HOME > 重賞展望 > 第40回函館2歳S

第40回函館2歳S(JpnIII)
2008年8月10日(Sun) 函館芝1,200M 2歳オープン 馬齢 (混)(特指)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 サダムテンジン 87 前走で既に一杯の競馬。上積みに期待出来ず。  
2 2 アイアムカミノマゴ 88 団子状態から抜け切ったのは評価。問題は芝。  
3 アイアンデューク 84 4角前詰まりながら外から差し切る。所々荒削り。
3 4 コパノマユチャン 91 前走行き場失くす不利。後遺症無ければいいが。  
5 ベルシャルル 90 ゲートセンス抜群。ただ同型集結の今回苦しい。  
4 6 シシャモチャン 85 4角フリーなら逃げ切って当然。上がり要し過ぎ。  
7 ナムラミーティア 93 外からなで斬り2連勝。使い詰めだけに余力次第。
5 8 バイラオーラ 83 直線外に持ち出して差し切る。但し今回斤量増。  
9 ディーズハイビガー 87 道中適度に競って押し切り。渋太さは認めたい。
6 10 メジロチャンプ 85 落ち着いた競馬が印象的。時計詰める余裕あり。
11 ヒシアカデミー 87 前走よくある行った行った。ここで先手は厳しい。  
7 12 フィフスペトル 84 2番手から楽勝もスロー嵌った感。斤量も増える。  
13 ルシュクル 88 内で流れに乗れた分の勝利。攻め強化を好感。
8 14 ケイアイジンジン 94 好位付け嵌るもラスト失速。引き続き苦戦免れず。  
15 ラインブラッド 85 前に競らせて差し切る。上がり要すなら出番も。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 使い詰めでも弱音は吐かない・現状維持で十分勝ち負けナムラミーティア
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【上位馬の位置取り(過去10年)】
年度(回) 頭数 1着 2着 3着
'98年(第30回) 16頭 (4-4)先 (8-6) (6-6)
'99年(第31回) 14頭 (2-2)先 (1-1) (9-5)
'00年(第32回) 11頭 (2-2)先 (6-6) (1-1)
'01年(第33回) 13頭 (6-5) (9-2) (3-5)
'02年(第34回) 15頭 (5-2)先 (1-1) (7-7)
'03年(第35回) 14頭 (5-4) (5-2)先 (11-10)
'04年(第36回) 16頭 (2-2)先 (5-2)先 (2-2)先
'05年(第37回) 11頭 (3-3)先 (5-3)先 (2-2)先
'06年(第38回) 15頭 (7-4) (2-1)先 (3-2)先
'07年(第39回) 11頭 (2-2)先 (10-10) (11-10)

 函館2歳Sでは今のところ逃げ切り勝ちが無い。過去10年、前走で逃げ切り勝ちを収めた馬は38頭いるが、函館2歳Sでも逃げて連対した馬は'99年2着テネシーガールしかいない('02年2着トーホウアスカは前走阪神ダート1,200Mにおいて通過順2-2から1秒0差勝利)。どれだけ快速を効かせても、それをマークした馬に交わされるというのがパターン化している。


【上位馬の前走距離・位置取り(過去10年)】
年度(回) 1着 2着 3着
'98年(第30回) 函芝10[+0.2] (1-1) 函芝12[+0.9] (3-4)先 函芝12[+0.2] (3-2)先
'99年(第31回) 函芝12[+0.2] (7-7) 函芝10[+0.6] (1-1) 函芝12[-0.2] (4-4)先
'00年(第32回) 函芝12[-0.1] (5-2)先 函芝12[+1.0] (4-4)先 函芝10[+0.4] (1-1)
'01年(第33回) 函芝12[+0.2] (2-2)先 函芝10[+0.2] (6-4)先 函ダ10[+0.2] (2-2)先
'02年(第34回) 函芝10[+0.9] (2-2)先 阪ダ12[+1.0] (2-2)先 函芝12[-0.0] (2-2)先
'03年(第35回) 函芝12[+0.7] (5-4) 函芝12[-0.3] (4-2)先 函芝12[+0.2] (2-2)先
'04年(第36回) 函芝10[+0.5] (2-2)先 函芝12[+1.9] (1-1) 函芝12[+1.6] (4-2)先
'05年(第37回) 函芝12[+0.2] (3-3)先 函芝12[+0.8] (1-1) 函芝12[+0.6] (3-1)先
'06年(第38回) 函芝12[+0.1] (4-4)先 函芝12[-0.3] (2-2)先 新芝12[+0.1] (2-2)先
'07年(第39回) 函芝12[+0.0] (4-2)先 函芝12[+0.4] (4-2)先 函芝12[+0.3] (2-2)先
※芝10は芝1,000M、[+0.8]は0秒8差勝ち、[-0.2]は0秒2差負け。以下同様。

 冒頭で述べた事を裏付けるかの如く、近年は前走で控える競馬を実践した馬が上位を独占している('98年1着リザーブユアハートはここで好位付けに切り替えて連対した稀な例)。但し控えるにしても勝ち負けに加わっていることが前提で、前走勝利かラベンダー賞経由は必須。ちなみに理想ステップは1回函館デビュー直行(9連対)か2回函館ラベンダー賞経由(6連対)。


【3人気以上に推された関東馬の成績一覧(過去10年)】
年度(回) 馬名 前走 着順(人気)
'98年(第30回) ノボマーチャン 函芝10[+0.6] (2-2)先 10着(3人気)
'99年(第31回) マイネルコンドル 函芝12[+0.1] (3-3)先 13着(3人気)
'00年(第32回) タカラサイレンス 函芝12[+0.4] (11-7) 5着(2人気)
'01年(第33回) オメガスターライト 函芝10[+0.1] (3-3)先 4着(2人気)
'02年(第34回) サマーオブキングス 函芝12[+0.1] (4-4)先 8着(1人気)
'03年(第35回) ナムラビッグタイム 函芝12[+0.3] (1-1) 5着(1人気)
'05年(第37回) アドマイヤカリブ 函芝12[+0.6] (3-1)先 3着(1人気)
'07年(第39回) エイブルベガ 函芝12[+0.7] (1-1) 6着(1人気)
ルミナリエ 函芝12[-0.1] (11-11)追 7着(3人気)

 このレースは人気を集めた関東馬が振るわない。昨年は3番人気以内に推された関東馬2頭がいずれも圏外。2番人気で3着したイイデケンシンは関西馬だった。今年は今のところ3番人気以内に推されている馬が全て関東馬。勿論人気している関東馬ってだけで敬遠するのはナンセンス。その人気は妥当か?ってことともう一つ、見逃している関西馬はいませんか?ってなことを気にしたい。


 ラベンダー賞を完勝したナムラミーティアが一本被りになるかと思ったが、前日売りで2番人気。開幕週のメイクデビューで負けて、そこから中2週で初勝利。間髪入れずに中1週でラベンダー賞を使って勝って、今回もまた中1週。余力あるのか?って疑いをかけられるのも当然。馬は生き物。連戦続きだと疲れる。最終追い切りは函館Wで併走先着も、5F69秒7−1F12秒6とセーブ気味。

 コパノマユチャンの取捨をどうするか。ンなもん切りでいいやん、だって前走10秒も負けてるもん。いやいや、10秒なんて普通に走ってたらつかない着差。前走は外を走っていた馬に幅寄せされてラチに接触して後退、その後は鞍上が脚を気にして追わず。メイクデビューでナムラミーティアを子供扱いしたのは事実。最終追い切りは函館Wで単走、5F69秒7−1F12秒8とこちらもセーブ気味。

 インパクトでは超弩級戦艦鉄人公爵、もといアイアンデュークか。スタートで遅れて差し切りというのは次走人気して届かずがお決まりのパターンなのだが、今回あまり注目されていない。但し勝ち時計1分11秒4は福島芝1,200Mで行われたメイクデビューの中では最も遅い。函館芝での追い切りは併走先着、5F65秒0−1F11秒2。前半ゆっくりとはいえ、切れ味は抜群。

 メジロチャンプは強いというかやたらと落ち着いたレース運びが印象的。安藤勝己騎手は4コーナーで後ろの出方を見る余裕があった。負かしたサンゴシック(2着)、ワンダーキラメキ(4着)は次走勝ち上がり。このように実態も伴っているが、いかんせん印象が先行し過ぎている感じ。勝ち時計1分11秒2もこの中に入ると見劣りする。最終追い切りは函館Wで併走同入、4F52秒7−1F12秒0。まあまあ。

 逃げ馬はここを勝てないというのは冒頭でも触れたのだが、ディーズハイビガーは何だかやってくれそうな感じがする。スタートして4頭雁行状態から一頭、また一頭と脱落していく中にあって、同馬だけが最後まで踏ん張った。勝ち時計1分10秒1も優秀。最終追い切りは函館Wで併走先着、5F69秒0−1F12秒1。終い重点ながら併走馬をコンマ8秒千切った。

 稽古に最も熱が入っていたのはルシュクル。函館Wで併走先着、5F65秒5−1F12秒6。一杯に追われてしっかり伸びていた。野暮ったく見えるのは馬格があるからだろう。但しメイクデビューは内から綺麗に抜けての勝利で、頭数が増えて外寄りの枠に入った今回は好位を採るのに苦労するかもしれない。どうでもいいが、ナムラミーティアと同じサクラバクシンオー産駒で、母の名前がアジアン「ミーティア」。

 フィフスペトルは前走がゆったりペースの凡戦で、行きたい馬集結のここは付いて行くだけに終わりそうなのでパス。鞍上の三浦くんも上位クラスではまだ下手。アイアムカミノマゴは芝での追い切りと「内枠の勝浦」(人気薄で内を突く勝浦騎手の十八番)で気になったが、函館ダート1,000Mを経由した馬が過去10年で【0・0・1・19】と不振なことからパス。同様の理由でヒシアカデミーもパス。

 ラインブラッドは抜け出すまでが上手く嵌っただけか。ラスト1ハロン12秒8は時計を要した感。シシャモチャンは前走が恵まれ過ぎ。バイラオーラは前走から3kg増が痛い。競馬場替わりに乗り替わり、不確定要素が多い。ベルシャルルはラベンダー賞で自らの競馬(=逃げ)を試みてナムラミーティアにコンマ6秒負けという時点で底が見えたと判断。今回はこのコンマ6秒の間に入るだけの力を持った馬が沢山いる。サダムテンジン、ケイアイジンジンも同様。コパノマユチャンも同様…?

 結論。最終追い切りがセーブ気味でも、ラベンダー賞から一気にガタが来たようには見えないナムラミーティアが軸。同じセーブ気味でも不利の後遺症を引きずっているかのようなコパノマユチャンは来たらごめんなさいで消し。相手は快速時計で逃げ切り勝ち、同型集結でも持ち堪えるだけのタフさを備えているディーズハイビガー、ヨコテン操る人気薄の追い込み馬アイアンデューク、レースセンスは認めたいメジロチャンプ。穴は前開催の函館で好位差し切り、一杯の追い切りで地力強化の予感ルシュクル。

◎ナムラミーティア
○ディーズハイビガー
▲アイアンデューク
△メジロチャンプ
☆ルシュクル


■馬券構築

 ナムラミーティア1頭軸の3連複流し。

[3連複] ナムラミーティア−ディーズハイビガー−アイアンデューク 20%
[3連複] ナムラミーティア−ディーズハイビガー−メジロチャンプ 20%
[3連複] ナムラミーティア−ディーズハイビガー−ルシュクル 20%
[3連複] ナムラミーティア−アイアンデューク−メジロチャンプ 20%
[3連複] ナムラミーティア−アイアンデューク−ルシュクル 10%
[3連複] ナムラミーティア−メジロチャンプ−ルシュクル 10%


■このレースの回顧へ ■ホームに戻る
Copyright (C) 2000-2010 競馬万事塞翁が馬 All Rights Reserved.