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第43回京成杯(GIII)
2003年1月19日(Sun) 中山芝2,000M 3歳オープン 別定 (混)(特指)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 スズカドリーム 75 切れる脚は無いがこの距離で逃げて2連対は大きい。
2 2 サクラスターダム 76 前走は2着馬にも2秒0負け。芝替わりも強調材料無く。  
3 3 マイネルレジオ 73 休み明けといえど500万条件で完敗では厳しい。  
4 4 コスモインペリアル 88 メンバー唯一の3勝馬だが重賞2戦は振るわず。  
5 イルデパン 88 前走距離延長で完敗。上手く先行出来れば上位争いも。  
5 6 タマモリッチ 85 好位につけてもこのクラスでは競り負けの可能盛大。  
7 ビービーヘブン 76 前走で同距離を逃げ切ったが勝ち時計は平凡。  
6 8 ブラックカフェ 86 前走は前残りの展開を詰められず。位置取り次第。
9 シアトルユー 84 詰めが甘く、好位につけながら差し切れないのはどうか。  
7 10 レディロワイヤル 79 距離実績皆無。絞れて展開恵まれても一変までは。  
11 ユウワンタイシ 75 休み明けで割引。中山で自在性を発揮できるか疑問。  
8 12 ブルーイレヴン 93 前走は内へササリ通し。矯正具装着で変わり身期待。
13 テイエムリキサン 93 展開不問だがマイル戦から距離延長は好ましくない。
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 真っ直ぐ走れば力上位ブルーイレヴン
■予想構築

 ハナに立ちそうなスズカドリーム、ビービーヘブンは共に溜め逃げタイプで、場合によっては第三の馬が逃げる余地をも含む。直後につける馬もこれに追随しそうで、逃げ馬が競合しても全般的な流れはスロー寄り。ただブルーイレヴン、テイエムリキサンが前残りを警戒して早めスパートをかけそうで、完全な行った行ったは考えにくい。

 前年中山5回から本年中山1回4日に至る期間で、新馬戦・未勝利戦を省いた同世代の同コース戦3レースから展開有利馬を検討することにする。展開注目馬は前走逃げて勝利のスズカドリームとビービーヘブン、下記3レース中2レースに出走しているブラックカフェ。

【現3歳世代の同コース走破ラップ('02年中山5回〜'03年中山1回)】
日付 レース名 ラップ構成
02/11/30 葉牡丹賞 12.4-11.3-13.3-12.4-12.4-12.4-12.3-11.5-12.0-12.0
02/12/22 ホープフルS 12.5-11.3-12.4-13.2-13.0-12.6-13.1-12.4-11.9-12.2
03/01/06 寒竹賞 12.3-10.9-12.1-12.0-12.0-11.9-12.2-12.2-12.8-13.0

 1,000M通過ラップと上がり3ハロンは葉牡丹賞61秒8と35秒5、ホープフルS62秒4と36秒5、寒竹賞59秒3と38秒0。ホープフルSが湿った馬場(やや重)だったことからすれば前残りを生みやすい状況だったと言えなくはないが、ホープフルSはスタート前で上がったラップが1コーナー過ぎからの上りで緩んでいるのに対し、葉牡丹賞ではそこからラストまで一貫したラップ構成になっている。ここからも中弛みなら先行馬有利、一貫した流れなら差し馬有利の構図が見受けられる。

 なお、葉牡丹賞で逃げたマルゴジャスティスは同レース5着後、寒竹賞に出走して10着。寒竹賞では逃げ馬同士の競合が起きながら上がりがかかった影響で2番手追走のタイキヴァンベールが2着に粘っている。中山芝2,000Mが逃げ馬の残りやすいコースであることは確か。

 今回は溜め逃げタイプ2頭がレースを引っ張りそうで、ホープフルSのような完全な中弛みは考えにくい。但し逃げ馬有利のコース形態のため競合が起こっても前が残る余地がある。また有力馬2頭が早めに前に取り付いていくとすれば、スローでも葉牡丹賞のような差しが効く。この意味で葉牡丹賞勝ち・ホープフルS負けのブラックカフェは巻き返しがあっても良さそう。

 距離延長後のデータに基づき、過去4年の京成杯の傾向を紐解くと以下のようになる。
  • 関西馬の優位傾向強化。
    ―→関東馬【0・2・2・33】(5.4%)、関西馬【5・1・2・10】(33.3%)。昨年の1着同着を含め、距離延長後は関西馬の独壇場。関東馬同士の決着は望みにくい状況にあり、軸は関西馬スズカドリーム、テイエムリキサン、ブルーイレヴンの中から選んだ方が無難。
  • 同距離勝ち鞍がモノを言う。
    ―→昨年1着ローマンエンパイア(最高勝ち距離1,600M)を除く勝ち馬4頭に芝2,000Mにおける勝ち鞍あり。なお連対馬8頭全てにマイル以上の勝ち鞍あり。この点からスズカドリーム、ビービーヘブン、ブラックカフェ、ブルーイレヴンが単勝候補。紅一点レディロワイヤルは脱落。
  • 前走大敗からの巻き返しが難しい。
    ―→伝統的にこの傾向が認められる。まず前走掲示板外からの巻き返し例無し。連対馬8頭中7頭が前走敗戦差0秒5以内。例外は'01年2着マイネルエスケープ(ラジオたんぱ杯2歳S5着、敗戦差1秒4)。この点からシアトルユー、スズカドリーム、タマモリッチ、テイエムリキサン、ビービーヘヴン、ブラックカフェ、ユウワンタイシ以外の馬は厳しい。
 早くも距離延長後の京成杯の「定石」になりつつある関西馬から検討する。まずブルーイレヴンは前走敗戦差2秒0の7着でデータ的には消し。次にテイエムリキサンは同距離実績が無い。またスズカドリームは前述の通り逃げ馬の競合で差し馬を抑えきれるか微妙なところ。

 勝ち馬が見出せない。仕方が無いので人気でもメンコ&片眼ブリンカー装着で一変を誓うブルーイレヴンを軸とする。前走の大敗はレースをしていないとみれば度外視できる。完全な中弛みなら切り捨てたが、ミドルペースもありえそうでこれなら早めスパートが決まれば確実に前に取り付いてくる。相手は残り2頭の関西馬テイエムリキサン、スズカドリームで良いと思われるが、テイエムリキサンについては差し馬同士で決まる蓋然性が低いとみて意識的に評価を下げてみる。

 残る1頭は関東馬から選ぶ。となれば距離経験を重視してブラックカフェかビービーヘブンが妥当。どちらかとなれば前述の巻き返しの可能性を含んでおり、かつ人気を集めたSS産駒が強い(距離延長後、2番人気以内に推されたSS産駒4頭のうち3頭が連対)ことからブラックカフェ。

◎ブルーイレヴン
○スズカドリーム
▲ブラックカフェ
△テイエムリキサン


■馬券構築

 ブルーイレヴンは距離・重賞実績あるが気性難だけに完勝か惨敗かのどちらか。ということで馬単流しで勝負。

[馬単] ブルーイレヴン→スズカドリーム 50%
[馬単] ブルーイレヴン→ブラックカフェ 30%
[馬単] ブルーイレヴン→テイエムリキサン 20%


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