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第58回朝日杯フューチュリティS(GI)
2006年12月10日(Sun) 中山芝1,600M 2歳オープン 馬齢 (牡・牝)(混)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 ジャングルテクノ 85 前走終い詰められての辛勝。この中に入ると劣勢。  
2 2 ゴールドアグリ 89 瞬発力抜群だが不器用。速さ比べでは分が悪い。  
3 ドリームジャーニー 90 芙蓉Sの大外一気好感。まずはスタートを決めたい。
3 4 マイネルレーニア 88 速さは申し分なし。ここも先手を奪って雪崩れ込む。
5 マイネルサニベル 83 勝負どころの反応機敏。距離こなせれば面白い。  
4 6 アロマンシェス 86 前走最内を立ち回って善戦も勝ち負けまでは辛い。  
7 フライングアップル 90 安定性は評価。但し流れに恵まれてきたのも事実。  
5 8 アドマイヤホクト 85 前走終いで脚上がる。前に行けるのは良いが苦しい。  
9 ローレルゲレイロ 88 前走でも距離ギリギリ。中山では誤魔化し利かない。  
6 10 エーシンビーエル 85 流れには乗れそうだが現状はスプリントが向く様子。  
11 オースミダイドウ 89 逃げ差し自在で3連勝。死角の少なさで上位評価。
7 12 マイネルシーガル 86 向こう正面の不利含めても時計平凡。過信は禁物。  
13 コアレスレーサー 82 クラス上がって程なく連敗。更に相手強化で用無し。  
8 14 アドマイヤヘッド 90 前走出遅れて圏外。札幌2戦の行きっぷり示したい。
15 マイネルフォーグ 87 位置取り・追い比べ共優秀も外枠引いたのは痛い。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 前につけて粘れる持久力重視・抜かせない速さをみせるマイネルレーニア
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【ラップ構成比較表(過去10年)】
年度(回) ラップ構成 テン3F 上り3F 落差
'96年(第48回) 12.3-10.5-11.1-11.3-12.0-12.8-13.2-13.1 33.9 39.1 +5.2
'97年(第49回) 12.0-11.0-11.3-11.1-11.7-12.3-12.0-12.2 34.3 36.5 +2.2
'98年(第50回) 12.5-11.2-11.4-11.8-12.0-12.2-12.2-12.0 35.1 36.4 +1.3
'99年(第51回) 12.3-10.4-10.8-11.6-12.0-12.6-12.1-12.9 33.5 37.6 +4.1
'00年(第52回) 12.3-11.2-11.5-11.7-11.7-12.0-11.9-12.2 35.0 36.1 +1.1
'01年(第53回) 12.1-10.9-11.4-11.8-11.5-12.1-12.1-11.9 34.4 36.1 +1.7
'02年(第54回) 12.5-11.1-10.7-11.2-11.4-11.7-12.3-12.6 34.3 36.6 +2.3
'03年(第55回) 12.3-10.7-11.1-11.7-11.7-12.1-11.9-12.2 34.1 36.2 +2.1
'04年(第56回) 12.3-10.8-10.9-11.4-12.0-12.0-11.8-12.2 34.0 36.0 +2.0
'05年(第57回) 12.8-11.5-11.6-11.5-11.6-11.8-11.1-11.8 35.9 34.7 −1.2

 朝日杯フューチュリティSは例年テンが速く上がりが掛かっており、直線一気の瞬発力よりは前につけて粘る持久力を問う傾向にある。過去10年で4角10番手以下につけていた馬の連対例は無く、勝ち馬10頭のうち7頭は4角4番手以内につけていた。またここで上がり最速を示した馬は【2・2・3・4】(36.4%)とイマイチで、勝った2頭も上がりは35秒台だった。これを踏まえた上で各馬を個別に精査してみる。


 オースミダイドウはデイリー杯2歳Sで意図的に控えて勝利。道中の掛かり具合からしてやはり前に行かせたほうが良い。ただ他の馬が一長一短ある中、当面の死角が見当たらないということで押し出された人気になっている感じがする。実際のところ、デイリー杯2歳Sはさほど強い勝ち方ではなかった。まああれが天井とも思えないので、無理に嫌う必要もないと思う。

 ドリームジャーニーは前走出遅れを挽回すべく押し上げに入ったところ早々に引っ掛かってしまった。それでいて直線最内から一瞬だけ凄い脚を使って3着。中山マイルで一度勝っているのもポイントが高い。問題はここできちんとスタートを決められるという確証が持てないこと。「まともに出れば巻き返す」系の馬は得てして前と同じような競馬を繰り返す。先週もハロースピードがやらかしたばかり。

 マイネルシーガルは落馬寸前の不利がありながら勝ったというところが人気の根源らしいが、その不利を受けた場所が勝負どころならともかく、スタートしてから暫くのところで大勢に与えた影響は軽微。前走のパフォーマンスも今回出走の馬なら大概実現可能なレベル。完全にお客さんだろう。

 マイネルレーニアは前走直線でマイネルフォーグの強襲に遭って薄氷の勝利。但しマイネルレーニアはマイネルフォーグが追ってくる前からスパートをかけており、その後も力と速さで抑え切ったのは評価して良い。京王杯2歳Sで3勝目以上を挙げた馬は過去10年で延べ4頭が出走して【3・0・0・1】(75.0%)と相性が良いのだが、前走がクビ・ハナ・アタマ差だった馬は延べ13頭が出走して全滅。取捨は難しい。

 ゴールドアグリは新潟で連勝した後、京王杯2歳Sで初黒星(連対圏外)という状況が'04年1着マイネルレコルトと被る。但しマイネルレコルトが中団より前で競馬をするタイプだったのに対し、ゴールドアグリは位置取りに融通が利かない上に勝負どころでの進出も鈍く、簡単に巻き返せるとは思えない。新潟2歳Sで競り合ったマイネルーチェがその後案外なのも気になる。

 アドマイヤヘッドは前走出遅れに加えてサンダーアロングにもぶつけられて後方からの競馬を余儀なくされた。慢性的に後ろから行くゴールドアグリよりは巻き返し可能性は高いと思う。但し過去10年、7・8枠に入った馬は延べ39頭が出走して【0・2・3・34】(5.1%)、連対したのは4角先頭で迎えた'96年2着オープニングテーマと'03年2着メイショウボーラーの2頭のみと振るわない。

 フライングアップルは過去4戦全て緩い流れでの好走で、初のマイル戦で前走以上のパフォーマンスを期待できるかとなれば疑問符が付く。マイネルフォーグは上がりが掛かる持久力勝負が向いているとはいえ、やはり外枠というのが痛い。ローレルゲレイロはデイリー杯2歳Sでラチ沿い一杯に走って及ばず。急坂のある中山では余計苦しい。アドマイヤホクトも気になったが、1,400Mでもラストで脚が上がっていたのをみて見送り決定。


 結論としては、京王杯2歳Sの勝ち方がこのレースにおける持久力重視傾向に合致するマイネルレーニアを軸に、どちらかといえば瞬発力型に分類される先行馬オースミダイドウ、馬群から抜け出す際の切れ味がいかにも中山向きのドリームジャーニー、札幌2歳Sでの行き脚を再度評価したいアドマイヤヘッドへ流して勝負。

◎マイネルレーニア
○オースミダイドウ
▲ドリームジャーニー
△アドマイヤヘッド


■馬券構築

 マイネルレーニアから馬単、Mレーニア−オースミ2頭軸の3連複流し。

[馬単] マイネルレーニア→オースミダイドウ 30%
[馬単] マイネルレーニア→ドリームジャーニー 20%
[馬単] マイネルレーニア→アドマイヤヘッド 10%
[3連複] マイネルレーニア−オースミダイドウ−ドリームジャーニー 30%
[3連複] マイネルレーニア−オースミダイドウ−アドマイヤヘッド 10%


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