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第33回高松宮記念(GI)
2003年3月30日(Sun) 中京芝1,200M 4歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1   1 1 ビリーヴ 牝5 55.0kg 安藤勝己 1.08.1 472kg(-2) 3
2 8 18 サニングデール 牡4 57.0kg 福永祐一 1.08.3 1 446kg(-4) 2
3   7 15 リキアイタイカン 牡5 57.0kg 武幸四郎 1.08.5 1 1/4 492kg(-8) 10
4   2 4 テイエムサンデー 牡7 57.0kg 秋山真一郎 1.08.5 クビ 498kg(-2) 7
5   4 7 ゴールデンロドリゴ 牡6 57.0kg 佐藤哲三 1.08.5 アタマ 498kg(-2) 11
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 11.9 - 10.3 - 10.7 - 11.2 - 11.9 - 12.1
上がり 4F 45.9 - 3F 35.2
3コーナー 2,11(1,12)(3,14)-(6,10,18)(9,17)(4,13,15)(7,8,16)5
4コーナー 2(1,11)12(3,14)-(10,18)(6,9,17)(4,13,15)(7,8,16)5

■レース回顧 好位付けで華麗な変わり身・ビリーヴがスプリントGI秋春連覇!
■レース解説

 大外サニングデールが好スタート。戦前の予想通りダッシュを生かしてショウナンカンプが楽な手応えで先頭へ。エコーエディ、マンデームスメが半馬身差でこれを追う。ビリーヴも内一杯の位置でショウナンカンプの直後をマーク。外からもカフェボストニアン、ナムラマイカが追走。サニングデールはこれらを見ながら中団待機。3〜4コーナーで馬群が凝縮。4コーナー出口でショウナンカンプのすぐ外につけたビリーヴがそのまま並びかけてデッドヒートに持ち込む。暫しの競り合いでビリーヴが前に出るとショウナンカンプは失速。代わって外から抜群の手応えでサニングデールが迫るが、ビリーヴがこれを1馬身凌いでゴール。


■レース回顧

 紐抜けハズレ。人気を落とした実力馬ほど怖いものは無いです。(>_<)

 「GI馬2頭のデッドヒート」と言えば聞こえはいいが、実際はビリーヴの一人勝ち。ショウナンカンプにはビリーヴから逃れるために懸命の鞭が飛ぶ。そんなショウナンカンプの横では手綱をしっかり握っていつでも発進OKのビリーヴがいた。ショウナンカンプのスピードが落ちた次の瞬間、ビリーヴの鞍上・安藤騎手は猛然とラストスパート。一瞬にして差が開いていく。「擬似的」な競り合いに屈したショウナンカンプを待っていたのは怒涛の如く押し寄せる後続馬の波。競馬って時として世知辛い。

 軸馬サニングデールは小回りコースで不利な大外枠を見事に克服。スタートから好位につけることに専念したこともあって終始十分な手応えを残していた。3戦全勝の中京コースでコーナリングもスムーズ。それでもGI馬2頭に先に抜け出られてしまったのは痛恨。ビリーヴとは枠順の差が出たといっても過言では無いような気がする。その位サニングデールは成長している。秋のスプリント王有力候補。

 スムーズにハナを奪えた上に前年と殆ど同じラップ構成。それでもショウナンカンプはアッサリと馬群に沈んだ。人気の逃げ馬という「見えない重圧」に押し潰されたかのような敗戦。今回は前の集団とそれ以外がくっきり分かれるほどの徹底マークに遭っていた。直線に向いたところでビリーヴを射程圏内に入れてしまっては勝てるはずも無い。

 一方で調子の維持が明暗を分けたレースでもあった。香港の同じレースで惨敗したショウナンカンプとビリーヴ。国内復帰初戦の阪急杯ではショウナンカンプ快勝、ビリーヴ完敗。ビリーヴはゲート入りを激しく嫌がって一時は前扉を開いて飛び出してしまうほど気乗りも悪かった。しかしその後は1週間前追い切りで栗東坂路4F49秒8の自己ベストをマークするなど状態が一変。ショウナンカンプも同じく1週間前追い切りで軽いハミ掛けで好時計をキープし続けていたが、前走の翌週に疲れを取っただけで現状維持が最大の焦点としていた調教だった。

 一般に前走間隔が短ければ短いほど立て直しが難しいとされるが、叩いた後の一変の予兆、現状維持の意外な難しさも考慮に入れるべきかもしれない。GIともなれば陣営も力を入れて当然。直前だけではなく中間も含めた調整過程の確認も怠らないようにしたい。


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