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第52回日刊スポーツ賞中山金杯(GIII) 2003年1月5日(Sun) 中山芝2,000M 4歳以上オープン ハンデ (混)[指定] |
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枠 | 馬 | 馬名 | 脚質 | 補正 | 寸評 | 印 |
1 | 1 | マルターズスパーブ | 逃 | 92 | 強力な逃げ馬不在。スローに落として押し切りも。 | △ |
2 | コスモレジスタ | 差 | 91 | 出負け気味で道中の不器用目立つも決め手は随一。 | ||
2 | 3 | カンファーベスト | 差 | 96 | 依然として軽斤量も相手強化で苦戦。 | |
4 | トーホウシデン | 差 | 101 | 有馬記念2着馬と接戦あり。斤量差でイブキを逆転。 | ◎ | |
3 | 5 | サスガ | 差 | 95 | 同コースで2歳時にレコード勝ち有るが相手強い。 | |
6 | ミヤギロドリゴ | 追 | 95 | 自己最軽量も年齢的な上積み感じず。 | ||
4 | 7 | イブキガバメント | 差 | 100 | このクラスでは安定も58.5kgは他馬に比べて不利。 | |
8 | エルカミーノ | 差 | 91 | 初めての軽ハンデに若干該当。中山芝2勝で注意。 | ||
5 | 9 | エイシンスペンサー | 先 | 99 | この距離は安定して走る。ただ中山コースは下手。 | |
10 | アンクルスーパー | 差 | 95 | 前崩れの展開で実力を発揮するタイプ。今回は不要。 | ||
6 | 11 | アグネススペシャル | 差 | 100 | 休み明け。前開催を使っていた馬と比較して割引。 | ○ |
12 | トーアメイウン | 逃 | 86 | 逃げて2勝も直線で踏ん張り利く相手では無く。 | ||
7 | 13 | マイネルライツ | 追 | 97 | 同コースで逃げて2着有り。ただ重賞では力不足。 | |
14 | クラフトマンシップ | 差 | 97 | 一昨年の同レースで2着。外枠発走時に穴傾向あり。 | ▲ | |
8 | 15 | グラスエイコウオー | 追 | 95 | 昨夏に脚質転換。コーナーを上手く回ってくれば。 | |
16 | サイレントセイバー | 追 | 97 | 前走から大幅距離短縮。追走一杯で終わりそう。 |
■レース展望 天皇賞組に白羽の矢・トーホウシデン | ||||||||||||||||||||||||||||
■予想構築 マルターズスパーブやトーアメイウンの他、一貫したペースで追走するエイシンスペンサー、前走でこれを負かしたイブキガバメントなど前に行く馬はそこそこ揃った。その中でも展開注目馬はマルターズスパーブ。同馬は前走(中山芝1,800M)で1,000M通過62秒6という緩い流れで逃げており、過去の重賞連対時(フラワーC、ラジオたんぱ賞)も61秒台の逃げを打っていたことからスローで逃げたいクチ。他馬が競りかけないならスロー、絡んでいけば平均からやや速い流れ。馬場も連続開催の影響で良いとは言えず、例年に比べて前につけた馬が有利か。 ここ2年の中山金杯は軽量牝馬が絡んで波乱を呼んでいる。今年の該当馬はマルターズスパーブ。「中山芝」で「重賞勝ち」がある「人気薄」という点でも怪しい。中山芝2,000Mで詰め切れないグレイソヴリン系のWith Approvalを父に持つだけに勝ち切るという点では疑問符が付くが、逃げやすい最内枠に加えて自己最軽量52kgということを考えれば2着(連対圏内)は十分有り得るのではないだろうか。 一方で軽量牡馬は不振で、負担斤量52kg以下牡・セン馬は【1・0・1・20】(4.5%)、連対したのは'94年1着ヒダカハヤト(牡7・52kg、前走比−5kg)のみ。「軽ハンデを生かした牡馬の好走」があまり見られないのが中山金杯の特徴。この点からコスモレジスタ、カンファーベスト、ミヤギロドリゴ、トーアメイウン、サイレントセイバーはお勧めできない。 人気が予想される鳴尾記念連対馬2頭はいずれも先行馬で、展開面を考えると簡単には崩れそうにない。重賞での格からすればイブキガバメントだが、エイシンスペンサーは4走前のオークランドトロフィー(阪神芝2,000M)で1,000M通過57秒6、3走前のオパールS(京都芝2,000M)で同61秒3というそれぞれ異なる流れを制しており、展開の融通性という点からはエイシンスペンサーが上位。ただ両馬とも中山コースに実績が無いのが気になる。 ここでイブキガバメントを基準に負担斤量のアドバンテージを考察すると次のようになる。
鳴尾記念対戦組で逆転できそうなのは前述のエイシンスペンサーくらい。それよりも天皇賞・秋対戦組のハンデ関係がかなりの妙味を秘めており、イブキガバメントに0秒2しか負けていないアグネススペシャルが3.5kg、0秒2先着していたトーホウシデンが1.5kgのアドバンテージを有する。これによりイブキガバメントとこれと同格のエイシンスペンサーを切り捨てる。 中山金杯でやって来る穴馬のパターンは新傾向の軽量牝馬以外に人気薄の重賞勝ち馬が挙げられる。'94年1着ヒダカハヤト(牡7・52kg、10番人気)、'95年2着ゴールデンアイ(牡7・55kg、13番人気)、'01年2着クラフトマンシップ(牡6・54kg、10番人気)はいずれも過去に重賞を勝っていながら近走不振でノーマーク状態にあった。今回で言えばマルターズスパーブ、ミヤギロドリゴ、クラフトマンシップがこれに該当する。この中では実際にこのレースで2着に来たことがあるクラフトマンシップが面白い。函館記念で2回穴を開けたように中山に戻った今回は抑えて妙味。外枠発走で追走がスムーズになるのもプラス。事実、全成績【5・5・4・34】(20.8%)に対して外枠発走時は【2・2・1・5】(40.0%)。これは函館記念2連対、中山金杯1連対を含む。 軸はトーホウシデン。京阪杯(GIII・京都芝1,800M、4着)で直線逸早く抜け出した結果敗戦差0秒4なら上出来。そこでアタマ差負かしたタップダンスシチーが有馬記念であわやの2着。当面の強敵と目されるイブキガバメントにも天皇賞・秋(GI・中山芝2,000M、5着)で0秒2先着しながら負担斤量で1.5kg有利。相手筆頭は休み明けが気になるもののハンデが手頃なアグネススペシャル、外枠発走で好位につけられそうな差し馬クラフトマンシップ。連下はマルターズスパーブ。 ◎トーホウシデン ○アグネススペシャル ▲クラフトマンシップ △マルターズスパーブ ■馬券構築 トーホウシデンから馬複流し。但しマルターズスパーブに対しては馬単。ここで注意しなければならないのは中山金杯において「重ハンデ馬同士では決まらない」という法則が存在すること。具体的には56.5kg以上馬同士では決まっていない。これは即ち重ハンデ馬の間には何かしらの中間ハンデ馬が絡むということだ。この点からもトーホウシデン−イブキガバメントの組み合わせは要らないことになる。 [馬複] トーホウシデン−アグネススペシャル 50% [馬複] トーホウシデン−クラフトマンシップ 30% [馬単] トーホウシデン→マルターズスパーブ 20% |