HOME > 重賞展望 > 第63回桜花賞

第63回桜花賞(GI)
2003年4月13日(Sun) 阪神芝1,600M 3歳オープン 定量 (牝)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 レイナワルツ 80 前走早めの競馬で持ち味生きず。差して妙味。
2 メイプルロード (出走取消)
2 3 センターアンジェロ 80 好位から切れる脚評価。同コース勝ち鞍あり。
4 チューニー 79 クイーンC勝ち評価もコース未経験で大幅減点。  
3 5 ヘイセイピカイチ 79 クイーンC2着も一通りの相手に力負けしている。  
6 オカノハーモニー 74 前走久々でも負け過ぎ。距離延長で分が悪い。  
4 7 ヤマカツリリー 83 先行して安定した成績。叩き2戦目で更に上昇。
8 モンパルナス 83 単騎可能なメンバー構成。ノーマークなら怖い。  
5 9 スティルインラブ 84 前走前詰まる不利有。キレ最高も乗り方一つ。
10 トーホウアスカ 79 素質認めるもスタイル未確立で精彩を欠く。  
6 11 オースミハルカ 84 前走強気に仕掛け勝利。ただここは相手揃う。  
12 チアズメッセージ 83 この距離はよく走る。但し追い比べには弱い。  
7 13 シーイズトウショウ 82 相手なりに走る。前総崩れの展開なら浮上も。  
14 アドマイヤグルーヴ 85 スロー慣れしているだけにここは静観妥当か。  
15 マイネヌーヴェル 82 前走は前が止まっただけ。マイルでは届かない。  
8 16 ホワイトカーニバル 79 マイルでは後続馬の追撃を防ぐ脚を持たない。  
17 ワナ 80 重賞勝ちあるも近走は負け幅拡大。勢い疑問。  
18 ヤマニンスフィアー 78 場合によっては捲る脚あるが相手強化で苦戦。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 快進撃続くアンカツに乗れ・叩いて更に上昇ヤマカツリリー
■予想構築

 過去10年における桜花賞の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • トライアル組が圧倒的に有利。チューリップ賞経由馬が過去10年で8連対している。
    ―→トライアル全般、特に桜花賞と同舞台で行われるチューリップ賞との結びつきが強く、オースミハルカ、スティルインラブ、チアズメッセージ、シーイズトウショウのいずれかが連対する可能性が高い。但しチューリップ賞勝ち馬は【1・0・0・7】(12.5%)となり、桜花賞も連対を果たしたのは'01年1着テイエムオーシャンのみと精彩を欠いている。なお2〜4着馬は【3・2・1・13】(26.3%)。
  • クイーンCおよびフラワーC経由馬はそこで連対していても関東馬なら不要。
    ―→穴人気を集めて飛ぶパターンの典型。クイーンCおよびフラワーC連対経由馬は【0・1・2・12】(6.7%)、連対したのは関西馬で阪神3歳牝馬S(当時)で3着があった'96年2着イブキパーシヴのみ。関東馬で関西遠征経験も無いクイーンC勝ち馬チューニー、フラワーC勝ち馬マイネヌーヴェルはまず要らない。
  • 京都施行時を除く9年で阪神芝コースへの出走が無かった連対馬は1頭のみ。
    ―→チューリップ賞経由馬有利傾向や関東馬不振傾向を指し示す一事実。例外は地方から転厩して2戦目だった'93年2着ユキノビジンのみ。なお関東馬は後に牝馬3冠を制することになる'86年1着メジロラモーヌから数えて16連敗中で、直近10年では僅か3連対に留まる。この点から関東馬で阪神芝コース経験が無いチューニー、マイネヌーヴェル、ヤマニンスフィアーは劣勢。
  • 前走4着以内はほぼ必須。2戦連続5着以下はまず消し。
    ―→近走の調子を推し量る指標。連対馬20頭中18頭が該当する前走4着以内が望ましい。例外の'00年1着チアズグレイス、'02年1着アローキャリーは共に前々走のエルフィンSで2着に入っていた。これによりオカノハーモニー、トーホウアスカ、ホワイトカーニバル、ワナは消える。ちなみに直近2走で連対が無かったのは'02年2着ブルーリッジリバーのみ。これによりメイプルロード、シーイズトウショウも大幅な割引が必要。
  • キャリア3〜7戦、連対率50%以上が望ましい。
    ―→素質を推し量る指標。地方馬3頭を除く連対馬17頭がキャリアの要件をクリア。これによりシーイズトウショウ(8戦1勝)、ホワイトカーニバル(8戦2勝、地方1戦0勝)、ヤマニンスフィアー(2戦1勝)が消える。また連対馬20頭のうち'94年2着ツィンクルブライド(28.6%)を除く19頭が中央での連対率50%以上をクリアしていた。レイナワルツ(33.3%)、メイプルロード(42.9%)、ヘイセイピカイチ(28.6%)、オカノハーモニー(40.0%)、トーホウアスカ(33.3%)、チアズメッセージ(42.9%)、ホワイトカーニバル(25.0%)、ワナ(40.0%)は大幅な割引が必要。
 レース傾向に基づく消去法で消えずに残った馬はセンターアンジェロ、ヤマカツリリー、モンパルナス、スティルインラブ、オースミハルカ、アドマイヤグルーヴの6頭。連対率項目のみで減点を受けたレイナワルツ、チアズメッセージは補欠。

 オースミハルカは前走が強気の騎乗ながらクビ差の辛勝で天井とも取れる。ただ直前追い切りにて馬なりで好時計をマーク(栗坂3F50秒5−1F13秒3)していることから調子落ちまでは無さそう。スティルインラブは多頭数の中間枠でまた前が詰まる可能性を捨てきれない。またデビュー以降一貫して馬体重が落ちているにも関わらず直前追い切りで一杯に追って自己ベストを更新(栗坂3F50秒7−1F12秒6)したのもやり過ぎのような気がする。チューリップ賞経由馬有利傾向をもってしても両者は抑えまで。

 アドマイヤグルーヴは1,000M通過63〜65秒の超スローで実質上がりの競馬しかしていないのが気になる。今回はそれほどきつい流れにはなりそうにないが、それでもマイルのGIともなれば1,000M通過60秒は楽々切ってくるはず。その流れを作るモンパルナスはノーマークなら怖いがGIともなればマークの応酬が常で押し切りは難しい。さらに距離延長にも不安を抱えるため見送る。

 軸は叩き2戦目で上積みありそうなヤマカツリリー。近年は俗に言う「魔の桜花賞ペース」が解消されつつあり、ここ3年の勝ち馬は4角で3番手以内につけている。今回も前走で流れを作ったモンパルナス主導の流れが濃厚で、過度のハイペースは回避できそう。早め押し切りで後続の追撃を退けたい。

 相手筆頭はマイル戦連勝中のセンターアンジェロ。単穴は差脚強力なスティルインラブ。チューリップ賞僅差勝ちのオースミハルカは見送り。代わって補欠から差す競馬で食い込みがありそうなレイナワルツを連下に加える。

 ここで少し穴馬の考察を行ってみる。このレースは上位人気馬の信頼性が低く、過去10年で1番人気と2番人気の組み合わせで平穏に決まったのは'97年の1回しかない。また単勝オッズ12倍〜45倍の範囲から9連対(4勝)しており、波乱の要素は高い。但し単勝オッズ50倍以上馬は【0・0・0・74】(0.0%)となり、極端な穴馬が来るわけでもない。

 二桁人気で連対して波乱を呼んだ3頭に共通するのは「前走の桜花賞トライアルで人気を集めながら凡走し、桜花賞で人気を8つ以上落としていた」こと。

【TR人気凡走後、桜花賞人気暴落で劇走した例】
年度(回) 馬名 前走TRレース(格) 前着順(人気) 桜花賞着順(人気)
'94年(第54回) ツィンクルブライド 4歳牝馬特別(GII) 4着(4人気) 2着(12人気・↓8)
'96年(第56回) ワンダーパヒューム アネモネS(OP) 3着(1人気) 1着(10人気・↓9)
'02年(第62回) アローキャリー アネモネS(OP) 8着(1人気) 1着(13人気・↓12)

 上記の他にも'00年1着チアズグレイスのようにチューリップ賞1番人気で大敗(10着)後、桜花賞6番人気で勝利という事例もあり、穴馬発掘には「前走でどれだけ評価されていたか」が判断材料になり得る。

 今年の該当馬はマイル戦2勝、前走チューリップ賞2番人気で3着(敗戦差0秒1)ながら前売り13番人気のチアズメッセージ、阪神ジュベナイルフィリーズ4着、前走チューリップ賞5番人気で4着(敗戦差0秒3)ながら前売り12番人気のシーイズトウショウあたり。ただいずれもスティルインラブやオースミハルカに軽くあしらわれているので狙いにくい。

◎ヤマカツリリー
○センターアンジェロ
▲スティルインラブ
△レイナワルツ


■馬券構築

 ヤマカツリリーから馬複流し。人気暴落のチアズメッセージとタテ目へも軽く抑える。

[馬複] ヤマカツリリー−センターアンジェロ 20%
[馬複] ヤマカツリリー−スティルインラブ 40%
[馬複] ヤマカツリリー−レイナワルツ 20%
[馬複] ヤマカツリリー−チアズメッセージ 10%
[馬複] センターアンジェロ−スティルインラブ 10%


■このレースの回顧へ ■ホームに戻る
Copyright (C) 2000-2010 競馬万事塞翁が馬 All Rights Reserved.