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第64回優駿牝馬(GI)
2003年5月25日(Sun) 東京芝2,400M 3歳オープン 定量 (牝)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 ポップコーンジャズ 74 前走よく追い込むも離された2着。この相手では。  
2 アドマイヤグルーヴ 82 桜花賞は出遅れて上がり最速。瞬発力に富む。
2 3 スティルインラブ 85 好位差しで安定。今回は仕掛け所が最大の鍵。
4 ピースオブワールド 77 ぶっつけが問題だが差脚あり強ち無視できない。
3 5 センターアンジェロ 79 前走よく追い込んだが及ばず。ここ相手強化で。  
6 タイムウィルテル 80 好位からの立ち回りで結果を出した前走収穫。
4 7 シーイズトウショウ 83 相手なりに走る馬だが距離延長はマイナスか。  
8 メイプルロード 69 前走惨敗不満。精彩欠くローテで狙い立たず。  
5 9 トーセンリリー 72 楽々逃がせてもらえる舞台でもなく苦戦必至。  
10 オースミハルカ 79 好位進出から完勝あるが距離伸びて動きにくい。  
6 11 コインオブスター 71 前走最後方から決め打ちも勝敗には無関係。  
12 ヤマカツリリー 81 キレが無いだけに瞬発力勝負では分が悪い。  
7 13 マイネヌーヴェル 75 桜花賞大敗で底見えた。上位との力差は歴然。  
14 シンコールビー 80 桜花賞組を出し抜くほどの力は感じないだけに。  
15 メモリーキアヌ 78 前走完勝も弱メン相手。過密ローテで上積み酷。  
8 16 チアズメッセージ 75 先行して見せ場は作るがそれより前に行けず。  
17 チューニー 74 桜花賞で大幅馬体減。立て直しは容易ではなく。  
18 アイシースズカ (出走取消)
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 桜花賞で差しが届かなかった馬を狙え・アドマイヤグルーヴ
■予想構築

 過去10年における優駿牝馬の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 連対馬全てに重賞出走経験があり、うち18頭に3着以内実績あり。初重賞は論外。
    ―→ただでさえ未知の距離に挑むというのに重賞初挑戦というのでは話にならない。ポップコーンジャズコインオブスターメモリーキアヌは要らない。トライアルとはいえOP特別のスイートピーS経由馬が毎年のように穴人気を集めながら【0・0・0・28】(0.0%)と3着すら無いのは「重賞出走経験が無かった」ということに原因があるような気がする。
  • 過去10年のうち8年で桜花賞経由馬が連対している。延べ13連対(7勝)。
    ―→ちなみに桜花賞後にトライアルを使って巻き返した例として'94年2着ゴールデンジャックを挙げることができるが、同馬は重賞(フローラS)を勝って重賞2勝目を挙げていたことから、これに該当しないセンターアンジェロチアズメッセージは要らない。
  • 前走が桜花賞以外なら3着以内、桜花賞経由なら一桁着順であることが望ましい。
    ―→スイートピーS16着メイプルロード、フローラS15着トーセンリリーは要らない。桜花賞経由でも負けすぎているのは問題で、二桁着順経由馬の連対例は無い。桜花賞10着マイネヌーヴェル、同12着チューニーは見送りが妥当。
 狙いに挙がるのはアドマイヤグルーヴスティルインラブピースオブワールドタイムウィルテルシーイズトウショウオースミハルカヤマカツリリーシンコールビーの8頭。

 オークスは牝馬限定戦では最長となる2,400Mで争われる。初距離でも折り合いさえつけば問題ないとは思うが、スタミナ切れを起こして鞭を入れてから反応が無いというのでは困る。ということで今回の出走馬の父についての距離適性を把握するために2,000M以上の成績を考察してみた。

【出走馬種牡馬の2,000M以上成績、平均勝利・連対距離(期間:'01年1月5日〜'03年5月18日)】
種牡馬 2,000M以上成績(連対率) 平均勝利距離 平均連対距離
ダンスインザダーク 【43・50・50・336】(19.4%) 1769.3m 1784.4m
サンデーサイレンス 【174・141・158・1009】(21.3%) 1740.4m 1743.9m
オペラハウス 【20・29・26・183】(19.0%) 1862.0m 1891.5m
ブライアンズタイム 【39・48・47・381】(16.9%) 1732.2m 1734.5m
サクラバクシンオー 【2・0・1・19】(9.1%) 1320.2m 1307.1m
ジェニュイン 【5・8・6・80】(13.1%) 1642.1m 1632.9m
アンバーシャダイ 【12・11・14・107】(16.0%) 2061.1m 1945.8m
フサイチコンコルド 【7・6・5・66】(15.5%) 1551.6m 1551.9m
ティンバーカントリー 【7・8・12・156】(8.2%) 1778.2m 1761.1m
サクラローレル 【6・6・6・78】(12.5%) 1687.5m 1706.8m
トニービン 【85・87・62・523】(22.7%) 1793.0m 1806.4m

 サクラバクシンオー産駒は他種牡馬産駒に比べて平均勝利・連対距離が400〜500Mも短く、相対的に不利に映る。当該産駒シーイズトウショウは桜花賞で2着に入っているにも関わらず12番人気(土曜最終85.6倍)と人気が無いが、上記データからすればやはり敬遠するのが筋か。また、平均勝利・連対距離こそ問題は無いものの、2,000M以上における連対率がサクラバクシンオー産駒をも下回るティンバーカントリー産駒も距離が伸びてプラスにはならないものと推測できる。よって当該産駒のヤマカツリリーも敬遠の対象となり得る。

 シーイズトウショウとヤマカツリリーを見送り、アドマイヤグルーヴ、スティルインラブ、ピースオブワールド、オースミハルカ、タイムウィルテル、シンコールビーから狙いを立てることにする。

 軸はアドマイヤグルーヴ。デビューから一貫して長めの距離を使ってきたのはここを目標にしていたことの現れに他ならない。桜花賞では勝ち馬スティルインラブより0秒6速い上がり34秒5(最速)を計時。直線が長い府中で行われるオークスでの逆転は濃厚。ここ最近「溜め殺し」が続く武豊騎手であっても「追い込み天国」(過去10年で4角10番手以降から8連対)のここを落とすようなことはないだろう。

 相手筆頭は桜花賞馬スティルインラブ。好位差しが出来るので大きく崩れるようなことは無いと思うが、距離が伸びることで瞬発力に秀でるアドマイヤグルーヴから逃れるための仕掛けが難しくなるのが厄介。ここでは幸騎手が東京芝2,000M超で9戦未連対('02年目黒記念トウカイオーザ・1番人気6着を含む)であることから狙いを下げる。桜花賞馬が過去10年で【1・2・4・2】(33.3%)と勝ちきれないのも懸念材料。

 単穴はタイムウィルテル。デビューから2戦でみせた瞬発力には目を見張るものがある。ここ2戦は上がりこそ平凡だが早めの競馬を選択してのもので致し方ない。明らかなスロー志向で、後方でじっくり溜めればアドマイヤグルーヴをも凌ぐ可能性がある。オークス騎乗機会3回で2勝を誇る吉田騎手の手腕にも期待したい。

 連下にピースオブワールド。スティルインラブと同様に好位差しが出来る点、4戦全勝で底を見せていない点を評価して抑える。

◎アドマイヤグルーヴ
○スティルインラブ
▲タイムウィルテル
△ピースオブワールド


■馬券構築

 アドマイヤグルーヴから馬複流し。瞬発力溢れるタイムウィルテルを尊重してタテ目も抑える。

[馬複] アドマイヤグルーヴ−スティルインラブ 50%
[馬複] アドマイヤグルーヴ−タイムウィルテル 30%
[馬複] アドマイヤグルーヴ−ピースオブワールド 10%
[馬複] スティルインラブ−タイムウィルテル 10%


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