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第3回アイビスサマーダッシュ(GIII)
2003年8月24日(Sun) 新潟芝1,000M 3歳以上オープン 別定 (混)(特指)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 ユーワファルコン 96 一昨年は出遅れ8着。一本調子の快速逃げ馬。  
2 2 トーセンオリオン 92 このメンバーの中では明らかにスピード不足。  
3 マルターズスパーブ 101 追随型の逃げ馬。テンはさほど速くなく苦戦か。  
3 4 アッミラーレ 85 180度の路線転換もさすがに一変まではどうか。  
5 タイキトレジャー 105 実績最上位も近年勝ち切れず。チョイ差し微妙。  
4 6 イシノグレイス 102 重賞では鉄砲玉状態。踏ん張り利かずは不満。  
7 イルバチオ 103 差脚強烈も届かずばかりだが連争いなら可能。
5 8 サーガノヴェル 101 初ブリンカー。目一杯飛ばせる舞台で能力全開。
9 ショウナンタイム 94 テンのスピードあるが続かない。重賞では厳しい。  
6 10 ゴッドオブチャンス 98 重賞で逃げ切りあり。スプリンターとしては未知数。
11 サダムブルースカイ 101 高速決着に一抹の不安あり。展開的にも苦しい。  
7 12 ティエッチグレース 103 前走の逃げ切り評価。気ままに飛ばして好走期待。
13 エイシンコジーン 101 直線コースに好走歴あるが裏を返せばそれだけ。  
8 14 ジーティースマイル 96 芝では置かれる可能性が高い。ましてここでは。  
15 ヨイチキナコ 97 直線コース得意だが格下。実績不足は否めない。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 直線コースで弾丸ライナーの素質開眼サーガノヴェル
■予想構築

 まずは以下の資料をご覧いただきたい。

【'01年(第1回)アイビスサマーダッシュ直前速度ランキング(抜粋)】
馬名 同コースを含む順位 同コースを除く順位 アイビスSD着順
エイシンコジーン 1位 (18.45) 5位 (17.67) 4着
ユーワファルコン 2位 (18.35) 8位 (17.60) 8着
ベルグチケット 3位 (18.18) 11位 (17.29) 7着
マティーニ 4位 (18.08) 3位 (17.70) 9着
カルストンライトオ 6位 (17.80) 1位 (17.80) 3着
メジロダーリング 6位 (17.80) 1位 (17.80) 1着
シンボリスウォード 10位 (17.62) 7位 (17.62) 2着

【'02年(第2回)アイビスサマーダッシュ直前速度ランキング(抜粋)】
馬名 同コースを含む順位 同コースを除く順位 アイビスSD着順
カルストンライトオ 1位 (18.45) 1位 (17.80) 1着
インターサクセス 2位 (18.32) 8位 (17.42) 4着
クラレットパンチ 2位 (18.32) 10位 (17.13) 11着
ブレイクタイム 7位 (17.80) 1位 (17.80) 2着
タイキメビウス 8位 (17.73) 3位 (17.73) 3着

 「速度ランキング」とは距離(m)を走破タイム(s)で割った値(速度:m/s)でのランキングをいう。単純に走破タイムが速ければ速いほど上位になる。ここでは参考のため同コース(新潟芝1,000M)を含む順位と含まない順位を併記してみた。

 上記の資料から見受けられる傾向としては次の通りとなる。
  • 直線コースでの実績はあまり意味を成さない。
    このことはまだ歴史が浅いものの、過去2年で新潟芝1,000Mを経由した馬は【0・0・0・9】(0.0%)と全滅していることからも窺える。
  • 他距離でハイラップを刻んでいる馬が好走している。
    他距離とは概ね芝1,200Mを指す。掻い摘んで言えば1ハロン当たりの速度は「1000÷5」よりも「1200÷6」のほうが価値が高い。
 では他距離であれば格は問われないのか。この点につき過去2年の連対馬4頭の格(重賞実績)について探りを入れてみる。

【過去2年の連対馬4頭の重賞におけるパフォーマンス】
年度(回) 馬名 重賞におけるパフォーマンス
'01年(第1回) メジロダーリング 函館SS(GIII・函館芝1,200M)で逃げ切り勝ち。
シンボリスウォード 函館SS(GIII・函館芝1,200M)で4角2番手から0秒0差2着。
'02年(第2回) カルストンライトオ セントウルS(GIII・阪神芝1,200M)で逃げて0秒2差3着。
ブレイクタイム 安田記念(GI・東京芝1,600M)で逃げて0秒2差2着。

 過去2年の連対馬4頭はいずれも「重賞で逃げ、若しくはそれに準ずる脚質で好走実績がある」という点で共通していた。後方待機馬も狙えないことはないが、余程のことが無い限り差し込みは難しい。

 近走内容から差し・追込脚質に傾倒しているトーセンオリオンタイキトレジャーアッミラーレイルバチオサダムブルースカイジーティースマイルは展開不利。連はあっても勝ち切るまではどうか。これらの他では重賞実績に乏しいイシノグレイスショウナンタイムエイシンコジーンヨイチキナコも割引対象となる。なおティエッチグレースは重賞初出走ということでひとまず保留にしておく。これとユーワファルコンマルターズスパーブサーガノヴェルゴッドオブチャンスが連対有力候補。

 今年の速度ランキングは次の通り。

【'03年(第3回)アイビスサマーダッシュ直前速度ランキング】
馬名 同コースを含む順位 同コースを除く順位
エイシンコジーン 1位 (18.45) 5位 (17.67)
イシノグレイス 1位 (18.45) 7位 (17.62)
ヨイチキナコ 3位 (18.38) 6位 (17.65)
ユーワファルコン 4位 (18.35) 3位 (17.75)
ショウナンタイム 5位 (18.32) 13位 (17.42)
ティエッチグレース 6位 (18.25) 2位 (17.83)
イルバチオ 7位 (18.21) 7位 (17.62)
サーガノヴェル 8位 (17.88) 1位 (17.88)
マルターズスパーブ 9位 (17.70) 4位 (17.70)
タイキトレジャー 10位 (17.54) 9位 (17.54)
サダムブルースカイ 11位 (17.52) 10位 (17.52)
トーセンオリオン 11位 (17.52) 10位 (17.52)
ゴッドオブチャンス 13位 (17.43) 12位 (17.43)
ジーティースマイル 14位 (16.68) 14位 (16.68)
アッミラーレ 15位 (16.60) 15位 (16.60)

 同コースを含む順位がアテにならないのは先に述べた通り。重視すべきは同コースを除く順位の上位馬。過去2年は1位の馬が連勝していることから軸はサーガノヴェルとする。

 サーガノヴェルはスプリント戦でのパフォーマンスはともかく、マイル戦のNZトロフィー(2着)で見せた1,000M通過55秒9が高く評価できる。血統的にも過去2年で【1・2・0・1】(75.0%)と好調のノーザンダンサー系Danzigということでピッタリ。外傷を負った後の休み明け、かつ中山専用馬とされて(少なくとも私はそう思っている)人気が中途半端になる今回が絶好の狙い目。

 相手筆頭はランキング2位で先ほど保留にしたティエッチグレース。前走・バーデンバーデンC(OP・福島芝1,200M、1着)ではテン3ハロン32秒4、1,000M通過54秒8で逃げ切っている。重賞初出走ということで一枚割り引くが、順調度という観点からはサーガノヴェルより上を行く。

 単穴は今年緒戦のNSTオープン(OP・新潟芝1,400M、7着)でそこそこ動いたゴッドオブチャンス。重賞では京王杯SC(GII・東京芝1,400M、1着)で逃げ切りがある。速度ランキングは低調だが、これは芝1,200M以下に出走が無いためであり、速度ランキングを1,400M以上に限定すると1位イルバチオ(17.48)、2位ゴッドオブチャンス(17.43)、3位サーガノヴェル(17.37)、同ユーワファルコン(17.37)となるため狙いに挙がる。

 ユーワファルコン、マルターズスパーブも悪くはないが上記3頭に比べると若干見劣る。残り1頭は展開不利だがどさくさに紛れて突っ込みがありそうなイルバチオとする。上述の通り、速度ランキングを長めにとると同馬が1位(ちなみにサンプルはNSTオープンの3着)になる。一気の距離短縮で中団からスパッと差し込むシーンを期待したい。

◎サーガノヴェル
○ティエッチグレース
▲ゴッドオブチャンス
△イルバチオ


■馬券構築

 サーガノヴェルから馬複流し。

[馬複] サーガノヴェル−ティエッチグレース 30%
[馬複] サーガノヴェル−ゴッドオブチャンス 40%
[馬複] サーガノヴェル−イルバチオ 30%


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