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第20回フェブラリーS(GI)
2003年2月23日(Sun) 中山ダート1,800M 4歳以上オープン 定量 (混)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 エイキューガッツ 81 年齢的に上積みは望めそうに無く。  
2 カネツフルーヴ 89 同型が厄介。急坂コース替わりも懸念材料。  
2 3 プリエミネンス 96 牡馬の一線級に相対すると物足りない。  
4 アッパレアッパレ 90 ハイペースでもついていけるが相手強く。  
3 5 ゴールドアリュール 95 前走は展開楽。追走でどこまでやれるか。
6 マイネルブライアン 91 4角順位から1頭しか交わせないのが問題。  
4 7 イーグルカフェ 99 JCダートで見せた捲りが再び使えれば。  
8 ビワシンセイキ 93 前走は道中掛かり通し。好位で折り合えば。
5 9 スマートボーイ 94 他に行く馬がいる場合は見送りが妥当か。  
10 ノボトゥルー 89 半マイルの距離延長もハイペースなら浮上。
6 11 レギュラーメンバー 80 叩き2戦目で斤量2kg減。ただ展開は厳しい。  
12 ハギノハイグレイド 98 前走は展開向かず。脚抜き良い馬場で一考。
7 13 ディーエスサンダー 87 コース・距離巧者もこの相手では荷が重い。  
14 エイシンプレストン 96 芝の実績だけではダートGIで勝ち負け不能。  
8 15 リージェントブラフ 97 流れが速くなると逆に届かない可能性も。  
16 アドマイヤドン 97 上がりの脚は意外に平凡。休み明けで割引。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 折り合い専念でダート界新世紀の扉を開けるビワシンセイキ
■予想構築

 スマートボーイはこのメンツでも出鞭をくれて逃げる。ジャパンCダートは出遅れて最後方からの位置取りになったため、外国馬アブリーズと最低人気アルアラン主導による1,000M通過61秒3の平均ペースに落ち着いた。今回は他に逃げ宣言を出しているカネツフルーヴが加わりそうで、スマートボーイが上手く先手を奪ったとしてもペースは必然的に上がる。馬場状態からも決着タイムは早くなりそうで、前を行く有力馬の仕掛けが早まれば後方待機馬にもチャンスが巡ってきそう。

 GI昇格後の過去6年におけるフェブラリーSの傾向を紐解くと以下のようになる。
  • ダート戦4勝以上必須。
    ―→ダート戦3勝以下の馬は延べ24頭が出走して【0・0・1・23】(0.0%)。最先着は'01年3着トゥザヴィクトリー(牝5・55kg)で、'00年12着キングヘイロー(牡5・57kg、1番人気)などの人気を集めての敗退例が目立つ。ダート戦3勝以下馬は4勝以上馬に対して相対的な割引が必要になる。初ダート勝利がジャパンCダートだったイーグルカフェ、キャリアが浅いディーエスサンダー、ダート実績皆無のエイシンプレストン、ダート2勝のアドマイヤドンは怪しい。
  • ダート戦連対率60%以上、ダート重賞勝ちがあることが望ましい。
    ―→ダート戦連対率が60%を割っていたのは'01年1着ノボトゥルー(牡5・57kg、連対率40.9%)のみ。また、中央交流重賞を含むダート重賞に勝ち鞍が無かったのは'98年1着グルメフロンティア(牡6・57kg)のみ。但し同馬には芝での重賞勝ちがあった。ダート戦連対率60%未満のエイキューガッツ、プリエミネンス、マイネルブライアン、イーグルカフェ、スマートボーイ、ノボトゥルー、レギュラーメンバー、ハギノハイグレイド、エイシンプレストン、リージェントブラフ、ダート重賞未勝利のビワシンセイキは一歩後退。
  • 前走5着以内必須。直近2走のいずれかで連対していることが望ましい。
    ―→前走6着以下の馬は述べ31頭が出走して【0・0・0・31】(0.0%)。前走敗戦差0秒6以下の馬は延べ46頭が出走して【1・0・0・45】(2.2%)、例外は0秒7差を巻き返した'00年1着ウイングアロー(牡5・57kg)のみ。また、直近2走で共に連対が無かったのは'98年2着メイショウモトナリ(牡4・56kg)のみ。ちなみに前々走GIIIで敗戦差0秒4(8着)、前走GIIIで敗戦差0秒5(4着)の内容だった。前走6着以下のエイキューガッツ、プリエミネンス、イーグルカフェ、レギュラーメンバーは赤信号。直近2走に連対が無いハギノハイグレイド、さらに前走敗戦差0秒6以上のアッパレアッパレ、マイネルブライアン、ビワシンセイキは黄信号。
 完全クリア馬はカネツフルーヴ、ゴールドアリュールの2頭。必須項目を満たしていないエイキューガッツ、プリエミネンス、イーグルカフェ、レギュラーメンバー、ディーエスサンダー、エイシンプレストン、アドマイヤドンの7頭を消す。残る7頭について以下の項目に基づき再検討する。
  • ノーザンダンサー系種牡馬の産駒が4年連続連対中。
    ―→今年の該当馬はスマートボーイ、(レギュラーメンバー)、ハギノハイグレイド、(エイシンプレストン)、リージェントブラフの5頭。
  • 5歳馬が4連勝中。
    ―→今年の該当馬はビワシンセイキただ1頭。
 連対率のみで減点を受けたノボトゥルーと、上記項目を受けて直近2走(前走敗戦差)と連対率で減点を受けたハギノハイグレイド、前走敗戦差と重賞実績で減点を受けたビワシンセイキを復帰させる。レギュラーメンバーとエイシンプレストンは消し馬。スマートボーイとリージェントブラフはハイペースに懸念を残すため見送る。

 軸はビワシンセイキ。昨年の5連勝中の上がりはいずれも最速。距離延長・初重賞という課題を乗り越えて連対を果たした東京大賞典(交流GI・大井ダート2,000M、2着)の内容からすれば、重賞勝ちが無いとはいえ侮れない。前走が折り合いを欠いての敗戦ということで巻き返しの余地は十分にある。東京大賞典で後塵を拝したゴールドアリュールが自分のスタイルに持ち込めそうにないとなれば、今回は決め手の差で逆転可能か。

 相手筆頭はノボトゥルー。今回とコースこそ異なれど、フェブラリーSでは一昨年1着、昨年3着。いずれも1,000M通過60秒を割る早い流れを差して来ていた点を評価しておきたい。何より前走でハイペースを経験した直後で、そこで上がり最速をマークして斤量2kgダウンなら妙味。距離延長が微妙だが、一昨年のジャパンCダート(GI・東京ダート2,100M、4着)において直線半ばまで踏ん張っていたことからすれば、この距離なら何とか持ち堪えられそう。データ的には連対率で引っかかるが、その例外を築いたのが自分自身となればさして気にならない。

 単穴は前走上がり最速のハギノハイグレイド。持ち時計No.1ということからも、前が伸びきれなければまとめて交わすシーンもありそう。中山の重い砂は合わないが、湿り気を帯びた脚抜きの良いダートならまだ頑張れるはず。前々走4番人気、前走4番人気と来て人気が暴落したここで狙いを立てる。

 連下にゴールドアリュール。自分のスタイルに持っていく(思い切ってハナを奪いにいく)ことも考えられるが、場合によっては着拾いに方向転換できるポジション。ジャパンCダート(GI・中山ダート1,800M、5着)は仕掛け早で4角先頭だった。じっくり構えればゴール前チョイ伸びが出来るかも。武豊騎手の機転を期待したい。

 ゴールドアリュールと同じくデータ的に減点無しのカネツフルーヴは前走・川崎記念(交流GI・川崎ダート2,100M、1着)を逃げ切ったとはいえ、上がりが42秒1(13.8−14.3−14.0)とかかっていたためこのメンバー相手に逃げ切りは厳しいように思える。好位に控えてもジャパンCダート(GI・中山ダート1,800M、11着)のようなちぐはぐなレースが想定されるので見送る。

◎ビワシンセイキ
○ノボトゥルー
▲ハギノハイグレイド
△ゴールドアリュール


■馬券構築

 ビワシンセイキから馬複流し。ビワシンセイキが格負けした場合のリスクを勘案し、ボックスの組み合わせも若干抑えておく。

[馬複] ビワシンセイキ−ノボトゥルー 40%
[馬複] ビワシンセイキ−ハギノハイグレイド 10%
[馬複] ビワシンセイキ−ゴールドアリュール 20%
[馬複] ノボトゥルー−ハギノハイグレイド 10%
[馬複] ノボトゥルー−ゴールドアリュール 10%
[馬複] ハギノハイグレイド−ゴールドアリュール 10%


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