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第67回優駿牝馬(GI)
2006年5月21日(Sun) 東京芝2,400M 3歳オープン 定量 (牝)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 ブルーメンブラット 74 先手強力。但し前走圧勝から間隔短いのは気になる。  
2 フサイチパンドラ 73 相当のポテンシャル秘めるも気負い込む癖が厄介。  
2 3 アクロスザヘイブン 72 前走流れに恵まれたが及ばず。ここも力差を感じる。  
4 ヤマニンファビュル 69 単騎逃げで再三好走も今回は同型揃い苦戦濃厚。  
3 5 ニシノフジムスメ 71 前走インベタ差し切り好感。ここで再現なるか注目。
6 コイウタ 80 好位で立ち回れるが後方一気の差し込みに弱い。
4 7 ユメノオーラ 70 終いの脚に賭けて巻き返し図るも前走は負け過ぎか。  
8 シークレットコード 71 ここが年明け初戦というのは幾らなんでもナメ過ぎ。  
5 9 カワカミプリンセス 70 勝ち方は申し分ない。短期間の調整が上手く行くか。  
10 アサヒライジング 78 重厚な長距離血統。逃げ脚は重賞でも見せ場十分。  
6 11 テイエムプリキュア 73 今年に入って惜しい内容が皆無なのは問題あり。  
12 キープユアスマイル 69 芝もこなせるが強い相手と与していないのはどうか。  
7 13 アドマイヤキッス 80 前走は勝ち馬にマークされたか否かの差。逆転狙う。
14 ブロンコーネ 72 前走は通ったコースが絶妙。この枠では再現不可能。  
15 シェルズレイ 76 ここ2戦差し試すも中途半端。押しても引いてもダメ。  
8 16 マイネジャーダ 69 自己条件脱出に時間掛かるようでは話にならない。  
17 キストゥヘヴン 81 差し転換で能力全開。道中の折り合いが勝敗分ける。
18 ヤマトマリオン 74 前走ゴール手前で抜け切る。後ろ過ぎなければ通用。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 ゆとりのローテ重視・桜花賞除外の憂き目を晴らせニシノフジムスメ
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【スイートピーS勝ち馬の優駿牝馬成績(過去10年)】
年度 馬名 主な重賞実績 優駿牝馬成績
'96年 シーズアチャンス フラワーC(GIII)5着、桜花賞(GI)6着 (不出走)
'97年 エアウイングス なし 10着(8人気)
'98年 エガオヲミセテ なし 15着(9人気)
'99年 フレンドリーエース なし 16着(10人気)
'00年 バイラリーナ なし 11着(8人気)
'01年 シェリルウーマン なし 16着(13人気)
'02年 オースミコスモ チューリップ賞(GIII)3着、阪神JF(GI)3着 14着(7人気)
'03年 メモリーキアヌ なし 8着(5人気)
'04年 ウイングレット 新潟2歳S(GIII)2着 7着(12人気)
'05年 ライラプス クイーンC(GIII)1着、デイリー杯2歳S(GII)2着 12着(8人気)

 オークストライアルにはフローラSとスイートピーSの2つあるが、このうち後者は大不振を囲っている。勝ち馬に限ってもこの体たらく。スイートピーS組全体を見渡しても過去10年で延べ32頭が出走して3着以内が1頭もいないというのはもはや異常。これほどまでに通用していない原因としては(1)出走馬のレベルが低い、(2)本番との間隔が短いの2つが考えられる。牝馬にとっては(2)が厳しいようである。


【レース間隔別成績(過去10年)】
レース間隔 着別度数 単勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
中1週 【0・0・0・10】 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
中2週 【0・0・0・37】 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
中3週 【1・1・3・52】 1.8% 3.5% 8.8% 30 39
中4週以上 【9・9・7・48】 12.3% 24.7% 34.2% 107 161

 中2週以内のローテーションを組んだ馬は延べ47頭が出走して全滅。前走の疲れが抜け切らないまま未知の距離を走って上位に来るというのは土台無理な話。ブルーメンブラットカワカミプリンセスは前走の勝ちっぷりが良く、手が伸びそうだが見送りたい。ヤマニンファビュルマイネジャーダも要らないだろう。シークレットコードはこれらとは別の意味で無謀。


【フローラS(旧・サンスポ賞4歳牝馬特別)勝ち馬の優駿牝馬成績(過去10年)】
年度 馬名 フローラS以外の主な重賞実績 優駿牝馬成績
'96年 センターライジング 報知杯4歳牝馬特別(GII)4着 (不出走)
'97年 オレンジピール クイーンC(GIII)、チューリップ賞(GIII) 5着(3人気)
'98年 マックスキャンドゥ 報知杯4歳牝馬特別(GII)、桜花賞(GI)5着 9着(3人気)
'99年 スティンガー 阪神3歳牝馬特別(GI) 4着(2人気)
'00年 マニックサンデー なし 8着(6人気)
'01年 オイワケヒカリ フラワーC(GIII)2着 5着(6人気)
'02年 ニシノハナグルマ なし 9着(9人気)
'03年 シンコールビー なし 3着(9人気)
'04年 メイショウオスカル チューリップ賞(GIII)4着、フラワーC(GIII)3着 13着(9人気)
'05年 ディアデラノビア チューリップ賞(GIII)4着 3着(3人気)

 フローラSはスイートピーSの一週前に組まれているが、それでも依然として苦しい。フローラSを経由した馬は過去10年で延べ50頭が出走して【1・1・3・45】(4.0%)。'00年にフローラSで2着レディパステルが勝利、同3着ローズバドが2着した以外は凡退している。スイートピーSよりは融通が利きそうだが、人気を集めての凡走が多いだけに全面的な信頼を寄せるのは得策ではない。


【桜花賞を経由して連対した馬一覧(過去10年)】
年度 着順 馬名 桜花賞成績 桜花賞以外の主な重賞実績
'96年 2着 ファイトガリバー 1着(10人気) なし
'97年 1着 メジロドーベル 2着(2人気) 阪神3歳牝馬S(GI)、チューリップ賞(GIII)3着
'98年 2着 エアデジャヴー 3着(9人気) クイーンC(GIII)2着
'99年 1着 ウメノファイバー 6着(8人気) 京王杯3歳S(GII)、クイーンC(GIII)
2着 トゥザヴィクトリー 3着(5人気) なし
'00年 1着 シルクプリマドンナ 3着(3人気) 報知杯4歳牝馬特別(GII)2着
2着 チアズグレイス 1着(6人気) 阪神3歳牝馬S(GI)4着
'02年 1着 スマイルトゥモロー 6着(4人気) フラワーC(GIII)
2着 チャペルコンサート 7着(5人気) チューリップ賞(GIII)3着
'03年 1着 スティルインラブ 1着(2人気) チューリップ賞(GIII)2着
2着 チューニー 12着(9人気) クイーンC(GIII)
'04年 1着 ダイワエルシエーロ 7着(5人気) クイーンC(GIII)
2着 スイープトウショウ 5着(2人気) ファンタジーS(GIII)、チューリップ賞(GIII)
'05年 1着 シーザリオ 2着(1人気) フラワーC(GIII)
2着 エアメサイア 4着(3人気) フィリーズレビュー(GII)3着
レース名太字は桜花賞前(前々走)のレースを示す。

 桜花賞組は距離が1.5倍になるオークスでも変わらず上位を独占している。オークスにおいては距離不安を掲げて評価を落とすのはナンセンスである。桜花賞での着順は'03年2着チューニーを除いて一桁に収まっている。ここで最も注目したいのは、桜花賞の前に重賞を使って好走(馬券対象内=3着以内)している馬の連対が多いということ。今年の桜花賞は前々走で重賞を勝っていた馬で占めており、人気でもそのまま評価して良さそうである。


 アサヒライジングが逃げ、直後にブルーメンブラット、アクロスザヘイブン、ヤマニンファビュルが追いかける展開。オークスは例年先行勢が苦戦しているレースで、前半で脚を溜めた差し馬の台頭が著しい。多少の展開不利でも差し重視で考えたい。

 桜花賞上位馬は甲乙付け難いが、ここが叩き3戦目のアドマイヤキッスを最上位に見たい。キストゥヘヴンはデビュー以来月1ペースでの出走で、馬体の戻りが焦点。コイウタは桜花賞でこれら2頭に差されているのが気になるが、クイーンCの好位付け勝利を好感して抑える。

 他路線組では桜花賞と同じ日に行われた忘れな草賞を勝ったニシノフジムスメを評価したい。同馬もチューリップ賞から数えてここが叩き3戦目。今週からCコースに変更されたとはいえ、前走見せたインベタの差し切りは東京コースで生かせるはず。併走相手をぶっ千切った直前追い切りの内容からしても桜花賞組逆転の勢いを感じる。

◎ニシノフジムスメ
○アドマイヤキッス
▲キストゥヘヴン
△コイウタ


■馬券構築

 ニシノフジムスメから馬複・3連複流し。

[馬複] ニシノフジムスメ−アドマイヤキッス 30%
[馬複] ニシノフジムスメ−キストゥヘヴン 20%
[馬複] ニシノフジムスメ−コイウタ 20%
[3連複] ニシノフジムスメ−アドマイヤキッス−キストゥヘヴン 10%
[3連複] ニシノフジムスメ−アドマイヤキッス−コイウタ 10%
[3連複] ニシノフジムスメ−キストゥヘヴン−コイウタ 10%


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