HOME > 重賞展望 > 第10回NHKマイルC

第10回NHKマイルC(GI)
2005年5月8日(Sun) 東京芝1,600M 3歳オープン 定量 (牡・牝)(混)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 エイシンヴァイデン 81 押しても引いてもダメ。一体何がしたいのか不明。  
2 ペールギュント 94 実績上位。決め手も申し分ないが展開に注文付く。
2 3 セイウンニムカウ 83 前走スタートと直線で後手も能力的に通用は微妙。  
4 アイルラヴァゲイン 83 前走快勝は好評価。仕掛け所知る鞍上不気味。
3 5 コパノフウジン 83 惰性での粘り込み得意も勝ちパターンなく苦しい。  
6 パリブレスト 87 ここ2戦の大敗は距離だけの問題ではなさそう。  
4 7 コスモフォーチュン 78 速さで突っ走るのみ。府中マイルでは失速濃厚。  
8 バブルエスティーム 77 自己条件でギリギリの戦い。時計も平凡で無理。  
5 9 ディープサマー 86 前に行かされると脆い。ただここで自ら行くと辛い。  
10 シルクトゥルーパー 79 連勝内容は悪くない。2ハロン延長のローテ克服鍵。  
6 11 マイネルハーティー 91 前走後方一気で突き刺す。融通利かないのが難点。  
12 ラインクラフト 92 今期2戦が力を感じさせる内容。自在性も魅力。
7 13 デアリングハート 91 前走楽々追走は意外。相手なりに走るだけに注意。
14 ビッグプラネット 88 スタートセンス抜群。但し逃げ脚自体は至って平凡。  
15 マルターズビクター 83 意表を突いた差しも実らず。現状では打つ手無し。  
8 16 ストラスアイラ 88 速さの絶対値足りない。追い込み一本でも無理。  
17 イヤダイヤダ 89 前走抜群の立ち回りも及ばず。上積みなく見劣る。  
18 インプレッション 89 どうも突き抜けるものがない。強調材料に欠ける。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 樫を捨てた桜の女王・速さで挑むラインクラフト
■予想構築

 まずは以下の資料を参照されたい。

【前回・今回脚質マトリックス】
前/今 逃げ 先行 差し 追込
逃げ 【0・0・0・6】(0.0%) 【0・0・1・5】(0.0%) 【0・0・1・6】(0.0%)
先行 【0・0・0・1】(0.0%) 【1・0・1・10】(8.3%) 【3・3・1・20】(22.2%) 【1・1・0・14】(12.5%)
差し 【0・1・0・1】(50.0%) 【1・1・0・8】(20.0%) 【1・3・1・24】(13.8%) 【1・0・1・15】(5.9%)
追込 【0・0・0・4】(0.0%) 【1・0・2・7】(10.0%) 【0・0・1・12】(0.0%)

 マイル戦ながらコーナーが2つで、直線距離が526Mもあるコース形態からしても差し有利は想像に易い。但し差しといっても中団から前が主流で、後方から突き刺してきた例としては'99年1着シンボリインディ(4角13番手)、'02年2着アグネスソニック(同16番手)が挙げられる程度に過ぎない。過去このパターンでは'00年3着マチカネホクシン(4角14番手)、'03年11着ゴールデンキャスト(4角17番手)が1番人気に応えられずに終わっている。


【横山典弘・武豊両騎手のNHKマイルC騎乗一覧】
年度(回) 横山典弘 武豊
'96年(第1回) ツクバシンフォニー 2着[2] 10-9 セイントリファール 7着[9] 14-14
'97年(第2回) (騎乗馬なし) シーキングザパール 1着[1] 6-5
'98年(第3回) (騎乗馬なし) マイネルラヴ 7着[4] 5-5
'99年(第4回) シンボリインディ 1着[6] 15-13 エイシンキャメロン 10着[1] 3-3
'00年(第5回) スイートオーキッド 5着[3] 4-4 マチカネホクシン 3着[1] 17-14
'01年(第6回) (騎乗馬なし) クロフネ 1着[1] 14-10
'02年(第7回) アグネスソニック 2着[5] 18-16 タニノギムレット 3着[1] 13-12
'03年(第8回) エイシンツルギザン 2着[5] 10-10 ゴールデンキャスト 11着[1] 18-17
'04年(第9回) フリーダムホーク  9着[10] 18-18 シーキングザダイヤ 7着[2] 8-8
※着順後ろの[数字]は人気、○-○は3角-4角位置。

 レース創設以降、これまで5回以上騎乗機会があった騎手は11人いる。このうち2度以上の連対経験がある現役騎手は横山典弘騎手と武豊騎手の2人。差し込みの成功確率を考慮すると横山典弘騎手の堅実さが浮き彫りになる。前述の後方一気を決めた馬(シンボリインディ、アグネスソニック)には横山典弘騎手が騎乗しており、後方一気に出て失敗した馬(マチカネホクシン、ゴールデンキャスト)には武豊騎手が騎乗していた。


【連対馬の前走成績一覧】
年度(回) 上:1着馬/下:前走成績 上:2着馬/下:前走成績
'96年(第1回) タイキフォーチュン
毎日杯(GIII・阪神芝2,000M)1着
ツクバシンフォニー
弥生賞(GII・中山芝2,000M)2着
'97年(第2回) シーキングザパール
NZトロフィー(GII・東京芝1,400M)1着
ブレーブテンダー
NZトロフィー(GII・東京芝1,400M)2着
'98年(第3回) エルコンドルパサー
NZトロフィー(GII・東京芝1,400M)1着
シンコウエドワード
ひいらぎ賞(500万・中山芝1,600M)1着
'99年(第4回) シンボリインディ
マーガレットS(OP・京都芝1,600M)1着
ザカリヤ
NZトロフィー(GII・東京芝1,400M)1着
'00年(第5回) イーグルカフェ
NZトロフィー(GII・中山芝1,600M)7着
トーヨーデヘア
NZトロフィー(GII・中山芝1,600M)4着
'01年(第6回) クロフネ
毎日杯(GIII・阪神芝2,000M)1着
グラスエイコウオー
NZトロフィー(GII・中山芝1,600M)14着
'02年(第7回) テレグノシス
スプリングS(GII・中山芝1,800M)2着
アグネスソニック
スプリングS(GII・中山芝1,800M)3着
'03年(第8回) ウインクリューガー
毎日杯(GIII・阪神芝2,000M)8着
エイシンツルギザン
NZトロフィー(GII・中山芝1,600M)1着
'04年(第9回) キングカメハメハ
毎日杯(GIII・阪神芝2,000M)1着
コスモサンビーム
皐月賞(GI・中山芝2,000M)4着

 前走距離別に見ていくと、マイル戦にも関わらず2,000M組が4勝2着2回でトップ。マイル組の2勝2着4回がこれに続く。前走の距離は長めのほうが望ましいようである。また、レース創設以降9回の連対馬18頭のうち17頭はマイル以上の距離に勝ち鞍があった。唯一の例外馬'02年2着アグネスソニックにしても1,800Mの重賞・きさらぎ賞で2着があり、間接的には距離実績を充足していた。このレースでの好走には距離実績が絶対的な条件となっている。


 軸はラインクラフト。桜花賞は外枠から積極的に行って力で押し切る内容。勝ち時計1分33秒5は過去最速。テン3ハロン33秒8の流れを何食わぬ顔で付いていける走力を持ってすれば、牡馬相手でも何ら臆することはないはず。好位差しも可能だが、出来れば速さで押し切るレースを期待したい。

 相手筆頭はアイルラヴァゲイン。距離延長で迎えたマーガレットSを順当勝ち。追走で気負うところを見せなかったのは何よりの収穫。横山典弘騎手はこのレースで内枠に入った差し馬を悉く持ってきており、距離実績不充足で消してしまうのも勿体無い。セオリーに反しての2番手抜擢。

 単穴はペールギュント。皐月賞は肝心なところで脚が止まっており、敗因を距離に求めるのは安易ながら妥当。但し武豊騎手はこのレースに限り、追い込み馬に乗らせると下手である。父サンデーサイレンス×母父Lyphardの配合もキレ過ぎの感がある。

 連下はデアリングハート。桜花賞はラインクラフトより積極的な位置につけながら、4コーナーで持ったままの手応えを擁していた。走力だけならラインクラフトに引けを取らない。広大な府中コースはリリースポイントが命になるので、後続が牽制するようなら面白い。

◎ラインクラフト
○アイルラヴァゲイン
▲ペールギュント
△デアリングハート


■馬券構築

 ラインクラフトから馬複流し。

[馬複] ラインクラフト−アイルラヴァゲイン 50%
[馬複] ラインクラフト−ペールギュント 30%
[馬複] ラインクラフト−デアリングハート 20%


■このレースの回顧へ ■ホームに戻る
Copyright (C) 2000-2010 競馬万事塞翁が馬 All Rights Reserved.