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第41回函館記念(GIII)
2005年7月24日(Sun) 函館芝2,000M 3歳以上オープン ハンデ (混)(特指)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 テイエムジェネラス 94 函館好相性も距離違う。溜めが入らないと苦しい。  
2 2 エアセレソン 97 時計勝負本望。奇襲も不向きで直線勝負の構え。
3 3 ブリットレーン 92 勝負どころで力強い動き可能。追走嵌れば一発も。  
4 4 ブルートルネード 91 安定した走りで連続連対中。但しここ同型増える。  
5 エリモハリアー 92 巴賞で捲り一閃。差し込む脚あり引き続き有力。
5 6 グランリーオ 99 一応単騎可能。引き離し気味に行けるかどうか。  
7 ウイングランツ 97 一連の重賞で善戦評価。早め進出にも対応出来る。
6 8 ナスノストローク 85 降級の前走見所なし。最軽量を織り込んでも辛い。  
9 ハギノハイグレイド  (出走取消)
7 10 マチカネメニモミヨ 91 前走ラストで突っ込むも不良馬場がアシストした感。  
11 ワイルドスナイパー 96 函館の水合うも前走の勝ち方微妙。軽ハンデ頼み。
8 12 タイガーカフェ 96 究極のジリ脚。他に並ばれるとほぼ何も出来ない。  
13 スプリングシオン 95 意外にも前走が中央初勝利。先行勝ちの勢い警戒。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 着順巴投げ現象の裏を突け・自在性発揮で他を寄せ付けないエリモハリアー
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【連対馬の重賞実績一覧(過去8年)】
年度(回) 1着馬 2着馬
'97年(第33回) アロハドリーム(牡4・56kg)
【1・1・0・0】
グロリーシャルマン(牝7・52kg)
【0・0・2・1】
'98年(第34回) パルブライト(牝6・53kg)
【1・0・1・5】
サクラエキスパート(牡5・56kg)
【1・1・0・4】
'99年(第35回) ジョービッグバン(牡4・50kg)
(未出走)
エイシンガイモン(牡6・55kg)
【2・2・3・17】
'00年(第36回) クラフトマンシップ(牡5・52kg)
【0・0・0・1】
オースミタイカン(牡5・52kg)
(未出走)
'01年(第37回) ロードプラチナム(牡5・56kg)
【0・2・1・5】
クラフトマンシップ(牡6・55kg)
【1・1・1・3】
'02年(第38回) ヤマニンリスペクト(牡5・55kg)
【0・1・1・7】
トップコマンダー(牡5・57kg)
【1・1・0・7】
'03年(第39回) エアエミネム(牡5・58kg)
【2・0・2・2】
ヒマラヤンブルー(牡5・54kg)
【0・1・0・4】
'04年(第40回) クラフトワーク(牡4・55kg)
【0・1・1・3】
ファインモーション(牝5・57kg)
【4・2・0・3】

 函館記念は季節柄近走の勢いが重視される一方、実績馬が軽視されやすい傾向にある。'98年や'01年はこのパターンで荒れている。ハンデ戦移行後過去8年の連対馬16頭のうち、既に重賞を勝っていた馬は半数の8頭。連対経験馬は3/4に相当する12頭が該当する。重賞勝ち馬が連に絡まなかったのは'00年のみ。


【上位馬の脚質一覧(過去8年)】
年度 馬場 1,000M 上り3F 決着時計 1着通過順 2着通過順 3着通過順
'97年 57.5 36.8 1.59.3 5-5-4-2 12-11-7-4 11-11-11-8
'98年 58.0 37.0 2.00.4 14-14-8-4 9-8-3-2 9-10-8-8
'99年 60.1 37.1 2.02.0 2-3-2-1 4-4-4-4 8-8-8-7
'00年 稍重 61.0 36.9 2.02.7 9-9-9-8 7-7-7-6 2-2-2-1
'01年 59.7 37.4 2.02.4 7-7-3-2 11-14-13-8 7-7-10-8
'02年 61.6 38.0 2.05.1 13-13-13-8 8-9-4-2 8-6-4-2
'03年 60.0 35.9 1.59.9 7-7-4-2 1-1-1-1 8-8-8-7
'04年 59.4 36.8 2.00.6 8-8-10-9 8-10-9-6 3-3-3-2
※'99年まではAコース、'00年以降はBコースを使用。

 函館は直線が約262MとJRA10場の中では最も短く、先行して押し切るケースは意外と少ない。ペースにもよるが、3コーナー過ぎから動いていける馬の好走が多い。これを踏まえた上で巴賞組についての考察を進めた次の資料を参照されたい。


【巴賞('00年はUHB賞を代用)を経由して連対した馬一覧(過去8年)】
年度(回) 馬名 性齢 斤量 前比 巴賞(通過順) 函館記念(通過順)
'97年(第33回) グロリーシャルマン 牝7 52.0kg -3 9着(5-7-7-6) 2着(12-11-7-4)
'98年(第34回) パルブライト 牝6 53.0kg -3 9着(6-8-9-10) 1着(14-14-8-4)
'01年(第37回) ロードプラチナム 牡5 56.0kg -1 7着(4-6-10-8) 1着(7-7-3-2)
クラフトマンシップ 牡6 55.0kg -2 8着(9-9-8-8) 2着(11-14-13-8)
'02年(第38回) トップコマンダー 牡5 54.0kg -2 3着(4-4-6-5) 2着(8-9-4-2)
'03年(第39回) ヒマラヤンブルー 牡5 57.0kg 0 6着(3-3-3-3) 2着(1-1-1-1)

【巴賞('00年はUHB賞を代用)連対馬の函館記念成績(過去8年)】
年度(回) 馬名 性齢 斤量 前比 巴賞(通過順) 函館記念(通過順)
'97年(第33回) パルブライト 牝5 54.0kg -1 1着(5-6-6-3) 3着(11-11-11-8)
エスジーフラット 牡7 55.0kg -1 2着(2-2-2-2) 5着(6-5-1-1)
'98年(第34回) アラバンサ 牡5 55.0kg 0 1着(6-7-8-6) 3着(9-10-8-8)
ナムラキントウン 牡4 55.0kg -1 2着(1-1-1-1) 5着(3-3-2-1)
'99年(第35回) ゴールドサンデー 牡5 54.0kg -1 1着(8-8-7-6) 7着(14-14-14-14)
'00年(第36回) ダイワカーリアン 牡7 56.5kg -0.5 1着(1-1-1-1) 9着(1-1-1-2)
エアギャングスター 牡4 55.0kg -1 2着(3-3-2-2) 3着(2-2-2-1)
'02年(第38回) クラフトマンシップ 牡7 55.0kg -2 2着(9-9-6-5) 5着(10-10-7-5)
'03年(第39回) タイガーカフェ 牡4 55.0kg -1 2着(4-5-5-4) 14着(2-2-2-5)

 函館記念の前哨戦にあたる巴賞組は総じて好走馬が冴えず、凡退馬が巻き返す傾向がみられる(着順巴投げ現象)。巴賞凡退から巻き返した6頭と、巴賞で連対していながら函館記念で連対出来なかった9頭について考察していくと、概ね次のような結論が得られる。
  1. 巴賞で先行押し切りを演じた馬は総じて不振
  2. 巴賞を経由して連対した6頭のうち5頭は捲りを実践している
 先程「3コーナー過ぎから動いていける馬」が好走していると触れたが、巴賞を経由して連対した馬(巴賞凡退から巻き返した馬)についても同様のことが言える。着順巴投げ現象はあくまで結果論であるとみた場合、巴賞で既に捲り勝ちを収めているエリモハリアーが最有力ということになる。マチカネメニモミヨも有力だが、前々走のエプソムCで12着している辺りからすると良馬場では微妙。

 先行して2着したブルートルネードは上記結論に即すと狙いから外れる。巴賞自体が不良馬場だったことも力関係の把握を難しくさせている。良馬場なら逃げ切っていたかもしれないグランリーオも苦戦が見込まれる。早めに動いて脚が止まったエアセレソンは内で脚を溜めて直線抜け出す競馬が理想。タイガーカフェは器用さがなく捲る競馬はまず無理。


 軸はエリモハリアー。小回りで器用さを発揮するタイプ。重賞出走は昨秋の福島記念だけだが、そこでも3コーナー過ぎから一気に仕掛けていた。3戦連続で上がり最速をマークしているように勢いもある。今なら良馬場のほうが走りやすいはず。

 相手筆頭はウイングランツ。ダイヤモンドSで捲り勝ちを収めている点に注目。昨年も札幌で典型的な3角捲りを決めている。追い込み一辺倒のように見えて器用さも持ち合わせている。但し時計が速くなるようなら何も出来ずに終わるかもしれない。

 単穴はエアセレソン。前走は一旦勝ちに行く姿勢を見せながら脚が止まっており、その後追わずとはいえ内容は良くない。コンスタントに速い上がりを繰り出せるだけに、自ら動いていくよりは直線まで追い出しを待ったほうが良さそう。

 連下はワイルドスナイパー。STV杯は昨年に続く連覇。今年は昨年に比べて一杯の競馬だったが、勝ち時計は1秒2上回っている。昨年と同じクラスを走っていること自体は問題ありとしても、その分今年もハンデが軽い。

◎エリモハリアー
○ウイングランツ
▲エアセレソン
△ワイルドスナイパー


■馬券構築

 エリモハリアーから馬複流し。

[馬複] エリモハリアー−ウイングランツ 40%
[馬複] エリモハリアー−エアセレソン 30%
[馬複] エリモハリアー−ワイルドスナイパー 30%


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