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第49回有馬記念(GI)
2004年12月26日(Sun) 中山芝2,500M 3歳以上オープン 定量 (混)(指定)
馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 体重(増減) 人気
1 1 1 ゼンノロブロイ 牡4 57.0kg O.ペリエ 2.29.5 (レコード) 508kg(+6) 1
2   5 9 タップダンスシチー 牡7 57.0kg 佐藤哲三 2.29.6 1/2 504kg(計不) 3
3 4 6 シルクフェイマス 牡5 57.0kg 四位洋文 2.29.8 1 1/2 480kg(+14) 9
4 5 8 ダイタクバートラム 牡6 57.0kg 武豊 2.30.0 1 498kg(0) 5
5 6 10 デルタブルース 牡3 55.0kg D.ボニヤ 2.30.0 クビ 530kg(+18) 4
※ レース結果は必ず主催者発表のものでご確認ください。

■各種レース指標 (天候:晴、馬場:良)
ハロンタイム 7.0 - 11.6 - 11.5 - 11.7 - 12.3 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 11.9 - 11.6 - 11.6 - 12.4
上がり 4F 47.5 - 3F 35.6
1コーナー 9-(1,11)(10,14)-12,6,15,4,8(2,13)(3,7)=5
2コーナー 9-(1,11)(10,14)-12,6,15,4,8(2,13)(3,7)=5
3コーナー(2周目) 9(1,11)(10,14)(6,12)4(15,8)(2,13)7,3-5
4コーナー(2周目) 9-1(10,11)(6,14)12(15,4)(2,8)(7,13)3-5

■レース回顧 秋の古馬王道路線完全制覇・ゼンノロブロイが春王者との一騎打ち制す!
■レース解説

 タップダンスシチーが押してハナを奪う。単独2番手にヒシミラクルがつける。コイントスやデルタブルースらが好位集団を形成する中、ゼンノロブロイが最内を通って先頭集団に取り付いていく。コスモバルクは中団後方を追走。ダイタクバートラム、ツルマルボーイが馬群最後尾を進む。ハーツクライはポツンと1頭最後方待機。向こう正面に入ったところで次第に隊列がほぐれて縦長になる。3コーナーを過ぎた辺りでタップダンスシチーとゼンノロブロイが共に持ったままの手応えでペースを上げていく。ヒシミラクルは後退、代わってデルタブルース、シルクフェイマスらが追い上げていく。直線に向いたところでタップダンスシチーが更に加速するも、ゼンノロブロイが坂を駆け上がったところで一気に並びかけ、尚も脚色が衰えないタップダンスシチーをゴール前で何とか競り落とす。


■レース回顧

 紐抜けハズレ。最後の最後まで1着−3着に泣くとは…。・゚・(ノД`)・゚・エ〜ン

 ゼンノロブロイは最内を掬っていきなり2番手につけると、前を行くタップダンスシチーに離されることなく一定の間隔を保ちながら追走。直線はタップダンスシチーと一騎打ちの様相だった。天皇賞秋やジャパンCでは抜群の瞬発力で他馬を置き去りにしたが、今回は一転して力で捻じ伏せるレース振りを披露。この両建てが出来る馬はそうそういない。

 タップダンスシチーはスタートから主導権を握ってそのまま居残った。絡んでくる馬はいなかったが、むしろ誰も絡めなかったというのが正しい。ゼンノロブロイの出方次第ではまさに一人舞台で終わるところだった。これで完調ではないというのだから恐ろしい。年を重ねる毎にパワーアップしているのではないかという錯覚さえ覚える。いや、錯覚ではないかもしれない

 シルクフェイマスは勝負どころで持ったままポジションを上げてきたのをみていけると思ったが、当初の位置取りの差は埋められなかった。前走は休養前に減らした馬体を戻せず、湿った馬場で外を回らされるなど本来の力を発揮できる環境にはなかった。ゼンノロブロイやタップダンスシチーに近い実力を有していながら、人気はいつも過少気味。今後も要注目だろう。

 ダイタクバートラムは今回も一応捲りをかけてきたが、前との差が開き過ぎていて目立たなかった。先に抜け出たシルクフェイマスと脚色が同じになっており、大方の予想通り相手強化に泣かされた感が強い。一時の不調からは完全に立ち直ったが、上位が抜けてくれない限りGIで勝ち負けするのは難しそうだ。

 デルタブルースはペースが上がり始めてからの動きが重苦しく、ラストで一杯になってシルクフェイマスとダイタクバートラムに交わされた。大幅な馬体増が直接的な原因だと思うが、本来の行きっぷりに無かったのは残念。それでもゼンノロブロイとは0秒5差。3歳勢で最先着を果たしており、今後に向けてのメドは立った。

 コスモバルクは中団で折り合っていたが、4コーナーに差し掛かるまでに追い鞭が入るなど早い段階で一杯。ハイペースの縦長で慣れない後方待機では力を発揮できなくて当然。使い詰めの疲労も考えられる。ちなみに同馬までが前年のシンボリクリスエスがマークしたレコードを更新するか並ぶかしている。近年の馬場高速化もここまで来るとちょっと怖い。

 他の3歳勢はハイアーゲームが6着、ハーツクライが8着、ピサノクウカイが12着、グレイトジャーニーが13着。春に結果を残したハイアーゲームとハーツクライはここでも結果が出なかった。ハイアーゲームは後方外から、ハーツクライは完全に決め打ちに入った最後方から直線最内を突いて上がってきたが、本調子になかったデルタブルースを差せなかったのは不満が残る。デルタブルースとハイアーゲームとの0秒4差には大きな壁があるように思う。

 ヒシミラクルはジャパンCに引き続きここでも積極的な位置取りが敷けたが、肝心の反応は今ひとつ。好調時は手応えが悪くても追いまくれば伸びたが、今回は鞭が入ってもサッパリ。直線の坂を駆け上がったところで完全に力尽きた。3コーナー過ぎから下りが続く京都とは違い、コーナーがきつい上に勝負どころで自分から追い上げていかなければならない中山はやはり鬼門のようだ。環境が整えば途端に走るところがあるだけに、来年の天皇賞春での復活に期待したい。


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