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第20回マイルチャンピオンシップ(GI)
2003年11月23日(Sun) 京都芝1,600M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 オースミコスモ 93 マイルなら色気が出るも一線級相手は荷が重い。  
2 サイドワインダー 94 前走いきなり好走。得意の京都に戻り確勝期す。
2 3 ギャラントアロー 92 とにかく単騎なら残る。先手奪える面子で注意。
4 テイエムサンデー 89 京都に好走集中。末脚堅実で3連穴として一考。  
3 5 スペシャルカルドゥーン マイル重賞3勝も前走からの時計短縮困難か。  
6 ウインクリューガー 84 マイル実績馬だが純粋な上がり勝負には弱い。  
4 7 マグナーテン 98 前走負け過ぎ。初ブリンカーも一変まではどうか。  
8 イーグルカフェ 99 安田記念4着後は不振。変わり身の材料乏しい。  
5 9 ロサード 94 ローカル重賞勝ち負けレベルでは流石に無理。  
10 バランスオブゲーム 98 ミスターGII。マイルで先行して凌ぎ切れるか微妙。  
6 11 デュランダル 90 末脚強烈だが今回直線平坦で劇的な差は無い。  
12 トゥスール GI勝ちあるが近走不振。マイルでは今一つ。  
7 13 ミレニアムバイオ 96 マイルで7勝。ハイペースに強く力で押し切る。
14 エイシンチャンプ 88 馬体増後の緊縮ローテ疑問も距離短縮は歓迎。
15 イルバチオ 88 距離伸びると差し届かない。ここも劣勢否めず。  
8 16 マイソールサウンド 96 距離短縮でかつGIでは追走だけで手一杯の感。  
17 テレグノシス 94 昨年僅差の4着も帰国後初戦がGIのローテ不満。  
18 ファインモーション 94 控えれば幾分マシだがマイル初参戦では苦しい。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 淀で冴える異色のトニービン産駒・サイドワインダー
■予想構築

 過去10年におけるマイルチャンピオンシップの傾向を紐解くと以下のようになる。
  • スワンS経由馬は直近6年で延べ24頭が出走して連対なし。但し3着穴として妙味あり。
    ―→以前まで連対馬を量産していたスワンSは'97年1着タイキシャトル(牡3・55kg)以降連対馬が出ておらず、'98年以降は【0・0・4・20】(0.0%)となる。ただ3着に入った4頭のうち3頭は9番人気以下の伏兵で、3連複の穴狙いに向いている。今年のスワンS経由馬ギャラントアロー、イルバチオ、テイエムサンデーはいずれも人気薄で要注意。
  • 3〜4歳の若駒重視。5歳以上馬同士の決着は過去10年で1度のみ。
    ―→5歳以上馬同士の決着は'02年(6歳−5歳)の1回のみ。3〜4歳で15連対(8勝)を占めていることからしても若駒有利。
  • 過去10年の所属地別勝ち馬比率は関東8:関西2。「関東→関西」の決着が8回ある。
    ―→関西施行のレースながら関東馬が異様に強いのが特徴。関西馬同士(関東馬が絡まない)の決着は'00年の1回のみ。
  • マイル王決定戦らしく芝・マイル問わずマイル連対は必須。
    ―→マイル未連対では話にならない。マイル未連対のイルバチオバランスオブゲームファインモーションマイソールサウンドロサードは不要。
  • 前走距離1,200Mの馬は延べ15頭が出走して1連対に留まる。
    ―→'00年2人気・8着ブラックホーク(スプリンターズS3着)、'01年3人気・12着トロットスター(スプリンターズS1着)、'02年1人気・7着アドマイヤコジーン(スプリンターズS2着)と、スプリンターズSで上位に入った人気馬はコケやすい。今年はデュランダルが危ない。
  • 中9週(2ヶ月)以上の間隔が開いた馬は延べ13頭が出走して1連対に留まる。
    ―→直近1ヶ月以内に何らかのレースを使っていることが望ましく、当該範囲で17連対(8勝)を占めている。2ヶ月以上の間隔が開きながら連対したのはジャックルマロワ賞(1着)を経由した'98年1着タイキシャトルのみ。ムーランドロンシャン賞(13着)以来2ヶ月開いたテレグノシスはどうか。
 上記傾向分析で捌き切れない外国馬2頭については個別に検討してみる。

 スペシャルカルドゥーン(Special Kaldoun、仏)は【6・1・1・8】、重賞は3勝(GII・ロシェル賞ほか)。マイルは【4・1・1・7】。重賞2勝目となったマイルGIII・メシドール賞で1分34秒6の勝ち時計をマーク。続くGI・ジャックルマロワ賞では3着テレグノシスに1馬身差の4着。さらに続くGI・ムーランドロンシャン賞では勝ち馬から6馬身差の8着で、テレグノシス(13着)に逆転。この後に使ったのが前走のマイルGII・ロシェル賞で、勝ち時計は不良馬場ということもあって1分42秒4。海外遠征経験はおろか、国外競馬も初。

 トゥスール(Tout Seul、英)は【5・2・1・3】、重賞は1勝(GI・デューハーストS)。マイルは【0・0・1・3】。デューハーストSは日本で言うところの朝日杯フューチュリティSに相当するレースだが、距離はマイルではなく1,400M。マイルではGI・英2000ギニーで4着、GI・愛2000ギニーで3着とそこそこに来ているが勝ち負けには至っていない。GII・ロシェル賞ではスペシャルカルドゥーンに8馬身差をつけられている。国外競馬はアイルランドのみで、厳密な意味での海外遠征経験は無い。

 2頭共に持ち時計はまずまずだが、海外遠征経験が無いのが割引材料となる。まずトゥスールは近走成績云々よりもマイル未連対ということからして見送りが妥当。マイル実績からするとスペシャルカルドゥーンが侮れないが、前走の馬場状態や勝ち時計からして流れに戸惑う可能性が高く狙いは下がる。同馬を抑えるならビジターのジャックルマロワ賞で先着したテレグノシスを抑えたほうが賢明。

 軸はサイドワインダー。今回と同舞台の京都金杯を後方一気で制しており、後方脚質とはいえ展開による有利不利は考えなくても良さそうである。鞍上の福永騎手は直近4年で3着2回と、同レースの仕掛け所を熟知しているのも心強い。

 相手はサイドワインダーに3戦3勝のミレニアムバイオ。前走のレコード決着からも窺えるが、ペースが上がれば上がるほど優位に立てる。例年1分32秒〜33秒台の攻防となるここも引き続き期待がかかる。追い比べに持ち込むと他馬を交わせないので多少早仕掛けのほうが良い。

 単穴はエイシンチャンプ。前走は30kg増で度外視可。久々を叩いた直後で間隔がきついのが気になるが、マイル適性と京都芝適性を併せ持つ馬として強ち軽視は出来ない。同じ3歳GI勝ち馬のウインクリューガーには萩Sで先着している。

 連下はギャラントアロー。好走パターンが明確な馬。ブリンカーをつけてきたマグナーテンとのテン争いが課題となるが、これをネタに他馬を引き離して逃げることが出来れば更に面白いのではないだろうか。好走しても人気にならないので気軽に買える。

 バランスオブゲームは最後まで取捨に迷った。レースを使う度に着順が落ちるので天皇賞秋をパスしたのはプラス。但しマイル未連対というのが激しくマイナス。同様にマイル未連対でバランスオブゲームに負けているファインモーションも見送り。

 また、マイルに連対があってもデュランダルを消してみる。昨年の同レースで上がり最速(34秒1)をマークしながら届かず、直線平坦では自慢の末脚が埋没しかねない。事実、昨年の同レースは上がり最速が同馬を含め5頭もいた。

◎サイドワインダー
○ミレニアムバイオ
▲エイシンチャンプ
△ギャラントアロー


■馬券構築

 サイドワインダーから馬複流し。スワンS経由馬人気薄突っ込み対策として京都巧者のテイエムサンデーを抑える。

[馬複] サイドワインダー−ミレニアムバイオ 40%
[馬複] サイドワインダー−エイシンチャンプ 20%
[馬複] サイドワインダー−ギャラントアロー 10%
[3連複] サイドワインダー−ミレニアムバイオ−テイエムサンデー 10%
[3連複] サイドワインダー−エイシンチャンプ−テイエムサンデー 10%
[3連複] サイドワインダー−ギャラントアロー−テイエムサンデー 10%


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