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第13回KBS京都賞ファンタジーS(JpnIII) 2008年11月9日(Sun) 京都芝1,400M 2歳オープン 馬齢 (牝)(混)(指定) |
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着 | 印 | 枠 | 馬 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 体重(増減) | 人気 |
1 | 3 | 3 | イナズマアマリリス | 牝2 | 54.0kg | 池添謙一 | 1.23.7 | − | 434kg(-14) | 13 | |
2 | ☆ | 1 | 1 | ワンカラット | 牝2 | 54.0kg | 藤岡佑介 | 1.23.7 | クビ | 488kg(+2) | 5 |
3 | ○ | 4 | 5 | アディアフォーン | 牝2 | 54.0kg | 安藤勝己 | 1.23.7 | ハナ | 464kg(+2) | 2 |
4 | ◎ | 3 | 4 | ワイドサファイア | 牝2 | 54.0kg | 福永祐一 | 1.23.8 | クビ | 486kg(-2) | 1 |
5 | 5 | 8 | ルシュクル | 牝2 | 54.0kg | 長谷川浩大 | 1.24.0 | 1 1/4 | 482kg(-10) | 8 |
■各種レース指標 (天候:曇、馬場:良) |
ハロンタイム 12.4 - 11.4 - 12.3 - 12.8 - 12.2 - 11.3 - 11.3 上がり 4F 47.6 - 3F 34.8 3コーナー 2,5(3,10,11)(4,7,12)(1,6,8,14)13,9 4コーナー 2(5,10)(3,11)(4,7,12,14)1(6,8,9)13 |
■レース回顧 道営から培ったキャリアの重み・低評価覆す好走再びイナズマアマリリス! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■レース解説 ワイドサファイアが若干出遅れ。コウエイハート、ツルマルハロー、イナズマアマリリス、アディアフォーンが並んで先頭を窺う。ワイドサファイアは馬群の中、ワンカラットは中団の内を進む。ナムラミーティアは馬群後方の内を追走。コウエイハートが先頭もアディアフォーン、ツルマルハローら直後は一団。全馬がひしめき合って直線に向く。コウエイハートが先頭、内からイナズマアマリリス、中央からアディアフォーンが接近。最内ワンカラット、馬群を割ってワイドサファイアも前を追う。イナズマアマリリスがコウエイハートを交わし、外アディアフォーン、内ワンカラットの強襲を振り切ってゴール。 ■レース回顧 ハズレ。出遅れて掛かって包まれて脚余す。キャリア浅が負ける時ってこんなもん。(-_-)氏のう 何かよく分からんけど強そう。とりあえず買っておこう。と買い進まれたワイドサファイアの単勝は最終的に1.6倍。時系列を見ると朝から断続的に大口買いが入っていて、締め切り直前には17万4990票(約1,750万円)も買われていた。後出しでも何でもなく、たかがキャリア1戦の馬の単勝に大金放り込む人って何を考えてるんだろうね(下記≪おまけ≫参照)。軸が2〜3着でも当たる可能性がある3連複最強だろJK(常識的に考えて)。 ワイドサファイアに対する過剰な期待は、スタート直後に早くも裏切られることになった。横一線のスタートから僅かに遅れる赤い帽子。ワイドサファイア?おいおい…。前はコウエイハートらが先行争いを展開。ワイドサファイアも取り残される訳にはいかず、すぐに押して前を追いかけて行った。スピードはあるようで、無理することなく馬群に到達。そのままどんどんと中に潜り込んでいった。 しかしここで第2のアクシデント。勢いがつき過ぎたところで福永騎手が自制を促すと、首を上げて抵抗。おいおい、これはアカンって。何とかなだめて落ち着いたものの、四方を囲まれていて身動き出来ない状態。これは馬にストレス掛かるなぁ。コウエイハートの逃げは緩く、1,000Mを61秒1で通過。直後もビッシリ張り付いて団子状態。ワイドサファイアは直線に向くところでもまだ動けないでいた。 コウエイハートが真っ先に抜け出して、最内からイナズマアマリリスが見え隠れ。アディアフォーンも3番手から追い出しを開始。しかしワイドサファイアは未だ進路を確保出来ていない。内回りコースとの合流点を過ぎてからイナズマアマリリスがコウエイハートの外へ切り返して進出、アディアフォーンと併せてコウエイハートへ襲い掛かっていく。ワイドサファイアはここでようやく進路を確保。届くか? イナズマアマリリスとアディアフォーンがコウエイハートを飲み込んで壮絶なデッドヒート。最内からはワンカラットが猛追。ワイドサファイアもようやく加速が乗り出した、って遅いよ。何もかも後手に回りっぱなし。イナズマアマリリスらに負けたというよりは、己の未熟さに負けたって感じ。この敗戦で評価を落とす必要は全く無い。揉まれる競馬を経験出来たことをプラスと捉えておきたい。 イナズマアマリリスも中央初戦で最低人気を覆しての勝利の後、オープンのすずらん賞でも2着しているのだから、この好走も決してまぐれとは言えない。今回もスタートを決めて流れに乗って、最内で脚を溜めていただけで、特別変わったことはしていない。イナズマアマリリスにあって、ワイドサファイアに無かったもの。それはキャリア。イナズマアマリリスは道営時代を含めて今回が8戦目だった。 勝ち時計1分23秒7は過去10年でこれまで最低だった'01年と'03年(1分22秒6)よりも1秒強遅い凡時計。洋芝しか出走経験が無く、速い時計への対応が未知数だったイナズマアマリリスにとっては願ってもない展開。むしろ走る度に時計を詰め、前走を1分21秒3で制したアディアフォーンにとっては歯痒い展開だった。「ペースが遅く、瞬発力勝負になって、この馬には厳しいですね。また切れる脚がないので、もう少し速く流れて欲しかったですね」(安藤勝己騎手、ラジオNIKKEI競馬実況HP)とはまさにその通り。 ワンカラットは最内から伸びかけたところ、すぐ前でイナズマアマリリスが切り替えしたため一旦ブレーキ。コウエイハートとイナズマアマリリスの間を通って再度伸びてきた。あのロスが無ければ突き抜けていたかもしれない。レコード決着の後、超スローで上がり最速の脚を使って2着。名前が示す通り、キラリと輝くものを持っている。メイクデュースは外を通して伸びてはきていたが、考えていたほど切れなかった。シルクナデシコも中団から目立った脚が使えず埋没。後続馬にとってはペースが緩過ぎたか。 ≪おまけ≫ キャリア浅の話題馬は疑え!の巻
今回のワイドサファイアも含め、2歳重賞でキャリア1戦ながら単勝オッズ1倍台に推された馬は過去20年で17頭いて、その成績は【5・3・2・7】。3頭のうち2頭以上は負けて、2頭に1頭以上は連対出来ていない。つまり、勝つよりも負けるほうが遥かに多く、半分近くが複勝圏すら入れていないのである。ただ複勝圏に入れなかった馬の殆どが4〜5着には入っていて、負けるにしても大負けが無いのも特徴。
キャリア別にみると、キャリア数の増加に伴って連対率が上昇しているのが分かる。但し勝率が高くても、単勝オッズが1倍台なので単勝回収率は低くなりがち。キャリアが浅い馬の単勝で勝負するのは間違いなくハイリスク・ローリターン。そんな馬券買う位なら、いっそのこと単勝総流しにすれば今回のイナズマアマリリスのような高額配当にありつける可能性が出てくる(詳しい検証は面倒臭いのでパス)。今後同様のケースに出くわしたらやってみよーっと(馬券購入は自己責任でどうぞ)。 |