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第10回エルムS(GIII)
2005年9月3日(Sat) 札幌ダート1,700M 3歳以上オープン 別定 (混)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 サイレントディール 100 前2走が負け過ぎ。とりあえずは先行したい。
2 2 ハードクリスタル 96 マリーンSを快勝。地の利生かして上位争う。
3 3 カイトヒルウインド 99 早めに動くと脚が止まる。小回りでは忙しい。  
4 4 シルバーサーベル 一昨年9着。交流重賞でも冴えず通用は困難。  
5 マルブツトップ 97 地味だが堅実。好位キープなら食い込みあり。
5 6 ワンダーハヤブサ 91 時計・内容共に平凡。さすがにここは相手強い。  
7 パーソナルラッシュ 104 昨年の覇者。タイトル上積みによる斤量克服鍵。  
6 8 エドモンダンテス 94 小倉を勝って自信の北上。先行力生かせるか。  
9 モエレアドミラル 87 決め手がない。先行できても粘れないようでは。  
7 10 ジンクライシス 102 JCダート後イマイチも積極策で一変の余地あり。
11 ドンクール 87 ここ2走は差し込みが通用せず。力量不足の感。  
8 12 マチカネメニモミヨ 96 着々と力をつけている。前がもつれるようなら。  
13 アッパレアッパレ 68 前走叩くも全く動かず。もう少し様子見が必要。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 磐石のローカル適性・時計スライドで勝てるハードクリスタル
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【マリーンS勝ち馬のエルムS成績一覧('97年以降)】
年度 マリーンS勝ち馬 馬場 時計 通過順 エルムS 馬場 時計 通過順
'97年 タイキシャーロック 1.45.1 2-2-1-1 2着 1.43.6 3-3-3-3
'98年 シャープウィット 1.45.2 5-4-4-4 (未出走)
'99年 ニホンピロジュピタ 1.44.0 3-4-3-4 1着 稍重 1.43.9 5-4-5-4
'00年 シンコウスプレンダ 1.43.7 8-6-5-5 1着 不良 1.42.8 3-4-4-4
'01年 エンゲルグレーセ 1.44.0 2-2-2-2 1着 1.43.4 2-2-2-2
'02年 シンコウスプレンダ 不良 1.43.2 3-4-3-2 9着 1.45.0 5-5-8-5
'03年 エクセシヴワード 1.45.6 2-2-1-1 4着 1.45.8 7-7-8-7
'04年 ウインデュエル 1.43.5 5-5-5-3 2着 1.43.4 3-4-5-4
'05年 ハードクリスタル 1.43.8 6-6-5-5

 エルムSは函館で行われるOP特別・マリーンSとの繋がりが強く、勝ち馬に限ると延べ7頭が出走して【3・2・0・2】(71.4%)という抜群の相性を誇る。マリーンSを勝ってエルムSでも連対した5頭についてみると、いずれもエルムSで更に時計を詰めていることが分かる。マリーンSで出した時計がそのままエルムSへスライドできると考えた場合、今年のハードクリスタルは文字通り「堅い」ように思える。


【連対馬のダート1,700M成績('97年以降)】
年度 着順 馬名 ダート1,700M うち札幌・函館
'97年 1着 バトルライン 【2・0・0・0】 【2・0・0・0】
2着 タイキシャーロック 【3・0・0・1】 【2・0・0・1】
'98年 1着 タイキシャーロック 【3・1・0・1】 【2・1・0・1】
2着 パーソナリティワン 【1・0・1・0】 【0・0・1・0】
'99年 1着 ニホンピロジュピタ 【3・1・1・1】 【3・1・1・1】
2着 オースミジェット 【1・3・0・0】 【1・2・0・0】
'00年 1着 シンコウスプレンダ 【1・0・0・0】 【1・0・0・0】
2着 エーピーバースト 【0・2・1・3】 【0・2・1・3】
'01年 1着 エンゲルグレーセ 【2・0・0・0】 【1・0・0・0】
2着 トーホウエンペラー (未出走) (初出走)
'02年 1着 プリエミネンス 【1・1・0・0】 【1・1・0・0】
2着 スマートボーイ 【1・0・1・4】 【1・0・1・4】
'03年 1着 アドマイヤドン (未出走) (初出走)
2着 トシザボス 【2・0・1・3】 【2・0・1・2】
'04年 1着 パーソナルラッシュ 【1・0・0・0】 (初出走)
2着 ウインデュエル 【3・0・0・0】 【3・0・0・0】

 ダート1,700Mは中央開催(東京・中山・京都・阪神)にはなく、専らローカル専用コースとなっている。その概要は4コーナー出口からスタートし、スタンド前を通過した上でコースを一周するというもの。小回りで平坦だけに先行した馬が有利なのは想像に易い。

 しかしこれは分かっていても結構難しかったりする。札幌で行われた過去8年の連対馬16頭のうち、地方馬の'01年2着トーホウエンペラー、GI馬の'03年1着アドマイヤドンを除く14頭は既にダート1,700Mを経験済み。3歳馬の'04年1着パーソナルラッシュを除く13頭は北海道のダート1,700Mも経験済みだった。ローカルコースの「癖」を知っている馬に注目したい。この論理はマリーンSとの結び付きが強いという前述の内容ともリンクする。

 ダート1,700Mに複数回出走して未連対のカイトヒルウィンド、シルバーサーベルは適性無しとみて軽視。北海道コースの経験が無いか浅いエドモンダンテス、モエレアドミラル、ジンクライシス、マチカネメニモミヨ、アッパレアッパレは取捨微妙。初出走のサイレントディール、3歳馬のドンクールは先行することが絶対条件。


 軸はハードクリスタル。主な根拠付けは冒頭で述べた通り。昨年のオホーツクハンデ(1000万・札幌ダート1,700M)でも1分43秒9をマークしており、前走以外にも時計の裏付けが取れる。但し前走が差し込みによる勝利だったのが若干気になる。

 相手筆頭はジンクライシス。過去、ハナを奪った3戦はいずれも圧勝。その中には猪苗代特別(1000万・福島ダート1,700M)が含まれている。鉄砲使いも上手く、強力な先導馬が見当たらないここはスタートさえ決めればスイスイ行きそう。

 単穴はマルブツトップ。2着に敗れたとはいえ、この馬もマリーンSでは1分44秒2で駆けている。しかも4コーナーではハードクリスタルよりも先に仕掛けており、負けて強しの印象すら持った。ダート1,700Mでは昨年のエルムSで4着に敗れた以外は堅実。

 連下はサイレントディール。産経大阪杯で逃げ粘ったり、コーナー2つのオーストラリアトロフィーを押し切ったりと、先行すると信頼性アップ。一昨年の武蔵野Sも直線入口で先頭に立った上での押し切りだった。ダート1,700M攻略なるかは鞍上の手腕にかかるところが大きい。

◎ハードクリスタル
○ジンクライシス
▲マルブツトップ
△サイレントディール


■馬券構築

 ハードクリスタルから馬複流し。

[馬複] ハードクリスタル−ジンクライシス 50%
[馬複] ハードクリスタル−マルブツトップ 30%
[馬複] ハードクリスタル−サイレントディール 20%


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