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第59回安田記念(GI)
2009年6月7日(Sun) 東京芝1,600M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 2 3 ウオッカ 牝5 56.0kg 武豊 1.33.5 492kg(-2) 1
2 3 6 ディープスカイ 牡4 58.0kg 四位洋文 1.33.6 3/4 524kg(+14) 2
3   2 4 ファリダット 牡4 58.0kg 安藤勝己 1.33.8 1 470kg(+4) 10
4   5 9 カンパニー 牡8 58.0kg 横山典弘 1.33.8 ハナ 468kg(-2) 4
5   4 7 ライブコンサート セ5 58.0kg 和田竜二 1.34.0 1 1/2 476kg(-2) 15
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 12.0 - 10.6 - 10.8 - 11.9 - 12.1 - 12.1 - 11.6 - 12.4
上がり 4F 48.2 - 3F 36.1
3コーナー 11,17(10,16)(12,14)(3,7,18)(5,6,13,15)(1,9)(2,8)-4
4コーナー 11,17(10,16)(3,14)12(6,18)(5,7,13,15)(2,9)(1,8)4

■レース回顧 絶体絶命のピンチから逆転勝利・恐るべき女傑ウオッカ!
■レース解説

 スマイルジャックが出遅れ。ローレルゲレイロとアルマダが先手を窺うも、コンゴウリキシオーがこれらを交わしてハナに立つ。タマモサポート、トウショウカレッジ、マルカフェニックスも前につける。ウオッカは中団の内、ディープスカイとスーパーホーネットがこの直後を追走。スズカコーズウェイとカンパニーはその後ろに続く。ファリダットは少し離れた最後方を進む。コンゴウリキシオーが1馬身先頭で直線に向く。コンゴウリキシオーに内からタマモサポート、外からローレルゲレイロ、アルマダ、サイトウィナーが並びかけて横一線。そこへディープスカイが内を割って抜け出す。ウオッカは前が壁になって抜けられない。ディープスカイが一旦は完全に抜け出すも、残り100Mでウオッカが馬群を割って猛追、ディープスカイを並ぶ間もなく差し切る。


■レース回顧

 3連複3着抜けハズレ。お前は完全に包囲されている!…あっさり出てきてワロタ。(^o^;)

 外側が総じて好スタート。内のスマイルジャックはサクッと出遅れて終了。あーあ。ダッシュ良く抜け出そうとするローレルゲレイロにアルマダが鈴をかけに行ったかと思うと、コンゴウリキシオーがゴリ押しでハナを奪いに行った。テン3ハロン33秒4のハイペース。ウオッカは昨年よりも後ろにいた。流れが速いし、とりあえずはこれでいいか。内枠を引いた以上、内に構えるのは仕方ない。

 ディープスカイはウオッカの後方、ホッカイカンティとスーパーホーネットの真ん中を追走。内にも外にも持ち出せそう。スーパーホーネットはいつも通り抑えて直線勝負の構え。カンパニーは後方5番手の外で外を回す作戦か。スズカコーズウェイは考えていたよりも後ろ。ちょっと慎重過ぎるような。むしろファリダットの最後方待機は潔い。

 4コーナーに差し掛かり、前との差が縮まりながら直線へ。ウオッカは溢れるような手応えで今にも抜け出しそうな勢い。早速内を突きに行くと、後ろからやってきたディープスカイに先に入られてしまった。外に切り返すか?マルカフェニックスがいる。強引に前を割るか?ピンクの帽子3頭が完全に進路を遮っている。行きたいのに行けない。ウオッカは頭を上げて苛立っているように見えた。

 そんなウオッカを尻目に、ディープスカイが馬群から完全に抜け出した。迫り来る後続も抑えられそう。勝った。………ってあれ?ウオッカ?いつの間に?ディープスカイの後ろから外に切り返して…、並ぶ間もなく交わすのかよ!ってか、最後鞭使ってたかコレ?あの状態から勝つとかおかしいって。有り得なさ過ぎて笑った。ある意味ヴィクトリアマイルの7馬身差よりも衝撃的だった。

 「直線を向くまではうまく進めました。ただその後は下手ですね。安全策を取ってしまいました。ホントに最後の1ハロンを切ってからですよね。ドキドキしてしまいました」(武豊騎手、ラジオNIKKEI競馬実況HP)。通算3200勝ジョッキーが下手を認める騎乗を、ウオッカの強靭な精神力と瞬発力が救った。安田記念連覇は'92〜'93年ヤマニンゼファー以来2頭目の快挙。

 「強い、とにかく強いです。400M追ったのと100M追ったの違いですよ。相手は本当に100Mだけで抜けて行きましたね」(横山典弘騎手、ラジオNIKKEI競馬実況HP)。1頭だけ大外に持ち出して追い込みをかけたカンパニーに騎乗していたヨコテンを以ってしてこのように言わせるその強さ。「まともなら5〜6馬身は離されていた」と漏らした四位騎手のコメントも頷けるところ。

 ディープスカイはウオッカの後ろから狭いところを割って先に抜け出して、一旦は完全に抜け出していた。四位騎手はブエナビスタに差されたオークスに続く悪夢。今回ばかりはウオッカの強さを称えるしかない。ただ久々のマイルで流れに戸惑わなかったのは評価。見た目では完敗でも、着差は僅か3/4馬身。今回は14kg増の524kg(デビュー以来最高体重)での出走で、更なる良化の余地も残す。距離が延びる次はリベンジか。宝塚記念は安田記念勝ち馬より2着馬のほうが相性が良いことも付け加えておく。

 3着に入ったのは最後方待機のファリダット。京阪杯(2着)や京都金杯(3着)など、溜めた時の切れ味は天下一品。未だ重賞未勝利なのは最後方待機故の不器用さに拠るところが大きいのだが、血統背景から相当な奥行きがあるのは間違いない。今回は前走2番人気3着の馬が安藤勝己騎手を乗せて10番人気なら黙って買っとけということだったらしい。スズカとトウショウを買った俺、涙目。

 トウショウカレッジはいつになく前につけての競馬だったが、直線でスッと動くことが出来ずに他の馬に次々と行かれて行き場を失っていた。スズカコーズウェイは前走のような手際の良さはみられず、直線に向いたところで大外最後方という厳しい位置取り。他の馬が速過ぎて、最内から行き辛かったというのが一応の敗因になるだろうか。スーパーホーネットはウオッカとは逆に残り100Mを切ったところで勢いが無くなっていた。位置取り、コース取り、仕掛けのタイミングはどれも適正。うーん、力負けなのか?


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