | 494kg(+2) | 2 |
5 | 8 | 18 | マッキーマックス | 牡3 | 57.0kg | 藤田伸二 | 3.05.4 | 1/2 | 482kg(-16) | 8 |
■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良) |
ハロンタイム 13.0 - 11.1 - 11.7 - 12.7 - 12.1 - 12.2 - 13.0 - 13.0 - 12.7 - 12.8 - 12.9 - 11.8 - 11.5 - 12.0 - 12.3 上がり 4F 47.6 - 3F 35.8 1コーナー (*12,14)-1-(3,11)-(5,4)-(2,8)(16,9)(10,17)18,15(6,13)-7 2コーナー (*12,14)-1-(3,11)(5,4)-2,8,16,9(10,17)-18-15(6,13)-7 3コーナー(2周目) (*12,14)(1,8)3(5,11,16,17)(4,18)(2,9,7)13,10,15, 4コーナー(2周目) 8(12,16,17)18,14(3,5,1,13)(4,2)(11,7)(10,9,15,6) |
■レース回顧 ロングスパートで二冠馬を完封・親子二代で菊制覇ザッツザプレンティ! |
■レース解説 サウスポールが先手を窺うも、外から押してシルクチャンピオンがハナを奪う。マイネルダオス、テイエムテンライもこれに続く。以下ニシノシンフォニー、サウスポールと続く。ゼンノロブロイは先行集団の直後につける。ザッツザプレンティ、リンカーンを挟んでネオユニヴァースは中団後方、これを見る形でサクラプレジデントが控える。向こう正面中間を過ぎ、ザッツザプレンティがじわじわ進出。これに合わせてネオユニヴァースも先団に取り付いていく。2周目の丘の下りからマッキーマックス、チャクラらも動き出す。直線に向いたところでザッツザプレンティが先頭。直後まで押し上げたネオユニヴァースがこれを捉えにかかる。しかし1馬身差まで詰め寄るのが精一杯でそれより前に行けない。ネオユニヴァースの脚が僅かに鈍ったところへ外からリンカーンが強襲。ザッツザプレンティが押し切る。 ■レース回顧 ハズレ。春先の人気馬同士のワンツー。なのに両方無印ってどういうこと?(;´Д`) ザッツザプレンティは3コーナー手前からのロングスパートで決め手不足を見事に補った。内からネオユニヴァース、外からサクラプレジデントに挟まれ、なすすべなく交わされた皐月賞の結果からして追い比べではキツイと思っていたが、距離が伸びて良い素材であることを軽んじていた。4角先頭から押し切った内容は秀逸。抑えた相手が二冠馬というのだから価値がある。 ザッツザプレンティは父ダンスインザダークに続く親子二代の菊花賞制覇、サンデーサイレンスの孫世代による初GI制覇となった。鞍上の安藤勝己騎手はクラシック初制覇。橋口師はダンスインザダーク以来のGI勝ち。というか、そんなに勝てていなかった(2着ばかりだった)のか…。ネオユニヴァースの三冠制覇は夢に消えたが、その一方で栄冠を掴んだザッツザプレンティ陣営の皆様、おめでとうございます。 ネオユニヴァースは前でザッツザプレンティが動くのを見て追撃に入った。こちらは特段仕掛けを早める必要は無く、明らかに勝ちに行った乗り方。それでも余力を残しながら直線に向いた時は三冠なったかと思ったが、先に抜け出たザッツザプレンティとの差が一向に詰まらない。いわゆる完敗。今回は勝った馬が強かったとしか言えない。 ゼンノロブロイは勝負どころで身動きが取れず追い出しが遅れていた。3コーナー手前で外からザッツザプレンティ、ネオユニヴァースが交わしていくのを黙って見ているしかなかった位置取りに収まるとはおおよそ名手ペリエらしくない。馬群がバラけてからは力のあるところを見せたが後の祭り。 リンカーンはゴール前で脚色が鈍ったネオユニヴァースを差して2着。長距離戦らしく向こう正面でスローになったこと、道中ラチ沿いを進みながら4コーナー出口で馬群の切れ目に上手く入り込めたことが好走の要因か。ヨコテン(横山典弘騎手)は大レースでの仕掛け所を熟知しているが、その殆ど(というか全て?)が差して届かずなのはご愛嬌。 ヴィータローザはネオユニヴァースと並んで上がっていったが、4コーナー出口で手綱が激しく動き始め、ネオユニヴァースがザッツザプレンティの追撃に入った時点でついていけなくなった。父サンデーサイレンス×母父Lyphard系の血統背景は総じてキレ味に優れる配合で、追いかけていく競馬は不向き。裏街道で勝ち味を覚えても、表舞台を歩んできた馬に通用しなかったのはちょっと残念。 サクラプレジデントは神戸新聞杯の捲りとは一転して後方待機を決め込む作戦に出たが、直線は内にモタれっぱなしでまともに追えず。折り合い面の不安は解消されつつあるが、やはり長距離だと苦しいようである。中距離一本に絞ればそこそこやっていけるのではないだろうか。とはいえ、個人的には捲る脚が生かせそうな有馬記念で好走を期待していたりする。 1勝馬ということで敬遠したマッキーマックスとチャクラはそれぞれ5着、6着に健闘。特にマッキーマックスは3コーナー下りから動いての入着で価値がある。まだキャリアが浅くこれからの馬。チャクラは直線一気にかけたほうが良いタイプ。3コーナー過ぎから殆どの馬が仕掛けに移る力勝負では分が悪い。馬の力を信じて目一杯追う感のある後藤騎手よりもコバテツ(小林徹弥騎手)の方が手が合うと思う。 マーブルチーフはスタート直後に他馬に挟まれ後退し、後方からの競馬を強いられた時点でアウト。3コーナー下りでは前が固まりすぎて捲りがかけられず、仕方無しに大外に振るも目立った伸びは無し。スムーズに外を捲れそうな時に一発がありそう。とにかく「二桁人気の時しか来ない」と言わしめるほどのムラ馬なので常にマークしておく必要がある。 |