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第38回スプリンターズS(GI)
2004年10月3日(Sun) 中山芝1,200M 3歳以上オープン 定量 (国際)(指定)
馬名 脚質 補正 寸評
1 1 デュランダル 101 末脚極上。馬場差を考慮してもなお余りある。
2 シルヴァーゼット 85 休養明け初戦が古馬相手の速さ比べでは無理。  
2 3 サニングデール 98 定量で全力出せる。ただ差し損ねも考えられる。  
4 ナムラビッグタイム 90 先手主張も周りが皆速く付いていくだけで精一杯。  
3 5 カルストンライトオ 95 昨年13着。急坂コースではラストでパッタリ必至。  
6 アシュダウンエクスプレス 今年7戦して未勝利。勝ち切るだけの材料に欠く。  
4 7 カフェボストニアン 95 速く走ることは可能。ただ他との兼ね合いによる。  
8 タマモホットプレイ 93 短距離向きなのは確かだがここは相手強過ぎる。  
5 9 ゴールデンキャスト 96 先手を取るようになってから安定。引き続き注目。
10 ワンダーファング 92 前々走の差し込み評価も中山では再現難しい。  
6 11 フェアジャグ 英GI馬。近走惨敗が馬場適性の裏返しなら怖い。  
12 ケープオブグッドホープ 香港短距離界のイマイチ馬。決定力欠き苦しい。  
7 13 シーイズトウショウ 96 相手なりに走る。函館経由が引っ掛かるが有力。
14 キーンランドスワン 96 ここに来て充実。正攻法で行ける分だけ有利。
8 15 シルキーラグーン 92 ここ2走一杯の競馬で完敗。上積み無く苦しい。  
16 ウインラディウス 102 前走善戦も忙しさ見せる。先手取れば多少妙味。  
※ 枠順、出走馬は必ず主催者発表のものでご確認ください。
※ 『補正』=「TARGET frontier」の補正タイムランキング(直近1年の最高値)による評価。

■レース展望 真の強者に死角無し・原点回帰で連覇誓うデュランダル
■予想構築

 4回中山開催最終週に行われるようになってからの過去4年の傾向を探ると、概ね以下の通りとなる。
  • セントウルSがステップレースとして機能している。
    ―→高松宮記念と阪急杯の関係をみても明らかなように、短距離戦はステップレースとの結び付きが強い。スプリンターズSが年末に行われていた時もマイルCSとCBC賞を経由した馬が連対馬の9割近くを占めていた。現在は過去4年で3頭の勝ち馬を出しているセントウルSがその役割を果たしているとみて良い。今回もゴールデンキャストキーンランドスワンサニングデールのいずれかが連に絡んでくる公算が高い。
  • 同年の高松宮記念に出走していた馬が毎年連対している。
    ―→過去4年の連対馬8頭のうち、同年の高松宮記念に出走していなかった馬は'02年1着ビリーヴ、'03年1着デュランダルの2頭。この2頭は前述の通りステップレースとして機能しているセントウルSを経由していた。この観点からするとシルヴァーゼットナムラビッグタイムカルストンライトオタマモホットプレイワンダーシアトルウインラディウスは「路線違い」ということになる。
  • 直近2走以内にスプリント重賞3着以内は必須。近走の調子が問われる。
    ―→昨年までは「直近2走以内にスプリント重賞連対は必須」だったが、昨年デュランダルが中山記念9着→セントウルS3着というローテで勝利。ただデュランダルは前走がスプリント重賞初出走だったということを考えれば例外と受け止める事も可能。シルキーラグーンウインラディウスの他、カンカン泣きという敗因があったにせよスプリント重賞で2戦続けて連を外しているサニングデールも苦しい。
 軸はデュランダル。1秒1、1秒6、2秒2、1秒4。これはデュランダルが昨年のセントウルS以降の過去4戦で繰り出した上がり3ハロンとレース自体の上がりの差である。仮に1秒=6馬身で換算した場合、直線入口で10馬身程離れていても間に合ってしまう。前が止まりにくいといえど、ラストにかけてラップが落ちるのは避けられない。この間隙を突く。

 相手筆頭はキーンランドスワン。早めの抜け出しで前に迫ったセントウルS(2着)が好感。短距離戦にしてはテンが緩かったこともあるが、叩き台としては有効に作用したと思われる。ここでは4コーナーの位置取りから後ろに下がらないという堅実さを買いたい。時計面に一抹の不安が残るだけにカルストンライトオが引っ張る流れに惑わされずついていけるかどうかが焦点。

 連下はシーイズトウショウ。直近4年では北海道開催を経由した馬が振るわないが、その原因として(1)そもそも該当馬のレベルが低い、(2)時計が掛かる馬場から高速決着への切り替えが難しいの2つが考えられる。シーイズトウショウの場合、(1)についてはGII勝ちなど重賞で好走が多数あるため当てはまらない。(2)についてもカルストンライトオを交わすほどのスピードがあるため当てはまらない。

 単穴はゴールデンキャスト。北九州短距離Sの惨敗は最内枠を引いたことで直線前詰まりを起こしたもの。大外枠を引いた佐世保SとセントウルSでは先行して勝っている。スムーズに先手を取ることを前提とした場合、ラストで流した前走の勝ちっぷりは評価してよい。


 最後に外国馬について触れておく。

 アシュダウンエクスプレス(Ashdown Express、英)は【6・7・7・13】、重賞は1勝(GIII・'03年ベンティンクS)。先のGI・ジュライCでは勝ち馬にクビ差まで詰め寄り2着。この時のレイティングは勝ち馬より高かった。とはいえ勝てていないのは事実で、今年は7戦して1勝もしていない。固い馬場の適性を買われての来日だが、実績からしてインパクトは感じない。[好走期待値:10%]

 フェアジャグ(Fayr Jag、英)は【9・5・2・13】、重賞は2勝(GI・'04年ゴールデンジュビリーS、GIII・'03年リッジウッドパールS)。GI・ジュライC13着、GI・ナンソープS10着の敗因を軟らかい馬場に挙げた上での来日。あくまで可能性を求めた参戦で軽視しても差し支えないと思われる。ただ鞍上が計算高い横山典弘騎手というのが多少気になる。[好走期待値:30%]

 ケープオブグッドホープ(CAPE OF GOOD HOPE、香港)は【5・6・4・15】、重賞は未勝利。香港短距離界最強馬サイレントウイットネスの好敵手といえば聞こえはいいが、実際は負けてばかりで一つも勝てていない。ただ英国遠征でもGII・キングズスタンドS2着、GI・ゴールデンジュビリーSでフェアジャグの3着など結果を残しており、環境が変わってもそこそこ走る馬であることは確認出来る。3連ベースで人気を集めそうだが、掲示板に挙がれば御の字。[好走期待値:20%]

 特に怖さを感じる馬は見当たらず、当展望では全て無印とする。一頭抑えるとするならば惨敗が快勝の裏返しとも取れるフェアジャグ。

◎デュランダル
○キーンランドスワン
▲シーイズトウショウ
△ゴールデンキャスト


■馬券構築

 デュランダルから馬複2点、3連複3点。馬場が悪いため馬複流し+タテ目に変更[10/03 12:00]。

[馬複] デュランダル−キーンランドスワン 30%
[馬複] デュランダル−シーイズトウショウ 30%
[馬複] デュランダル−ゴールデンキャスト 20%
[馬複] キーンランドスワン−シーイズトウショウ 20%

[3連複] デュランダル−キーンランドスワン−シーイズトウショウ 20%
[3連複] デュランダル−キーンランドスワン−ゴールデンキャスト 10%
[3連複] デュランダル−シーイズトウショウ−ゴールデンキャスト 10%


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