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第28回エリザベス女王杯(GI)
2003年11月16日(Sun) 京都芝2,200M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 アナマリー 相手なりに走るが遠征経験乏しく時計も貧弱。  
2 2 オースミハルカ 86 使い減りするタイプ。大舞台では荷が重い。  
3 レディパステル 91 実績断然も中間一頓挫あり信頼揺らぐ。
3 4 メイショウバトラー 82 前走が天井。重賞では決め手不足が明白。  
5 スティルインラブ 86 好位差しで危なげなく三冠制覇の実績信頼。
4 6 ヘヴンリーロマンス 75 仕切り直しの前走勝利も更に相手強化では。  
7 アドマイヤグルーヴ 85 人気と末脚は3歳牝馬No.1。地力は物足りない。  
5 8 ヤマカツリリー 85 強力な粘り腰魅力。追い比べを回避できれば。  
9 ダイヤモンドビコー 91 牝馬限定でこその馬。マイペース先行で残る。
6 10 シンコールビー 82 前走負け過ぎ。前崩れにならない限り出番無し。  
11 ショウナンバーキン 73 末脚あるが自己条件すら差せないようでは。  
7 12 トーワトレジャー 87 定量GIでは物足りない。京都芝も苦手のクチ。  
13 スマイルトゥモロー 86 ポテンシャル認めるも折り合い欠くのは問題。  
8 14 タイガーテイル 海外遠征に適性あるが勝ち負けまでは苦しい。  
15 ローズバド 90 末脚強烈。横山典騎乗時の上がり1位率87.5%。
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 実質古馬最強・牝馬限定で復権図るダイヤモンドビコー
■予想構築

 古馬解放後の過去7年におけるエリザベス女王杯の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 重賞経由は必須。非重賞経由馬は余程の根拠が見出せない限り消し。
    ―→いきなり強い相手と当たるローテーションは好ましくない。特に根拠が見出せないヘヴンリーロマンスショウナンバーキンは消し。
  • 府中牝馬Sで掲示板に上がった馬のいずれかは必ず3着以内に入っている。
    ―→府中牝馬S5着以内馬は【2・4・4・11】(28.6%)で、過去7年全てに3着以内馬を出し、うち5年で連対馬を出している。レディパステルローズバドスマイルトゥモローは上位争い必至。
  • 秋華賞経由馬はここ2年続けて連対。間隔緩和で台頭傾向あり。
    ―→秋華賞との間隔は'00年に中3週となり、以前よりは信頼度が上がっている。ここ2年で連対した2頭はそれぞれ秋華賞で2着、1着。スティルインラブアドマイヤグルーヴに注目。
  • 芝2,000M以上連対、重賞連対、京都芝連対はいずれも必須(連対要件)。
    ―→上記連対要件は連対馬14頭がクリアしている。オースミハルカショウナンバーキンスマイルトゥモロートーワトレジャーヘヴンリーロマンスメイショウバトラーヤマカツリリーレディパステルの8頭は不安。
  • サンデーサイレンス産駒が過去7年中6年で連対、現在は4年連続連対中。
    ―→サンデーサイレンス産駒が連対出来なかったのは該当馬がエガオヲミセテ(8着)1頭のみだった'98年だけで、複数の出走があった場合はそのいずれかが必ず連対している。一昨年2着のローズバド、昨年2着のダイヤモンドビコーの他、3歳馬スティルインラブアドマイヤグルーヴヘヴンリーロマンスは連対有力候補。
 上記傾向分析で捌き切れない外国馬2頭については個別に検討してみる。

 アナマリー(Ana Marie、仏)は【2・5・4・7】、重賞は2勝(GII・ダルクール賞ほか)。全18戦のうち掲示板を外したのは'02年凱旋門賞(11着)のみで、この時はマンハッタンカフェ(13着)に先着している。相手なりに走る馬だが、国外遠征は2走前のナッソーS(GI・英グッドウッド芝2,000M、2着)のみで、時計は良馬場ながら2分04秒9。前走のオペラ賞(GI・仏ロンシャン芝2,000M、5着)の時計は重馬場で2分08秒3。雨が降っても日本の馬場には到底合わないのではないだろうか。

 タイガーテイル(Tigertail、仏)は【2・3・2・5】、重賞は未勝利。国外遠征を3回経験しており、そのうち共和国大統領賞(GI・伊カパネレ芝2,000M、2着)を2分00秒3で走っている。アナマリーとは3回対戦して3敗と分が悪いものの、高速馬場の京都なら互角以上に渡り合えるのではないだろうか。ただこの馬も丸一年未勝利と勝ち切るところまでは苦しく、人気薄でも抑えるまではいかない。当展望では外国馬2頭は「消し」とする。

 軸はダイヤモンドビコー。対レディパステル4戦4勝、対ローズバド4戦4勝で、対戦成績からすれば古馬最強はこの馬。牡馬相手で歯が立たないのは前々から分かっていることで問題にならない。2走前に牝馬限定のクイーンS(4着)でも負けているが、これはスタート直後から引っ掛かって折り合いを欠いていたため。それでも勝ち馬オースミハルカから0秒6差。牝馬限定の定量GI、鞍上ペリエとお膳立てが揃ったここで狙わない手は無い。

 相手筆頭はスティルインラブ。三冠馬に対して今更コメントすることもない。「三冠を獲るために前走目一杯に仕上げた」として狙いを下げるという向きもあるが、そもそもGIで目一杯に仕上げないほうがおかしく、評価を落とす根拠にはなり得ない。中間の動きは特段良いというわけではないが、デキ落ちを心配するほど悪くもなかった。

 単穴はローズバド。横山典弘騎手騎乗時は【1・5・1・1】(75.0%)、着外は牡馬相手に先行した'02年目黒記念(14着)のみ。後方に控えた場合は例外なく上がり最速をマークしている。今回はオースミハルカやスマイルトゥモローが逃げるとはいえ、実質的な逃げ馬は不在で3番手以降はスロー。直線だけの競馬なら一昨年2着以上の結果も見込める。問題は渋った馬場。マーメイドSは横山典弘騎手の好判断で勝てたが、大外枠であのような立ち回りが出来るかどうかは疑問。

 連下はレディパステル。トニービン産駒不振、京都未連対馬不振に加え、前走後に左前脚を腫らすアクシデントがあった馬にこれ以上の評価は与えられない。寧ろ消したい位だが、昨年の同時期に比べて詰めの甘さが解消されてきている点は評価しておきたい。対ダイヤモンドビコーは4戦4敗だが、対ローズバドは8戦6勝2敗。但し京都では負け越している。

 アドマイヤグルーヴは対スティルインラブ4戦1勝3敗。ローズSで一矢を報いるも、スティルインラブは22kg増とベストコンディションに無かった。何よりGIの舞台で2度ならず3度も負けている以上、幾ら客観的な資料を提示してもスティルインラブのほうが上。渋った馬場も瞬発力だけしか評価できる点が無い同馬には辛い。

◎ダイヤモンドビコー
○スティルインラブ
▲ローズバド
△レディパステル


■馬券構築

 ダイヤモンドビコーから馬複流し。ビコー・スティル2頭軸の3連複を抑える。

[馬複] ダイヤモンドビコー−スティルインラブ 30%
[馬複] ダイヤモンドビコー−ローズバド 30%
[馬複] ダイヤモンドビコー−レディパステル 20%
[3連複] ダイヤモンドビコー−スティルインラブ−ローズバド 10%
[3連複] ダイヤモンドビコー−スティルインラブ−レディパステル 10%


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