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第8回NHKマイルC(GI) 2003年5月11日(Sun) 東京芝1,600M 3歳オープン 定量 (牡・牝)(混)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | ▲ | 8 | 16 | ウインクリューガー | 牡3 | 56.0kg | 武幸四郎 | 1.34.2 | − | 468kg(-6) | 9 |
2 | ◎ | 2 | 3 | エイシンツルギザン | 牡3 | 56.0kg | 横山典弘 | 1.34.4 | 1 1/4 | 484kg(-4) | 5 |
3 | 5 | 9 | マイネルモルゲン | 牡3 | 56.0kg | 柴田善臣 | 1.34.5 | 3/4 | 446kg(0) | 6 | |
4 | 6 | 11 | ユートピア | 牡3 | 56.0kg | 安藤勝己 | 1.34.6 | クビ | 464kg(-2) | 4 | |
5 | 8 | 17 | エースインザレース | 牡3 | 56.0kg | 池添謙一 | 1.34.7 | 3/4 | 528kg(0) | 16 |
■各種レース指標 (天候:小雨、馬場:良) |
ハロンタイム 12.0 - 10.9 - 11.2 - 11.7 - 12.0 - 11.6 - 12.1 - 12.7 上がり 4F 48.4 - 3F 36.4 3コーナー 17-(7,16)-(8,6)(2,14)(11,9)(3,18)5,15(1,10)13,4,12 4コーナー 17-16-7,8,6(11,2,14)9(3,18)(5,15)(1,10,13)(4,12) |
■レース回顧 マイル王の父に捧ぐ初GI・得意のマイルで能力全開ウインクリューガー! |
■レース解説 外からエースインザレースがギャラントアローを制してハナに立つ。ギャラントアローに並ぶ形でウインクリューガー、1馬身離れてサクラタイリン、ユートピア、ヒューマと追走。エイシンツルギザンは中団、ゴールデンキャストは最後方待機。中団以降が落ち着き、隊列は完全な縦長。エースインザレース、ウインクリューガー、ギャラントアローが2・3馬身間隔で並び、後続を離した状態のまま直線に向く。ギャラントアローは馬群に呑まれたものの、エースインザレース、ウインクリューガーが完全に抜け出る。坂を登ったところでウインクリューガーが脚色の鈍ったエースインザレースを交わして先頭へ。後続集団からはラスト200Mでようやくエイシンツルギザンが急追したがウインクリューガーには及ばず。 ■レース回顧 馬複▲−◎(20%)的中。今度こそ正真正銘の万馬券(σ・∀・)σゲッツ! いつも通りのデータ予想で万馬券的中。何も難解なデータを引っ張ってきた訳ではなく、ただ単に「過去7年の連対馬14頭全てにマイル以上の距離実績があり、13頭に勝ち鞍がある」という客観データに即しただけ。今回は条件にそぐわない馬が人気を集め、条件に適合する馬が人気薄だった。得てして本命寄りの予想になりやすいデータ予想が今回ばかりは「大衆の論理」の裏を突いた。 レースは完全な縦長。前につけたエースインザレースとウインクリューガーはかなり楽をさせてもらっていた。後方勢は完全に落ち着いて直線での追い出しに賭けていたようだが、エイシンツルギザンとマイネルモルゲンがゴール寸前でようやく差してきた位で他は壊滅状態。数字の上ではテン34秒1−上がり36秒4という典型的な前傾ラップの地力勝負(バテずにどれだけ喰らいついていけるか)を示しているが、実態は行った者勝ちという妙な結果になった。 ウインクリューガーは前走の負けが気になったが、それだけの理由で切るには惜しいほど人気が無かった。マイルでアーリントンC勝ちを含む2勝を挙げており、白梅賞でネオユニヴァースに0秒1差(3位入線後5着降着)まで迫った能力はこの相手では明らかに格上。その意味では今回除外されたものの、白梅賞2着のハッピートゥモローも出ていれば面白かったのではないだろうか。 エイシンツルギザンは陣営も前走連闘後の反動を心配していたようだが、最終追い切りで併せ馬をしているのをみて勝負になると確信。本当に体調が優れないのなら単走追いで馬を労わるはず。レースでは見込み通りの中団差しが決まった。やはり横山典弘騎手はこのレースの仕掛けどころを熟知している。「距離実績ある横山典弘騎手騎乗馬」は買いの一手。 マイネルモルゲンの3着はちょっと意外だった。単騎逃げ以外では勝負にならないと思っていたが、デイリー杯2歳Sで差して3着というのがあることを考えるとあながち無視は出来なかったということか。勿論、距離実績は充足していた。 ユートピアは距離実績や臨戦過程には何ら問題は無かったが、前走で単騎逃げをさせてもらった後というのがどうしても気になった。これは今回ブービーに終わったギャラントアローにも当てはまる。逃げて差された馬が控えて差せるかどうかを考えて見送ったが、レースでは懸念していた通り、テンの速さに順応できずいつもより後方の位置取りを強いられていた。 サクラタイリンはラストで脚が上がって6着。結局は叩いてどこまで変わるか、という期待だけが空回りした感じ。連闘後の馬と叩き2戦目の馬なら後者が有利と思い込むのは至極当然のことではあるが、それだけで優劣を決めてしまうのはどうか。能力面ではエイシンツルギザンが上であることは前走内容を見れば明らか。調子はレースを見るまで分からないが、レース結果は揺るがし様がないわけで。 ヒューマはスタートしてから暫くは前にいたが、徐々にポジションを下げて直線は全く伸びず9着。藤田騎手は「今までパンパンの馬場でしか走っていないだけに軟らかい馬場が響いた。距離が敗因ではない。」とコメントしているが、レースを見る限りでは距離の壁を思わせるような負け方。近親がピルサドスキー、ファインモーションだから距離もこなせるというのは明らかな詭弁。このレースで問われているのは「既に距離実績があるかどうか」ということに尽きる。 ゴールデンキャストは最後方から追い込み届かず11着。スローの追い比べならまだやれそうだが、地力勝負の東京マイルではキツい。上がり34秒6は今回もエイシンツルギザン(34秒7)を抑えての1位で、相変わらず末脚だけならNo.1。武豊騎手は「じっくり脚をためた割に伸びなかった。勝ち馬とは、馬も人も同じ父なんだけど…」とコメント。う〜ん、1度ならず2度までも同じ負け方をしているのに今回も脚を溜めたのですか。中団から競馬を進めれば怖いかも、と思っていたがとんだ杞憂だった。 |