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第25回マイルチャンピオンシップ(GI)
2008年11月23日(Sun) 京都芝1,600M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 ローレルゲレイロ 90 水曜栗東坂路一番時計。叩き2戦目で上積み大。
2 ファイングレイン 91 復調気配も劇的変化は無し。距離もこなす程度。  
2 3 スズカフェニックス 91 出遅れて届かずの繰り返し。兎に角スタート次第。  
4 マイネルレーニア 92 佐藤騎手+逃げで3戦全勝。距離延長でも注目。
3 5 ジョリーダンス 90 今回初ブリンカー。消耗戦なら相対的に浮上も。  
6 ショウナンアルバ 89 溜めて切れ味発揮。ただ勝ち切るまでは苦しい。  
4 7 ブルーメンブラット 93 Vマイルでウオッカと僅差。末脚はここでも通用。
8 アドマイヤスバル 90 初めての芝でGI挑戦は無謀。付いて回るだけ。  
5 9 マルカシェンク 91 良くも悪くも瞬発力だけ。力勝負だと分が悪い。  
10 ラーイズアトーニー 速い時計の裏付け無し。GI勝ちもアテに出来ず。  
6 11 リザーブカード 92 前走は窮屈な競馬。巻き返したいが相手強化。  
12 キストゥヘヴン 91 今年に入って堅調。但し今回は実績乏しい京都。  
7 13 サイレントプライド 92 押し切る競馬で連勝。時計だけなら互角の勝負。
14 コンゴウリキシオー 90 逃げ脚は健在でも直線に向いてからの粘り皆無。  
15 スマイルジャック 89 掛かるだけに距離短縮歓迎。古馬相手がどうか。  
8 16 カンパニー 98 前走惜敗とはいえ決め打ちの範疇。過信禁物。  
17 スーパーホーネット 97 前走下した相手が後の天皇賞馬。この相手なら。
18 エイシンドーバー 92 一度叩いた割に稽古冴えず。変わり身は期待薄。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 最強馬を倒した自負がある・頂点を極める時来たりスーパーホーネット
■予想構築

 先々週、netkeiba.comを見ていて「矢作芳人調教師の著書が話題に」という記事に目が留まった。本のタイトルは「開成調教師」。早速本屋に行って購入。巻頭に踊る看板馬スーパーホーネットの初重賞勝利('07年スワンS)の表彰式に臨む矢作師の表情が何とも嬉しそう。内容はまずそのスーパーホーネットについて書かれていた。

 矢作師は先週の福島競馬において通算100勝を史上最速で達成。「安馬を激走に導く厩舎マネジメント」という副題が示す通り、昨今栄華を極める社台グループの依存度が低い中での達成。雑草魂とかではないだろうが、これだけの成績を挙げているのだからさぞかし特別なことをやっているのだろうと思って読んでいたのだが、実はそうでもなかった。

 何はともあれセオリー重視、そこから臨機応変に対応していく。というのが矢作師の根底にある考え。セオリーとは基本であり、レースで結果を出す為に取って然るべき行動なのだが、実際はこれがなおざりになっている。矢作厩舎では工夫を交えた上できちんと行われている。結果が出ているのが何よりの証拠。調教師の仕事についても詳しく知ることが出来た。詳しくは本書にて。

 で、今回のマイルチャンピオンシップ。軸は勿論スーパーホーネット。毎日王冠で今や現役最強馬と言ってしまっても過言ではないウオッカを負かした馬。前過ぎず後ろ過ぎずの位置取りから上がり3ハロン33秒台の脚が使えるのが大きい。毎日王冠時が栗東DW6F80秒2−1F13秒4、今回は栗東DW6F80秒0−1F12秒1と稽古も上々。正直言って負ける要素が見当たらない。

 ブルーメンブラットはヴィクトリアマイルでウオッカにハナ差。この枠なら外に振られる心配もないだろうし、馬群の捌きも前走を見る限り問題無し。カンパニーは前走でウオッカにハナ+クビ+ハナ差。しかし前半の乗られ方がいかにも決め打ちで、勝ちに行った3頭と同等に評価するのはちょっとおこがましい。今週の追い切りもテンから飛ばしたとはいえラストは頭を上げて苦しそうだった(栗東坂路4F52秒0−1F14秒2)。レコード決着の反動があるとみて消し。

 スワンS組は綺麗に内側に集結。前で競馬を進めるローレルゲレイロとマイネルレーニアにとっては好枠。ローレルゲレイロは稽古駆けする馬なので一番時計自体はどうでもいい。むしろ今年に入ってから前につけて上がり3ハロン34秒台でまとめている辺りに成長を感じる。マイネルレーニアは距離が不安視されて今回も人気薄。勝っても人気が出ないなんて素晴らしい。'03年のギャラントアロー(スワンSを11人気で逃げ切って1着、マイルCSでも10人気で逃げ粘って3着)と同じ匂いがする。

 このレースは前哨戦に位置付けられたスワンSや富士Sを経由した馬が今一つ。スワンS組はまだ3着に来る(過去10年で2着1回3着6回)だけマシ。富士S組はマイル戦となった'00年以降の勝ち馬8頭が全滅するなど散々('00年2着ダイタクリーヴァは富士S3着、'02年1着トウカイポイントは富士S5着)。また過去10年においてはGI初出走で連対した馬はいない。ここまで書くとサイレントプライドは用無しという結論になってしまうのだが、マイル重賞連勝中にしては人気が無いので黙って抑える。

 スズカフェニックスは力は衰えていないのだが、毎回毎回出遅れ過ぎ。道中で追い上げるのに無駄な脚を使って、いいところまで詰めて結局届かず。次こそは、次こそは…でもう何回出遅れてる(=負けてる)の?いい加減にしてくれってことでスッパリ消し。ファイングレインは終い重点の追い切りで変わり身をアピールしているようだが、他の馬が6ハロン目から速い時計を出している中にあって迫力不足。スプリント戦なら抑えるだろうが…。

◎スーパーホーネット
○ブルーメンブラット
▲ローレルゲレイロ
△サイレントプライド
☆マイネルレーニア


■参考レース (レース名をクリックすると別窓でレース回顧を開きます)
■馬券構築

 スーパーホーネット1着固定+ブルーメンブラット2着固定の3連単と2頭軸の3連複流し。

[3連単] スーパーホーネット→ブルーメンブラット→ローレルゲレイロ 10%
[3連単] スーパーホーネット→ブルーメンブラット→サイレントプライド 10%
[3連単] スーパーホーネット→ブルーメンブラット→マイネルレーニア 10%
[3連複] スーパーホーネット−ブルーメンブラット−ローレルゲレイロ 30%
[3連複] スーパーホーネット−ブルーメンブラット−サイレントプライド 20%
[3連複] スーパーホーネット−ブルーメンブラット−マイネルレーニア 20%


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