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第23回ジャパンカップ(GI)
2003年11月30日(Sun) 東京芝2,400M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 タップダンスシチー 98 ここ標準に定めたローテ好感。但し詰め甘い。  
2 デノン 近走取りこぼし多く勝ち切るまでは苦しい。  
2 3 サクラプレジデント 92 折り合い難。広い東京コースも合わない。  
4 フィールズオブオマー 豪州の大レース制すも世界レベルでは疑問。  
3 5 シンボリクリスエス 101 天皇賞秋を連覇。叩き2戦目で確勝期す。
6 アナマリー 84 前走牝馬相手に完敗の内容。一変も望み薄。  
4 7 ツルマルボーイ 99 左回り巧者。終い確実に伸びるが道悪は懸念。
8 ネオユニヴァース 94 秋2戦がイマイチ。栄光の舞台も劣勢否めず。  
5 9 アンジュガブリエル 重賞・距離実績尊重も走破時計は至って平凡。  
10 ザッツザプレンティ 93 力で押し切る競馬得意だが古馬相手は微妙。  
6 11 アクティブバイオ 91 前走先行して新境地開くもGIでは力及ばず。  
12 ダービーレグノ 91 ローカルGIII善戦級。二桁着順脱出で御の字。  
7 13 ジョハー BCターフ快勝評価。多頭数で揉まれてどうか。
14 イズリントン 欧州の強豪と再三接戦。牡馬相手でも期待可。
15 スルーヴァレイ 自国内でも善戦まで。強敵揃いの今回脈なし。  
8 16 サラファン 昨年2着時ほどの勢い感じず。距離も長い。  
17 タイガーテイル 88 前走間隙突くも更なる相手強化で出番無し。  
18 サンライズペガサス 94 GIでもそこそこ走る。流れに乗れば善戦可能。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 世界の強豪相手に貫禄示す・日本の盟主シンボリクリスエス
■予想構築

 過去10年におけるジャパンカップの傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 京都大賞典や毎日王冠から満を持して臨む馬が好調。
    ―→天皇賞秋の前哨戦を勝ち、本番をパスした(パスせざるを得なかった)馬は'93年1着レガシーワールド(セ4・57kg、6人気)、'94年1着マーベラスクラウン(セ4・57kg、6人気)、'99年1着エルコンドルパサー(牡3・55kg、3人気)と好走例が多い。タップダンスシチーに注目。
  • 前走掲示板外からの巻き返しは日本馬はゼロ。外国馬は3例ある。
    ―→前走で掲示板を外していた馬は延べ25頭が出走して【0・0・0・25】(0.0%)と全滅。天皇賞秋経由馬は連対馬のみ狙える。天皇賞秋6着サンライズペガサス、同10着ダービーレグノ、菊花賞9着サクラプレジデントは要らない。
  • 日本馬については連対率60%以上は必須。
    ―→GIの中でも最高峰のレースだけあって、求められる実績も極めてハイレベル。とりあえず連対率60%超は必須で、アクティブバイオザッツザプレンティサンライズペガサスタップダンスシチーダービーレグノツルマルボーイは大幅な割引が必要となる。
  • 日本馬についてはGI連対実績及び東京芝の勝ち鞍はほぼ必須。
    ―→東京芝コースに出走がありながら未勝利の馬の連対例は無い。サクラプレジデントザッツザプレンティサンライズペガサスダービーレグノは苦しい。
 減点なしはシンボリクリスエスネオユニヴァースの2頭。軸ならこの2頭のいずれか。

 上記傾向分析で捌き切れない外国馬については個別に検討してみる。

 デノン(Denon、米)は【6・4・3・6】、重賞は5勝(GI・ハリウッドダービー、GI・ターフクラシック招待Sほか)。3歳秋まで仏で走り、GI・仏2000ギニー3着など活躍。大西洋を渡り、GI・ハリウッドダービー(芝1,800M)で後続に11馬身つける圧勝。GI・ソードダンサー招待H(芝2,400M)では2着に敗退するも、勝ち時計は2分24秒06と優秀。ただ海外遠征は米移籍後初で、間隔が少々開いたことと相俟って不安が残る。

 フィールズオブオマー(Fields of Omagh、豪)は【10・6・4・6】、重賞は3勝(GI・コックスプレートほか)。海外遠征はGI・ドバイレーシングクラブC(芝1,400M)でシンガリ負け。芝2,400Mで2着があるものの、主な活躍範囲はマイル〜2,000Mあたりで距離が長いように思える。

 アンジュガブリエル(Ange Gabriel、仏)は【12・3・2・3】、重賞は6勝(GI・サンクルー大賞連覇、GI・香港ヴァーズほか)。GI・香港ヴァーズ(芝2,400M)1着、GI・ドバイシーマクラシック(芝2,400M)2着と海外遠征実績が豊富なのは強調材料だが、その2戦とも決着時計が2分27〜28秒で、持ち時計は軒並み貧弱。

 ジョハー(Johar、米)は【6・4・2・3】、重賞は4勝(GI・ハリウッドダービー、GI・BCターフほか)。昨秋から重賞3連勝。そこから休養を挟んで2戦した後、GI・BCターフ(芝2,400M)でハイシャパラル、ファルブラヴと互角以上に渡り合う好走。勝ち時計は2分24秒24と優秀。GII・サンマルコスS(芝2,000M)では1分57秒92の好時計をマークしている。海外遠征経験が無いのが玉に瑕。

 イズリントン(Islington、英)は【6・0・4・4】、重賞は5勝(GI・ヨークシャーオークス連覇、GI・BCフィリー&メアターフほか)。GI勝ちは全て牝馬相手だが、牡馬相手でもGI・プリンスオブウェールズSで3着に入り、5着ファルブラヴに4馬身先着。愛チャンピオンSではハイシャパラル、ファルブラヴにクビ、アタマ差の3着。次走のGI・BCフィリー&メアターフ(芝2,000M)は1分59秒13で勝利。

 スルーヴァレイ(Slew Valley、米)は【4・2・4・12】、重賞は未勝利。GI・マンノウォーSで2着に入り、デノン(3着)に先着している。他に目立つところではGI・ソードダンサー招待Hで3着が2回ある程度で格下感は否めない。海外遠征経験は無く、持ち時計も平凡。

 サラファン(Sarafan、米)は【9・9・4・13】、重賞は2勝(GI・エディーリードH、GII・エクスプローシヴビッドH)。昨年のジャパンC2着馬。昨年のローテはGI・アーリントンミリオン(芝2,000M)2着→ターフチャンピオンシップ(芝2,000M)2着→GIII・モーヴィックH(芝1,300M)4着。今年はGI・アットマイル(芝1,600M)8着→GII・オークツリーBCマイル(芝1,600M)2着→アローワンス競争(芝1,800M)1着。奇抜なローテ(リバウンド延長)で挑んだ昨年ほどの勢いは感じられない。2,400Mも合わないと思われる。

 アナマリー(Ana Marie、仏)、タイガーテイル(Tigertail、仏)についてはエリザベス女王杯の展望で述べた通り。渋った馬場で順位の入れ替わりがありそうだが、更なる相手強化となるここで勝ち負けするのは難しい。

 軸はシンボリクリスエス。秋初戦の天皇賞秋をレコードで制し連覇達成。その後の乗り込み量も充足しており、昨年3着の雪辱に抜かりはない。

 昨年シンボリクリスエスを負かしたファルブラヴの出走が無いのは残念。ファルブラヴは昨年のジャパンカップを制した後にGIを4勝しており、名実共に欧州最強馬の仲間入りを果たした。そして今回、そのファルブラヴに接戦を演じたことのある馬が2頭いる。ジョハーとイズリントンである。

 ジョハーはBCターフで、イズリントンはプリンスオブウェールズSでファルブラヴに先着している。いずれもジャパンカップに造詣が深い調教師の管理馬で期待が持てる。ただジョハーは多頭数の経験が少なく、揉まれると脆いかもしれない。またイズリントンは牡馬混合重賞未勝利で、本当に善戦だけで終わってしまう可能性がある。ちなみにサラファンはその後の成長が感じられないので軽視する。

 あと1頭抑えるとすれば「メイショウドトウ化」が著しいツルマルボーイか。馬場が渋った今回は飛んでもおかしくないが、外に回せば多少なりとも可能性は残る。宝塚記念ではネオユニヴァースに並ぶ間すら与えず一気に抜き去っている。シンボリクリスエス同様叩き2戦目で余勢を買いたい。

 3歳勢は全て見送り。ネオユニヴァースは神戸新聞杯、菊花賞共に前を追って差が詰まらないという物足りない内容。道悪の東京芝2,400Mという条件はそそるが、一変までは苦しいかもしれない。ザッツザプレンティは古馬初対戦ということで割り引いた。サクラプレジデントは捲りが生きる小回りコース向きか。

 タップダンスシチーは必勝ローテで打倒シンボリクリスエスに燃えるが、GIでは決め手の無さが露呈してしまうため見送る。馬場の内が荒れてきているのもマイナス。

◎シンボリクリスエス
○イズリントン
▲ジョハー
△ツルマルボーイ


■馬券構築

 シンボリクリスエスから馬複流し。

[馬複] シンボリクリスエス−イズリントン 30%
[馬複] シンボリクリスエス−ジョハー 30%
[馬複] シンボリクリスエス−ツルマルボーイ 40%


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